コブリのひげをひっぱりながら…

ある日 上肢局所性ジストニア と診断され
 とうとう愚痴り相手の猫もいなくなった
  元小動物臨床獣医師の独り言

全麻とは

2024年06月03日 | 日記

いつも ひとりだけ

 

別の場所にいることが多い気がするが

 

よく見ると 右側にアタマが見えて ドテっ腹 晒して

ここまで ぐーたら な姿は 初めて見た・・・

さて 週明け 月曜日

早朝は

 

ビックリさせられたが 空模様も 発雷確率高いとのこと

どうぞ みなさまにはたのしいことがたくさんありますように!

そして 毎日笑顔がありますように!

余震など 緩まずに

見つけましょう 

和鳥舎で聞こえる ホトトギス ウグイス と

イイことみっつ!

(いやぁ、自分の思いとは違う動きをする 書痙:上肢ジストニアの手指

 頭ん中では 「ウグイス」 と 打ったつもりが なんと 「ホトトギス」

 ま、病気だからね タダの不器用なGGIであって 馬鹿じゃない~♫

 ってコトで 6/4 訂正です)

 

さて 世の中の 何のお役にも立たない 長い話ばかりだが・・・ 

アメリカへスタッフを派遣し訓練させ 

同時にアメリカから施術経験のあるスタッフを呼び

 

総勢60名以上で 多摩動物園のアフリカ象の抜牙(ばつが)手術を

全身麻酔 略して全麻で行った とか・・・

なんで ソレがニュースソースになり

そんなに大事(おおごと)か・・・ ってぇと

大型草食動物 (を代表して) 「牛」 は 

自分が食べた 「葉っぱ」 を 自分で 分解・吸収して

自分が生きるエネルギーにすることは 出来ない

四つに分けられる胃袋の 一番大きい 一番目の胃(第一胃)に 

線虫ってのを飼っていて コイツの助けを借りて植物を分解してもらい

その後 すったもんだあって 最終的に吸収できるエネルギーにすることで

生きながらえているが その際 「大量のガス」 が発生するので

牛は 「ゲップ」 で ガスを排出している

この ガスの処理が出来なくなり 胃だの腸だのに 

大量のガスが溜まった状態を 鼓腸(こちょう)症といい

文字通り 腹鼓(はらつづみ)状態になり 

外から指で弾けばパンパンと鳴り そのままなら 死に至る

  

そして このデカい体躯の デッカい牙の折れたのを 

引っこ抜こう ってんだから 

首を振られただけでも 施術者が危険なので 

全麻するしかない っが 

「全麻」=「手も足も胃も腸もすべて ぐーたら状態」

画像では 象は 横臥位(おうがい) 

つまり 横たわった状態になっている ただそれだけなのに

全麻下では 胃だ腸だのの どこかが折れ曲がったり 自重で塞がったりして

「ガスが抜けない」=「鼓腸症になる」=「命の危険」

そこんとこが ややこしく 面倒くせーのが 大型草食獣

自分は

体重40kgの犬なら経験があるが 象では 素人・・・

ガスが溜まる部分へ 外からカテーテルと呼ばれる管を通しておけば

そこから ガスを抜くことが 不可能ではない・・・ っが

自分の知る限り 象の皮膚は 犬猫の手術で使うメスの刃なんか

全く通用しないほど 分厚く そして 硬い・・・

更に厄介なのは コレは犬でも同じで 何度でも言うが

「全麻状態」=「全身ぐーたら状態」 なので 横にするだけでも危険なのに

腹腔内臓器が横隔膜を自重で圧迫し 胸腔で肺が膨らもうとする

自発的な呼吸を妨げてしまう

だから 大型犬などでは 例え短時間でも全麻する場合は 

アタマ側を少し上げ 尻側を少し下げて 傾けた体位にして

腹腔内臓器の横隔膜への圧迫が 少しでも減るようにする (のが常識)

同時に バルーンと呼ばれる風船のついた 「気管チューブ」 ってのを

気管に挿入しバルーンを膨らませ エア抜けしないように密閉し 

圧力をかけて 酸素と麻酔ガスを送り込んで

肺を膨らませ 多少の圧迫があっても効率よくガス交換が出来るようにする

それでも 下側になる肺は 充分には膨らまない

肺を膨らまそうと むやみにガス圧を高くし過ぎると肺自体が損傷する

また 気管チューブの内容積が大きければ (死腔:しくう、という)

ガスを圧送しても チューブ内のガスを行き来させるだけになり

フレッシュなエアを 送り込めなかったりもする

だから全麻では コ口ナで名を知らしめた 八゚ノレスオキシメーター

日本語にすると 血中酸素飽和度計 (正常値は95%以上) 

コレは 肺でガス交換した血液中の酸素濃度を計る(少しウソ)道具だが

象なんてのが 相手の場合 

カプノメーター 「呼気中炭酸ガス濃度計」 ってのも必須で

ま、全麻状態のモニタでは 犬猫でも当たり前の道具なんだが

送り込んだ酸素が肺で吸収され かつ

ちゃんとガス交換されれば 炭酸ガスが排泄されてくるワケで

八゚ノレオキシメーターで 酸素が吸収されていることを確認すると同時に

カプノメーターで 肺への血流/循環がちゃんと機能し

肺でのガス交換も十分で ちゃんと炭酸ガスを排泄しているか

両方をモニタすることで 心肺の機能をモニタ出来る というワケ・・・ 

犬猫なら 下側の膨らまない肺を そのままにせず

可能なら 体位変換させ 上下反転するのだが

相手が相手なだけに 

「皆で一緒に ひのふのみ~!」 っちゅ~ワケにもいかず

相手が相手だから クレーンやフォークリフト っちゅ~のも無理で

人知を超えて ChatGPT(生成AI)≒人エ知能 が

方法を考えてたりして~♫ ってコトではなくて

Web版新聞で見ることが出来る3枚の画像のウチ 

一番上に載せた画像を良く見ると

左下に 鼻がだらりん~と伸びているが その上に

白い蛇腹のホースが写っていて その先は 

紫色の(スクラブと呼ばれる)ユニフォームを着たスタッフの間に見える

口の中だから コレ 気管チューブ っしょ・・・でもって

右側には前足を載せた ミカン箱より ひとまわりデカい 

干し草ブロックが見えるから

こんなのを 上手いこと使って 総勢で支えたんだと思われる

出来る事の証明 ってのは やったモンの知恵の証明

ソレが世界で 2番目だっていいのさっ!

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