さっかんの小部屋

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コンクリート主任技士小論文の添削例

2006年11月04日 | 資格/試験
前回提出された小論文を添削してみます
全体的な構成は良いので,少し言葉に手を加えてみます。

削除する文字は赤字と取り消し線で示します。
追加する文字は,青字で表します。
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耐久性を損なう劣化現象の一つである塩害について、耐久性を向上させるために必要な対策を設計、施工上の観点から述べる。

塩害とは、コンクリート中の鋼材(鉄筋やPC鋼材など)*1 が塩化物イオンの影響によって腐食し、コンクリート構造物に損傷を与える現象である。
塩化物イオンは、海水や凍結防止剤などの外部からと、内部の材料から供給される場合がある。
塩害に対しては、以下の対策が考えられる。

(1)コンクリート中の塩化物イオンの量を少なくする。
(2)単位水量をできるだけ少なくし、密実なコンクリートとするため,単位水量をできるだけ小さくする*2
(3)ひび割れ幅を小さく抑制したり、かぶり(厚さ)を十分にとり水分や酸素の供給を少なくする。
(4)樹脂塗装鉄筋の使用やコンクリート表面にライニングする。
(5)電気防食を行なう。

コンクリートの耐久性向上させる方法としについては、*3 第一に密実なコンクリートとすることが最も重要であると考える*4
これは塩害対策だけでなく、中性化や凍結融解作用の対策としても有効である。、現在、設計上の観点からそのために,配合の変更が可能であれば,*5 高性能AE減水剤を用いたコンクリートの配合を採用したする*6
これにより単位水量と単位セメント量を最小にし、水セメント比をできるだけ小さくしたすることができる*7

施工上の観点として、被膜養生剤を使用する。コンクリートの打設後,できるだけ早い時期に養生を開始し,ブリージング水が消失し、水分の光沢が見られなくなったとき、コンクリート表面に散布することで、*8 急激な乾燥収縮によるひび割れを防止するとともに,確実な水和の進行を図る*9
さらに,型枠脱型直後にもコンクリート表面養生剤をライニングし、外部からの塩化物イオンの供給を防止する方法や。また、打ち継ぎ部からの塩分浸透を防止するため、打ち継ぎ性能を向上させる処理剤を使用し、耐久性を向上させるする方法もある*10
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*1)読む人は専門家です。コンクリート中の鋼材は,鉄筋やPC鋼材などと知っていますので,削除しました。
*2)「密実なコンクリート」が目的ですので,最初に持ってきました。
*3)「てにをは」をはっきり入れましょう。技術屋さんの文章に多い誤った書き方です。
*4)冗長な表現です。
*5)現場での配合変更は難しい場合もあるので,一般的な仮定として述べます。
*6)仮定ですので,過去形をやめました。
*7)水セメント比 「」 単位セメント量などと同様に小さくできるとし,書き方として過去形をやめました。
*8)皮膜養生剤の使用でなく,一般的な養生で置き換えました。
*9)養生の目的として,乾燥収縮の防止だけでなく,水和の進行も加えました。
*10)この対策はお金がかかりそうなので,紹介するだけの表現にしました。

多少,赤くなっていますが,気にすることはないと思います。
ただ,現場で高性能AE減水剤や,膜養生剤を使われているのか,それに引きずられたような表現が多かったです。

現場で使用例があるような場合でも,あっさりと一般的な書き方でいいと思います。
その方が,落としにくい論文になると思います。
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2006.11.06追記
■反省点
問題には,「必要な対策を設計,施工上の観点からのべよ」とあります。
施工上の観点は文字として明記してあるのに,設計上の観点という文字がないです。
きちんと書いた方が,よいと思います。





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