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「子育て・子育ちを地域で応援!」NPO法人こどもステーションのブログ
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いじめのこと

2012年07月15日 | はらっぱから
いじめ自殺の報道が白熱しているようですね。
私はまだ一度も目にしていませんが。
報道とは不思議なものです。時々火がついたように白熱するのですね。

毎日毎日、たくさんの子どもたちがいじめに苦しみ、死ぬか生きるかの選択を続け、死んでもなお、「いじめはなかった」と言われ、「死」を無かったことかのように扱われているのです。
それはつまり、「生きている」ということさえ、無いことのように扱われるのと同じです。
学校に行き続けて苦しみ、学校から逃げて不登校になって苦しみ・・・
いつになれば、こども達が毎日安心して楽しく過ごすことができるのでしょうか。

このことについては、また別の機会に書くことにしましょう。

さて、こどもステーションの事務所が片付いてきたので、事務所代わりになっていた我が家も片付けて、必要な物はもこルーム事務所に運ぼうと整理していましたら、”没”になった、2006年の「はらっぱ」の原稿(案)が出てきたので、ここに日の目を見させてあげようと思いました。

「いじめ自殺予告」を覚えていますか?
2006年のいじめ自殺予告によって、たくさんのいじめが学校内で起こっていることにやっと気づき、文部科学大臣が「死んではいけない」と子どもたちに向けて発表したり、石原都知事が「死にたいやつは死ねばいい」と報道された時期のものです。
あれから6年ですね。

そのときからこれまで子どもがいじめで死ななかったのかというとそれは大きな間違いです。
報道されていなかっただけです。
隠蔽されていただけなのです。
あ・・・、また話が戻ってしまいました。

これは”没”原稿です。未発表のものです。
こどもステーションの運営メンバーや、CAPの仲間に「この原稿はどうだろう・・・」と相談したのですが、「加害者にも優しい姿勢は、被害者が読んだ時につらくなるのではないか」「これが奧野ちゃんの伝えたいことなのか?」というコメントをもらい、自信がなくなってしまったため、違うテーマに切り替えて「はらっぱ」ができました。

今日再び、私の目の前に現れたこの原稿をもう一度読んでみて、誤解を覚悟の上で発表させてもらいたいと感じました。たぶん、そのときの私の思いが一字一句浮き出て見えたのだと思います。

私は、人をいじめる・虐待する・苦しめる・・・という暴力には、全く賛成しない・容認しないスタンスの人です。
でも、人をいじめたくなる気持ちのどこかに「自分のこともわかってほしい・自分だってこんなに苦しいんだ」という感情が隠れていると思っています。その感情を間違った表現で、”相手を選んで”暴力をふるってしまっているのだと思っています。
そういうスタンスで書いている文章だということをご理解ください。

以下、当時の文章のまま掲載・・・・・・・・

いじめに気づいたら・・・

 最近、いじめのことがテレビや新聞などでいろいろ言われるよね。学校でもいろんな話が出ているのかな? でも、いじめは最近始まったことじゃない。子どもたちがずっとがまんしてきたことや、がまんしきれず死んでしまった子がいたことも大人は本当は知っていたんだ。たくさんの子が犠牲になって、やっと大人が動き始めただけなのかもしれないね。
 もし、あなたがいじめられているとしたら、誰かにそのつらい気持ちを話していいんだよ。わかってくれそうだな、と思う人は誰かいるかな?お父さん、お母さん? 学校の先生? 友達? 塾の先生とか、近所のおばさん? チャイルドライン? 
「つらかったね、よく辛抱してきたね」って、ただただ聴いてくれる人が、いるといいね。そしたら、つらい気持ちが半分ぐらいになるかもしれないし、「自分が悪いんじゃないんだ!自分はいじめられて当然な人間じゃないんだ!」って思えてくるかもしれないよ。そう思えたら、きっとあなたの中に隠れていたチカラが湧き出てきて、何か解決策が考えられるかもしれない。誰かと一緒に考えるのもいいよね。それに、逃げることだって悪くないよ。それは弱虫なんかじゃないんだ。「自分を大切に思う」とても大きなチカラなんだよ。
 それから、もしあなたが誰かをいじめているとしても、いじめてしまうつらさを誰かに聴いてもらっていいんだよ。話しているうちに、いじめたくなる気持ちがふっとどこかへ消えてしまうかもしれない。押さえ込まれていた自分の気持ちに気づくかもしれない。もしかして、あなたもそれ以外の場所で暴力を受けていたんじゃないかな。誰か大人から殴られるとか、差別されるとか、できそうに無いことを要求され続けているとか。そんなことをずっとがまんしていたら、どこかに吐き出したくなる気持ちがあってもおかしくないよ。だけど、それを暴力という形で誰かを傷つけないために、あなたの気持ちを誰かに話そうね。
 自分がいじめたり、いじめられたりしていなくても、いじめが現実に目の前で起こっていることを観ているだけでもつらいってこともあるよね。何もできない自分を責めたりするかもしれない。「傍観者は加害者と同じ」なんて言われると、ますますつらいよね。でもそのつらさを話すことだってOKだし、誰かに助けを求めてもいいよ。だって、いじめてる人も、いじめられている人もつらいんだから、それを助けるってことになるよね。あなたにも、いじめを解決するチカラがあるんだよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原稿案はここまでです。
子どもたちに対する当時の私の思いを小さな紙面の中に言葉足らずですが、精一杯詰め込んでいたようです。
当時は、ひろしまチャイルドライン(福山分室)の開設に向けて精一杯動いていた時でしたので、「話していいんだよ」という思いがあふれている気がします。

 ぶうりん

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