ひわさうみがめトライアスロン2012
二週連続のトライアスロン出場というのはここ最近やっていなかったが、今回は前週の長崎西海トライアスロンに続いての出場となった。実はこちらも第1回から出場を続けている大会であったが、第9回のときに長崎西海と日程が重なったために欠場し、残念ながら連続出場は途切れてしまった。昨年も同じく長崎西海と日程が重なって欠場だったので2年ぶりの出場となる。
今年もまた渋滞を避けるため、朝早くに出発する。10時前に現地に到着し、バイクコース試走の準備をしていると雨がしとしと降り出してきた。少し迷ったが小雨だったので思い切って走ることにした。
前週の疲れは完全に取れたというわけでもなかったが、思ったよりも軽く走れる。いや、正直言ってこれまで走ったときよりも楽に感じられた。ただ、気になったのはダンシングで踏み込んだときに後輪がすべる感覚があったことだ。道路脇を見るとコケの生えているところが少し見える。すべる原因がコケなのかはわからなかったが、当日雨なら少し注意しなければならないだろう。
レース当日、朝6時半に宿を出るとき少し雨が降りだしてきた。会場に着いたときには止んだが、路面はすっかり濡れてしまっていた。このままの天候だとレース中に乾くことはないかもしれないとアナウンスされている。バイクの下りは要注意だ。
9時ちょうどに第1ウェーブがスタートした。600人以上参加する大会だけあって、ひとつのウェーブごとの人数も多い。しかし、少しバトルがあったもののすぐに抜け出すことができた。
スタート前に町長さんがあいさつの中で
「これまでにないくらい海は凪いでいます!」
と言ったとおり、今年はかなり泳ぎやすい。コースは砂浜から沖へ向かって泳いでいって、少しだけ海岸線と平行に泳いでからまた戻ってくるという1周ワンウェイとなっている。コース上のポイントとなる大きなブイは4つある。まずは1つ目のブイを目指し、さらに沖にある2つ目と3つ目のブイを回ってから4つ目のブイを経由して砂浜に至る。
スタート位置から見て全体的に左にコースロープが流されていたので、まずはスタートラインの左端から右斜めに泳いでいって1つ目のブイを目指した。コースロープからは若干離れて泳ぐので、うまくコース取りができているか不安だったが、1つ目のブイに到達するのは思ったより早く感じられたのでどうやらうまく泳げているようだ。
1つ目のブイを過ぎたころから少しうねりが出てきた。体が上下に揺さぶられて呼吸のタイミングが狂いそうになるが落ち着いてストロークを波にあわせて乗り切る。海面が大きく上下するので、コース途中にある小さなブイが見えにくくなっていた。それでもライフセーバーの人たちがコースの左右でしっかり見守ってくれているので安心して泳げた。少し時間がかかった気もするが2つ目のブイを右に回る。
そこから100m行かないうちに3つ目のブイを回って今度は砂浜に向かって泳いでいく。ここでなぜか周りを泳ぐ選手が急に多くなってきた。バトルとまではいかなかったが、周りの選手をかわしながら4つ目のブイを目指す。
4つ目のブイを過ぎて砂浜がはっきりと見え始めたころには先ほどのうねりはいつの間にか小さくなっていて、また泳ぎやすくなっていた。相変わらず周りの選手をかわしながらではあるがそれほど消耗はしていない。
砂浜に上がって時計を見ると27分45秒と、このコースでは今までで一番速いタイムだ。砂浜を少し走って、結局タイム計測ポイントは28分6秒で通過した。
予想以上のタイムに少し気を良くしてバイクに移る。最初の平地区間では向かい風でなかなか進まなかったが、上り区間に入ってからは足が軽い。最初の上りをクリアしてトンネルを抜けるころには多くの選手を捉えることができた。
第1展望台を過ぎて下り区間に入る。幸いにも路面は乾いてきていたので、さほど気にせずに下っていくことができた。時折、上りで追い抜いた選手に抜き返されるが、上り返しでまた追抜く。それを繰り返すうちに順位は少しづつ上がってきているようだった。
第3展望台を過ぎるころには、アップダウンが続く中でも平坦な部分が出てくる。前日の試走でその箇所を思い出していたので、思い切ってギアをかけて走った。アップダウン中心のこのコースでも、実はDHバーが必須なのである。
しばらくするとトップの選手が折り返してきた。ここから順位を数える。トップ10人くらいまでは間隔が開いていたが、折り返し地点が近づくにつれて人数も増えていく。結局折り返し地点では51位だった。調子良く走れたと感じた割には一昨年とあまり変わりないようだが…ここからが勝負と力を込める。
折り返してからはしばらく上りで、そこをクリアするとまたアップダウンに紛れた平地区間が続く。最初のうちは少しづつ順位を上げていくことができていたが、平地区間や下りで抜き返されることも多くなってきた。順位は50位前後を行ったり来たりだ。
少し足にきているのだろうか?下りで抜かれた選手に上り返しで追いつこうとするがなかなか差が縮まらない。前日の試走ではアウターで押し切れた箇所も、あと一押しが利かなかった。
追いつきそうで追いつかないもどかしさのまま、最後の斜度10%の上りをクリアする。トンネルを抜けると、あと5kmは下りと平坦区間を残すのみだ。行きは向かい風だった平坦区間も帰りは追い風で快適に走れた。ここで一人抜かれるが少し間隔をおきながら追走する。
バイクは一昨年より40秒ほど速い1時間21分9秒と、後半思ったより伸びなかったもののまずまずのタイムだ。あとはランに入って一気に疲れが来ないかだけが心配だった。
相変わらず晴れ間こそ見えてこなかったが、段々と蒸し暑さを感じるようになって来た。ランの走り出しは決して軽いものではなかったが、序盤は焦らずペースを作ることに集中する。1km地点では4分24秒とまずまずのペースだ。沿道のシャワーはしっかりと浴び、エイドではドリンクと氷をしっかりと取る。
しかし2km地点では9分4秒、1kmラップは4分40秒と序盤にして大きく落ち込んでしまっていた。ランコースは全体に平坦なので明らかなペースダウンだ。あまり陽は射していないが、蒸し暑さが徐々にこたえてくる。
順位のほうは一進一退…いや、若干抜かれるほうが多いかもしれなかった。相変わらずペースは上がってこない。追抜くのは前で明らかにペースダウンしている選手ばかりだった。
それでも何とか折り返しまでたどり着くと、少しだけ気分が楽になってきた。もう前の選手を捉えることはできなくなってしまっていたが、1kmごとの距離表示といつも走っているコースの距離を重ね合わせて集中力を維持する。あと3km=大泉緑地1周…という感じだ。
ラスト2km…もう一息だと思ったときに一人の選手に後から追い抜かれた。あと少しなので抜き返せないまでもついていこうとした瞬間、思った以上に足が前に出て行かないことを実感した。ここに来て足が止まってしまったようだ。当然その選手はどんどん離れていく。
思うようにペースを上げられないもどかしさの中、ようやく前方で足が攣って立ち止まっている選手を捉えた。しかし、ラスト1km地点の手前でまたその選手に追い抜かれる。今度こそついていきたかったが、またじわじわと離されていった。
役場前の通りに入ってあと500mとなって少しはペースが上がったかもしれないが、結局ラストスパートらしきものもないままのフィニッシュとなってしまった。ランラップは47分28秒といまいち伸びず、結果は2時間36分45秒(男女完走607人中56位)となった。あとでリザルトを確認するとバイク終了時には47位まで上がっていたので、ランで大幅に順位を落とすこととなってしまった。
やはり二週連続では疲れが抜けきっていなかった。しかし以前走ったときよりもしっかり走れたのは大きな収穫だと思う。しっかり調整できればもっと順位も上げることができるだろう。来年の日程はどうなるかわからないが、長崎西海と重ならなければ連続になっても出場したいと思う。
坂口晃一