さっかんの小部屋

個人的な日々のできごとです。ご笑覧あれ。

コンクリート主任技士の予想問題(小論文)

2006年10月18日 | 資格/試験
【問題】
コンクリート標準示方書をはじめ,各種の基準や指針類は性能照査型に移行している。
今後は,施工においても適切な性能を設定し,照査することが要求されるようになると思われる。
そこで,あなたが重要と考える施工性能を一つまたは二つあげ,それをどのように照査すればよいか述べよ。

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会社で出題した小論文の予想問題の一つです。

当社の社員では非常に書きにくい問題となっています(笑)。
そこで,自分がこの問題に答える場合の回答方法について述べたいと思います。

■設問の背景(まえがき)
まず,問題の背景を考え,なぜこのような設問ができたのかを考えます。
(実際は,せっぱつまって考えた問題ですので,深い意味はありません‥‥笑)

例えば,少子高齢化などに伴い,締め固めなどの苦渋作業は嫌われる傾向にあります。
これは以前,「3K」と言われたころと似た状況です。

つまり「キツイ」仕事をしなくても,品質のよいコンクリートを作ろうというのが,根底にあるような気がします。
この品質には,長寿命化や維持管理のやり易さなども含まれます。

これを踏まえて,まえがきにします。
自分は,たいがいの場合,設問の語順を変えて,まえがきにしています(笑)。

なにはともあれ,設問の問題意識を肯定するところから論文は始まります。
これで,採点者に好印象を与えることを目指します(笑)。

■個別の施工性能(以下,「性能の照査」までが本文です)
この場合の性能は,ワーカビリティーに関係するものが適当だと思います。
ポンプの圧送性なども考えられますが,ここは単純に以下の二つとします。

・スランプ
・材料分離抵抗性

さらに,この二つが重要な理由を書きます。

鋼材が密な場所は,ジャンカができやすくなります。
このような場所では,長時間バイブレータを使っても充填できないだけでなく,材料分離を起こす可能性もあります。
 →適切なスランプと材料分離性が重要

流動性だけ大きなコンクリートは,十分な充填ができているようですが,材料が分離していることもあります。
このようなコンクリート構造物では,一般的に劣化の進行は速くなります。
 →適度な材料分離抵抗性が必要

自己充填コンクリートにすれば,上記の問題はほとんど解決します。
でも,完全に自己充填コンクリートに移行するには時間が必要だと思うので,現在使われているコンクリートを対象に考えを進めます。

■性能の適用方法
梁を考えてみます。
ここでコンクリートに要求される性能は,感覚的ですが鉄筋量に比例するように思います。

つまり,鉄筋量(大)←→(少)に,必要な性能,スランプ(大)←→(小),材料分離抵抗性(大)←→(小)のような関係でしょうか。

ただし,梁部のパラメータをそのまま橋脚に適用することができません。
橋脚は橋脚で,別のパラメータが必要になると思います。

つまり,部材ごとに違ったパラメータが必要ということです。
具体的には,部材の鉄筋量に対応した,スランプや材料分離抵抗性を決めるということでしょうか。

■照査の内容
スランプは,そのままスランプ試験で測ります。
材料分離抵抗性は,実測とは差があるかもしれませんが,単位セメント量(あるいは粉体量)で測ることとします。

■性能の照査
部材-鉄筋量 → スランプ,単位セメント量(粉体量)

■適用させるうえでの注意点(あとがき)
施工性能と耐久性照査などの関連を確認しておく必要があります。
スランプは打設場所での値とし,経時変化を把握することで荷卸し時のスランプを規定するようにします。
単位セメント量(粉体量)と材料分離抵抗性の相関性を高めるファクターを明らかにする必要があります。

これをこのまま適用すると,初期コストは上昇します。
ただし,構造物の長寿命化と,長期的な維持管理費の低減が期待できます。
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このような構成ではいかがでしょうか。
書くネタが少ないときは,まえがきとあとがきを充実させるという方法もあります。

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今回は,ちょっと趣向を変えてみました。
というか,せっかく作ったメモがもったいないのでここに載せときます(笑)。






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