コブリのひげをひっぱりながら…

ある日 上肢局所性ジストニア と診断され
 とうとう愚痴り相手の猫もいなくなった
  元小動物臨床獣医師の独り言

大切な家族のはずじゃ…

2009年09月27日 | 日記
想像して下さい。

会社の健診で配偶者に異常が見つかりました!
普段は文句や小言の多い相手ですが
詳しい検査が必要になり心配です。
結果は「糖尿病」と「高血圧」…
あぁそういえば
爺ちゃんは糖尿で死んだんだっけか…
遺伝かぁ?


今日から闘病生活です。
家族全員が協力しての食事制限。
しっかり忘れることのない投薬。
ちょっと痛いけど我慢のインシュリンの注射。
そして規則正しい生活。
医者の言いつけを守り
その甲斐あって通院するたびに
検査結果はぐんぐん良くなり…
みんなでよかったよかった、一安心です。

そうなると…
悲しいかな規則正しかった生活は乱れてきます。
ちょっとくらい大丈夫だよね!
明日は忘れずに薬を飲まなくちゃ!
家族は心配しているのに
いい加減な食事制限に戻ってしまいました…
ですが
定期検診では血糖値も血圧も
バッチリ良い数字が並びました!!

なぁ~んだ
いい加減でも平気じゃんか!!
そう思った配偶者…
以前はしっかり言いつけを守った医者に
「薬飲まなくても数字が良いんじゃ
薬いらねぇなぁ。おい、そうだろ?」
口のきき方もいい加減になってきました。
「金がかかる薬だから、もういらねぇよ。
コッチで良いように飲むからよぉ
粉の薬だけ、安い方な
粉だけくれたらいいんだよ」

こんな事を言うようになってしまいました。



アナタのお家にいる動物は
大切な家族じゃなかったのですか?

そして
薬用量を決めるのは
患者ではなく医者であり獣医師の仕事です。
薬は飲ませたいが経済的な理由で困っている
などの相談は大歓迎ですが
「粉だけくれたら良いんだ」とハナから勝手に決めておいでなら
「粉だけくれる所へ行って下さい」と答えます。
中途半端な「治療ごっこ」は
かえって動物を不幸にするからです。

ついでに言えば
「ネットで調べたんだ」なんておっしゃるなら
「ネットで治してもらいなさい」
「ネットで買ったらいいでしょう」と答えます。
ネットは便利ですが正解ばかりではありませんから。





獣医師に「なろう」と決めてから
30年が過ぎました。
獣医師に「なって」から
20年が過ぎました。
高校生のワタシが「道」を決めた時
きっかけの一つをくれた恩師は今年度で定年…
コメント
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