くららのチラ裏

在米6年の兼業主婦。思ったことを無責任に垂れ流し。まさにチラシの裏。

一口ちょうだいが嫌い

2013年04月11日 | 未分類
外で人と食事をすると、ときどき「一口ちょうだい大会」が始まることがある。私は、自分が使ったスプーンで人の食べ物をつつくのもイヤだし、逆に人が使ったスプーンで自分の食べ物をつつかれるのもイヤだ。正直言って気持ち悪い。仮に新しいスプーンだとしても、行儀が悪いことだし、相手と自分とがどれぐらい親密な間柄かにもよる。私は、家族以外とはそういう食べ物のシェアはしたくない。

先日、30代半ば頃の男女5、6人でお昼を食べたとき(初対面の人もいた)、一口食べてみますか大会が始まってげんなりした。他の人が注文したものも食べてみたいなら、自分で注文するかあるいはまた今度来たときに注文して食べればいいのに。シェアすることを前提として注文したわけではなく、一人一人がそれぞれに食べたいものを注文したにもかかわらずそういうことになるんだから不思議だ。30代のオッサンオバハンがちまちまとお互いのお皿をスプーンでつついている姿も見苦しいだろうに。

干ししいたけを自作

2013年04月08日 | 未分類
干ししいたけが好きだが、日本産は高いし、それ以外は中国産しかないので、自作することにした。アメリカ産の生椎茸を買ってきて天日干しした。



ザルに入れてペーパータオルと洗濯バサミでふたをして、日中家の外に吊るしておいた。夜は屋内に取り込んで、合計4日ぐらい干したら、軸から傘の真ん中まで固く乾いた。ザルが小さかったので第2弾もやって、合計量は小さいジップロックにこれぐらい。



余った吸湿剤があれば入れておくんだけどなー
まだ味は試していないが、とても楽しみ。

娘が覚え始めた言葉

2012年01月24日 | 未分類
以前、娘がエルモって言えるようになったと思ったのだが、それは一時だけのことだったようで、その後はエルモの絵を見ても「ばんば」としか言わない。最近、アンパンマンを指差しながら「ぱんま」と言うのとエルモを指差して言ってるのが同じのような気もしてきた。「ぱんま」はきっとアンパンマンの短いバージョンで、エルモとアンパンマンの区別がついてないだけかと。・・・似てると言われれば似てる?

さらに、動物の本(五十音それぞれで始まる動物の写真が載ってる)の中でも「ヌー」を真っ先に言えるようになったのはやっぱり言いやすいからだと思うのだがなぜそのようなマイナーな動物を最初に覚えるのかと一応ツッコみたい。それに続いてパンダ、チーターは言えるようになり、あと、ねこを「にゃにゃ」、犬を「わわ」とか言うのもお約束。しかし、ももんがを「もも」と言うのはかわいくて悶絶してます。たまに「ももももも」とか言ってる。

あと、「あ、い、う、え、お」と私が言うとまねして言うのだけど、「あ、い、う、☆、△」と、「え」と「お」は適当にごまかすのも笑える。3文字ぐらいしかはっきりとはメモリに残らないんだなー

ゆうべ娘が家で、何かで遊んでいて突然すごく怒ったときに、「の!! #$%&'#Y!」と叫んだのが割とびっくりした。あれは明らかに日本語じゃなかった。しかも「の」は日本語で言えば「な」と「の」の間のような発音。NoかNotだったんだろう。英語としてもかなり意味不明なのだろうとは思うがどっちかと言えば英語。感情が高ぶったときに英語が出るのだとすれば既に英語寄りになってるってことだろうか。日本語読み聞かせ、がんばろう。


洗濯物の生乾きの臭いにはオスバン

2012年01月13日 | 未分類
昨日に続いて今日も洗濯ネタ。洗濯物を部屋干しすると生乾きのイヤな臭いがすることがあるが、洗濯の最後のすすぎのときにオスバンを少量入れると解決。洗濯機に柔軟剤を入れるところがあればそこに入れる。オスバンとは、塩化ベンザルコニウムという、逆性石けんのこと。ほぼ無臭で、医療現場などで手や器具を消毒するのに使われているもの。


私は、アメリカに来てからは、750倍のオスバンをAmazon.comでガロン瓶で買っている。

一般家庭のクリスマスイルミネーションについて

2012年01月10日 | 未分類
クリスマス前から、家の外に電飾をつける家をよく見るが、クリスマスが終わってもそのままの家が多い。電飾の電球をとりつけたまま、というだけでなく、夜になったらいまだに電源が入ってチカチカ光っている。もう年も明けたのに・・・ 日本だと、行事が終わったらさくっと片付けるのがよしとされているので、こういうのは不思議に思う。

子連れで帰国

2012年01月06日 | 未分類
先日、子連れで帰国したので、その時のメモ。子供の年齢は1歳ちょっと。


1. カナダで乗り継いだ場合、行きはアメリカ国内の最初の空港で荷物を預け入れれば後は自動的に成田まで届く。帰りは、カナダの乗り継ぎ空港で荷物をピックアップしなくてはいけない。ただし、ピックアップした後、アメリカの税関および入国審査があって、その直後に再度荷物をターンテーブルに乗せれば終わり。この場合、カナダの乗り継ぎ空港はまるでアメリカ国内扱いになっているようだ。なので、アメリカ国内の最終到着地では、税関も入国審査もなく、預け入れ荷物だけピックアップすればOK。(国籍が日本以外の場合はカナダで乗り継ぐだけでも事前にビザを取る必要があることがあるらしい)

2. 2歳未満の子供(幼児)は座席を取る必要がなく、親の膝の上に乗せてもよい。その場合、幼児の運賃は大人の1割程度。2歳以上の子供(小児)は座席を取る必要がある。小児の運賃は大人の8割とか9割とかそんな感じ。2歳未満の子供でも、敢えて座席を取ることもできる。その場合は小児運賃になる。12時間におよぶ国際線で子供をずっと膝の上というのはかなりしんどいので、座席を取った方がいいという意見も多数ある。私も今回そうした。結果としては、そうしてよかったと思っている。

3. 子供の座席も取った場合は、車用チャイルドシートを持って行って飛行機の座席に取り付けることもできる。私も今回はそうしたが、行きは子供がほとんど寝ずにぐずり続けたので、抱っこして通路を歩き続けねばならず、チャイルドシートはほとんど意味がなかった。帰りはよく寝てくれたので、チャイルドシートがあってよかったと思った。ただし、チャイルドシートを持ち運ぶのは結構大変。スーツケースにチャイルドシートを取り付けて運ぶベルトみたいなものも売っているが、スーツケースを預け入れた後はそれは使えない。私たちは、Britax Boulevardというチャイルドシートの運搬用カート(折りたたみ式)を持っていたのでそれを使った。搭乗するときにはそのカートごと乗り込んで、カーシートを座席に取り付け、カートは折り畳んで頭上の荷物入れに入れる。急いでやらないといけないので結構大変。カーシートの取り付けは事前に車で練習しておいた方がよい。LATCHシステムを使うのではなく、車の後部座席の腰回り用(肩ではない)のシートベルトを使うやり方。

4. 実際には、チャイルドシートを持ち込んでいる人はそれほど見かけなかった。そもそも、そんな小さい子供を連れて飛行機(それも国際線)に乗る人が少ないというのもある。一方、折りたたみ式のベビーカーを使っている人は多数いた。その場合、チェックインで荷物を預け入れる時に、そのベビーカーは飛行機まで持ち込んで入り口のところで預けますということを言って、それを示すタグを付けてもらう。

5. チャイルドシートを取り付ける向きについて。私たちは今回、convertible car seatを取り付けたのだが、最初は前向きに取り付けたら、flight attendantに「車では後ろ向きに取り付けて使っているなら、飛行機でも後ろ向きにつけなくてはならない」と言われ、つけ直しさせられた。これについては非常に疑問だ。そもそも座席なしで親の膝の上でもOKなのに、car seatを持ち込んだらその取り付ける向きまで指定されるとは。まあ、結果的には、後ろ向きに取り付けた方が、隣の席に座った親から顔が見えやすくてよかったかも知れない。帰りの便では逆に、flight attendantから、「1歳を超えてるなら前向きじゃないの?」と言われたが、今は車では2歳までは後ろ向きに付けるよう奨励されていることと、行きの便では後ろ向きにつけ直させられたことを説明したらOKだった。flight attendantや空港のチェックインカウンターの人たちがカーシートのポリシーをきちんと理解していることは到底期待できないので、エアラインのウェブサイトのchild restraint policyのページを印刷して持っていくことと、当日は何か馬鹿なことを言われても、感じよく粘り強く説明することが必要。

6. 子供を連れている乗客は最初に搭乗できる。その際、遠慮せずにさっさと搭乗口まで行った方がいい。エアライン側としては、できるだけ短時間で全部の客を乗せてしまいたいから、もたつく子供連れを先に乗せるだけのこと。別に親切で先に乗せてもらっているわけではないので、遠慮したり申し訳なく思う必要はない。むしろ、さっさと乗らない方が申し訳ないことだ。ファーストクラスやビジネスクラスの客が先に乗れるのとは全然理由が違う。それを如実に示すエアラインの発言があった。先述のように行きの便でカーシートを一旦取り付けたのに、後ろ向きに付け直しさせられたために時間がかかったのだが、そのことがエアライン側の記録に残っていたらしく、帰りの便の搭乗前に、「行きの便でカーシートの取り付けに時間がかかったらしいですね。今回はすばやく取り付けてくださいね、それができないなら、カーシートは飛行機の入り口に預けてもらいます」と言われた。(そのくせ、いざ乗ったらカーシートの取り付け向きについて、行きの便とは逆のことを言うflight attendant。)

久々に帰国して感じたこと

2011年12月06日 | 未分類
先日、久々に日本に帰国した。いろいろと気づいたことがあった。

1. 電車で席は譲らない。
「お年寄りや赤ちゃんのおられる方に座席をお譲りいただきますよう、ご協力をお願いいたします」と盛んに車内アナウンスされているのに、目の前にお年寄りが立っていても、赤ちゃん連れの人が立っていても、譲らないで堂々と座っている。日本人は人からどう思われるかを気にするとよく言われるが、これは気にしないのか?

2. 電車に乗る前から車内の空席を必死に目視でチェックし、いざ乗車するときはダッシュで席をゲットする。
とにかく座席ゲットへの執着がすごい。みんな必死。座ったら居眠りする人多数。疲れてる感じ。席を取るためにダッシュするって結構みっともないことだと思うのだが、人からどう見えるかは気にならないらしい。そのくせ、駅ではちゃんと並んで、順番抜かしもしない。なんか不思議だ。

3. 車内アナウンスがやたら親切
「この先、電車が揺れますので、手すりやつり革におつかまりください」とか。さらに、「○○の事情により、2分遅れでの到着となりましたことをお詫び申し上げます」とか。

4. 電車はすごくキレイ。
ドアも壊れてないし。電気もついてるし。落書きもないし。

5. 電車では、みんなきちんとした服をきておしゃれをしている。
日本の電車で見かけた乗客の大半は、私が住むボストンで電車に乗ったら「かなりおしゃれ」の部類に入る。

6. 住宅地は、土地が狭い。
まあ当たり前なのだがあらためて実感した。結構田舎にいってもやっぱり狭い。隣同士や裏手の家が近い。窓の外にすぐ隣の窓とか。日本では角地が価値が高いとされているが、それは角地だと自分の家に面している家の数が1つ少ないからだ。土地が広ければ、隣の家までの距離が、通りを隔てて向かいの家までの距離とほぼ同じなので、角地かどうかは問題にならない。

7. クレジットカードが一般的でない
まあこれも当たり前なのだが。大手書店のレジで、合計金額を聞いて「すいません、今、手持ちがないのでこの本は今日はやめておきます」と言っている若者を見た。

* * *

何だか、ミサワみたいなことばかり書いてしまったが、実は2年前に帰国したときにはこういう違和感は感じなかった。この2年間で私自身がだいぶアメリカに慣れたということなのかな(現在在米6年)。慣れたといっても、アメリカの悪いところに対して諦めがついて、受け入れられるようになってきたために、アメリカの良いところを見る余裕が出てきたという感じかも。

アメリカ人の金銭感覚

2010年08月10日 | 未分類
日本では、借金に対してネガティブなイメージを持つ人が多いように思う。私もそうだ。クレジットカードで買い物をするのは、即金で支払うだけのお金がないからわざわざ借金して買うということであり、あまりよいことだとは思われない。また、ローンを組んで家や車を購入した場合には、できる限り早く返してしまいたいとほとんどの人が思うのではないだろうか。

アメリカでは、借金ができる(貸してくれる人がいる)ということは、自分は信用があるということであり、よいことらしい。貸す側は、その人にお金を貸すかどうかを、クレジットヒストリーという、その人のこれまでの借金返済履歴を見て判断する。これまでに借金をして期日までにきちんと返済していれば、この人は信用できるという判断になり、お金を貸す。逆に言うと、借金をしたことがない人は返済履歴がないので、信用できるかどうか判断できないので、お金を貸さない。一般に、クレジットカードで毎月少額ずつ(限度額の2割ぐらいまで)買い物をし、毎月利子がつく前に全額返済する、というのを2年ぐらい続ければ、ちゃんとしたクレジットヒストリーが作られる。しかしそもそもクレジットカードを作るときに、クレジットヒストリーがないと審査に通らない。そのため、アメリカに来たばかりの外国人は通常のクレジットカードを作ることはできない。その場合には、「セキュアードクレジットカード」と呼ばれる、前もって担保としてお金をアカウントに入れておいてその額まで使えるクレジットカードをまず作って、毎月せっせと少額ずつ買い物、そして期日までに返済、というのを1年ぐらい繰り返し、ある程度クレジットヒストリーを作った上で、その後通常のクレジットカードを作ることになる。

日本で生まれ育った感覚から言えば、頻繁にクレジットカードで買い物をする人よりも常に現金で、つまり自分の身の丈にあった範囲で買い物をしている人の方が信用できる気がするが、アメリカでは違う。もしずっと通常の買い物を堅実に現金で支払い続ければ、いざ家を買おうと思ってもローンが組めない。クレジットヒストリーがないからだ。

また、「借金は得するもの」という考え方もかなり一般的であると思う。例えば、クレジットカードの締め日が毎月5日で支払期限が翌月1日だった場合、「締め日の直後に買い物をするのが一番お得。なぜなら、買い物をしてから一番長い間無利子で借りていられるから」と、アメリカ人の同僚は言う。つまり、7月6日にクレジットカードで買い物をすればその支払は9月1日だから、2ヶ月近くも無利子で借りていられてお得だ、というのだ。・・・まあ確かにそうだけど、そこまでして借金したいのかと不思議に思ったりもする。私は、たかが数百ドルの支払期限が1ヶ月弱遅くなったところで、その分こまめに運用して利益を上げたりする時間的余裕もないので、普段クレジットカードを使う時に、そこまで考えない。とはいえ、まあこれに関しては言いたい理屈はよくわかる。


でも「借金は得するもの」という考え方は、さらに私の理解を超えるレベルにまで浸透している。車の購入や家のカーペット交換などのちょっとした額の買い物について「頭金ゼロ、1年間は支払いしなくても無利子」といううたい文句で宣伝していることがよくある。私にはそんな買い物怖くてできない。だってそれって、無利子期間が終わったら突然返済の負担がずっしりとのしかかってくるということだし、その頃には購入した車あるいはカーペットも新品でもないのに支払だけしないといけないのは気分も良くないだろうと思うからだ。でも、アメリカ人にとってはそのキャンペーンは魅力的に映るようだ。つまり、「商品は今すぐに受け取って自分のものになり、でも支払は後でもいい。何てお得なんだろう」というわけだ。本当に向こう数ヶ月ぐらいのことしか見えていないようだ。

さらにいうと、家を購入する際にアメリカでは通常は総額の20%の頭金を準備して残り80%をローンを組むのが標準的とされるが、頭金ゼロ、全額ローンで買える物件というのもあって、よく宣伝している。また、問題になった例のサブプライムローンは、「一定期間は低い利子しかかからず、しかも返済も利子の分だけでいいが、一定期間が過ぎると利率は上がるし、利子分だけでなく借金本体の返済も始めなければならない」というものなので、後々の返済のことを考えたらそんなローンは組めないと思うのだが、実際にはそんなローンを組んだ人が多数いたわけだ。ここまできたらもう、返済の負担は度外視して、「貸してもらえるものは借りなきゃ損」と考えているとしか思えない。(サブプライムローンについては、不動産の値段は上がり続けるという前提でみな借りていたので、借金に対する考え方だけが問題だったわけではないが。それにしてもなぜ日本のバブル崩壊から学べなかったんだと残念には思う)

アメリカの小学校では、算数の授業はまず、生活に根ざしたお金の計算から入ると聞く。おそらく、何セントのキャンディをいくつ買っていくら払ったらおつりが何セント硬貨何枚とかそういうことだと思うのだが、それにしてはどうしてアメリカ人の大人たちは借金に関しては算数がこんなに弱いのだろうかと不思議に思う。私は周りに流されずに、これまで通り堅実にいこうと思う。

日本の職場の長時間労働について

2010年07月18日 | 未分類
以前の記事で、日本では女性が妊娠したら多くの場合退職せざるを得ないひとつの理由は、正社員として働く以上は長時間労働を要求されるからだ、というようなことを書いた。その、日本での長時間労働についてちょっと思うことを述べたい。ただし私は専門家でも何でもないので、単なる私の私見でしかないことは断っておく。

妊娠したら退職したいと思うケース、仕方なく退職するケース、といろいろあると思うのだが、いずれも「妊娠、出産、育児をしながら仕事を続けることに対して社会があまりにも厳しい」というのが理由だと思う。そんなに厳しいのなら辞めて育児に専念する方がいいや、と思う人が多い。

夫婦のうちどちらかだけでも1日8時間より長く働くのが当然という職場にいると、双方がフルタイムで働きながら育児をするというのは苦行になるのも無理はない。そもそも、正社員と非正規雇用の待遇の差が激しく、正社員には「そう簡単には解雇せず福利厚生も保証してやるから、その代わりに文句を言わず長時間働け」というメッセージが常に送られ続けている。このメッセージは夫と妻の両方に送られていて、正社員である妻が妊娠した場合、いずれもかなりの圧力になる。すなわち、出産後も夫は変わらず長時間労働を強いられるだろう、だとすれば、仕事をしながら育児もして大変な思いをするのは自分だ、しかも、保育所に子供を迎えに行くために定時で退社したり子供が熱を出したからと仕事を休んだりして職場で肩身の狭い思いをするのも自分だ、というのは容易に想像がつく。それならば、自分は退職して育児に専念し、夫が長時間労働を続けて正社員の地位を死守する以外に道はない。本来、出産、育児なんていうのは、本人が望むならば誰でも普通に経験する権利のあることであり、一生のうちでもそう何度もあるイベントでもないのだから、その前後の一定の期間すらも長時間の過酷な労働の手を緩めることは許されないという、雇用主の姿勢や職場の雰囲気は異常だ。さらに言えば、育児期間中でなくても定時で帰ったり有給を取ったりするのは当たり前のことだ。

ではなぜ、定時で帰らず有給も消化しないのが当たり前になっているのか。私が考える原因は3つ。
1. 非正規雇用の待遇が悲惨なので、正社員は皆、今の正社員の地位を手放すまいと必死になっていること。正社員の身分を保証してもらう代わりに、雇用主の要求は何でも聞きますというわけだ。
2. やり直しが効かない社会構造(新卒至上主義)。一度正社員の身分を失うと復活するのが難しい。
3. 互いの足を引っ張り合う日本人の悪い習性。自分がこんな理不尽に耐えているのに、他の人が正当な権利を行使していると許せない気持ちになる。周りの同僚が有給を取ると自分に負担がかかるから困るといってその同僚を責める。本来は有給は取ってしかるべきものなのだから、皆が有給を取るという前提で仕事の割り振りを決めるべきで、誰かが有給を取った場合に仕事の割り振りを調整するのは雇用主(あるいは上司)の仕事なのだが、その負担を一方的に他の平社員に押し付けることにより、平社員どうしの相互監視状況が成立してしまっている。あるいは別の例としては、役所や銀行が月から金の9時から5時のみ(銀行は3時?)しか営業していないために、働いている人は役所や銀行に用事があっても行けないから、役所や銀行ももっと長時間窓口を開けるべき、土日も営業すべき、という発想。本来なら、自分の職場が、銀行や役所にいくために気軽に半休が取れるようになることを望むべきではないのか。なのにどうしても、「やつら(公務員や銀行員)だけ楽をしていてずるい!やつらも俺たちと同じように苦労するべき!」という発想になってしまっている。

この3つの中でも特に1と2は、今の時代には本当に無駄な社会風潮、構造だ。数十年前には、「何をすれば儲かるか」は割と単純で誰にでもわかることだったから、大事なのは「和を大切にして勤勉に働くこと」だった。長時間働くことが勤勉に働くこととほぼ同義だった。今は違う。ビジネスはもっと複雑になっているし、変化も早くなっている。もはや長時間労働そのものには意義はないのだ。それなのに、長時間労働=勤勉だった時代の人々が、「長年勤めてきた」という、自分たちの若者に対する唯一の優位性を手放したくないために、無意味な長時間労働や会社への度を過ぎた奉仕をよしとする風潮を何とか維持しようとしているのだということに、若い人たちは気づくべきだ。要するに、今の時代における会社への貢献度ではなく、長時間労働や理不尽に耐えるという会社への忠誠心による評価を、中高年が必死に守ろうとしているのだ。そして、非正規雇用の人に対して正社員と同じ社会保障を、という議論はずっと前からあるのに実現しないのは、非正規雇用という悲惨な身分を、若い現正社員に対する見せしめにしたい層の人間がいるからだ。また、新卒以外は採用しないのも、新卒で入社した会社を辞めたらそこで人生終了、というぐらいの恐怖心を若い社員に植え付けることで、理不尽な要求も聞かせるためだ。つまり、「今勤めている会社が理不尽だから転職する」という選択肢を奪っているのだ。これには、中高年の「自分たちが若い時には理不尽に耐えたのに、今の若い世代が転職の自由を持つなんて許せない」という、3の「互いの足を引っ張る習性」も関係しているかも知れない。

3については、労働者である自分たちが進んで雇用主に協力して自分の待遇を低くしていることに気づいた方がいい。本来なら雇用主が労働者をいかに安くこき使うかを考えるわけだが、現状は労働者同士が相互監視により自ら安くこき使われてくれちゃってるのだ。雇用主にとってはおいしいことこの上ない。

これらの問題に対してできることはといえば、まずはマスコミの偏向報道に惑わされずに自分の頭でよく考え、投票に行くこと。若い世代は数が足りないから投票に行っても意味がないという人がいるが、20-30代がもし100%投票に行ったら実際かなりの数だと思うし、政治家も若い世代の意向を気にするようになるだろうし、中高年はビビると思う。また、現在の環境がどうしてもいやだったら外へ逃げる術を持つこと。要するに英語と専門スキルと精神的な強さを身につけることだ。金ヅルである若い世代に海外へ出て行かれるとなると、政治家や中高年もそこまで好き勝手はできなくなるはず。必ずしも、日本を捨てて海外へ逃げろとは思わないが、自分はイヤだったらいつでもこのゲームをおりていい、自分にはほかにも行ける場所がある、という余裕があってこそそのゲームの中で能力を発揮できるというものだし、他のプレイヤーからも尊重されるのだ。

私が日本の長時間労働や会社への無意味な忠誠心をばかばかしいと思うのは、海外ニートさんのブログの意見に近い。

あと、私は日本の会社を退職してアメリカに転職したが、私が勤めていた日本の会社は超優良大企業だったので、産休はみんな普通に1年取れていたし、残業はなるべくしないようにと指導されるぐらい、日本の常識からしたらパラダイスのような職場だった。だから、私はその会社がイヤで辞めたわけではない。日本でも、超大企業だと上記のような長時間労働の問題は少ないかも知れない。でも、新卒で入社しないと後から入るのは難しいのは同じだ。

妊娠にまつわるあれこれ(日米の違い)

2010年07月12日 | 未分類
私は日本で妊娠したことがないので日本の事情はよくわからないのだが、妊娠にまつわるあれこれについて、日本とアメリカで(少なくともボストンで)違うなあと思った点をいくつか。

1. 超音波検査の回数
日本では何度も超音波検査をするようだ。逆子かどうかを見たり、子宮頸を測ったり、胎児の推定体重を算出したり。こちらでは超音波検査は、特別な異常があったり追加の検査がない限りは2回のみ。こちらで他の妊婦に聞いてもやはり超音波の回数は非常に少なかったとのこと。一番の理由は、超音波検査をするとコストがかかり、特に必要もないのに超音波検査をしても保険がおりないから。

私の場合は1回目は10週で助産士が胎児の存在確認、2回目は18週で専門医(主治医とは違う)による精密検査だった。通常の定期検診で助産士や主治医に診てもらうときには、その場所は病院というよりは「オフィス」であり、細かい検査などをすることは想定していない。なので、超音波の機械も、下に駒が付いたやつをがらがらがら、とオフィスに運んできて使う。それでも、10週で胎児の大きさを測るぐらいのことはできる性能は備えていた。この「オフィス」で行う簡易超音波は、通常の定期検診に含まれるのでコストのことは問題ないが、特別に必要がない限りはわざわざ行わない。18週での精密検査は、定期検診で通っている「オフィス」とは別の場所に出向いて、超音波専門のところで受ける。超音波専門の医師は本当にその道のエキスパートで、機材も高価で精密なものを使用する。この専門医による超音波検査にはコストがかかり、保険でカバーされるのは本当に必要な場合のみなので、通常は1回だけである。

日本に住む日本人の妊婦さんのブログなどを見ていると、妊娠30週の超音波写真とかを掲載していて、こまめに超音波やってもらえてうらやましいなーと思ったりもする。


2. 初診の週数
日本だと7週ぐらいで初診で、超音波で胎嚢を確認した、というようによく聞くが、こちらでは初診は比較的遅めだ。私は10週だった。子宮外妊娠などの場合には早期の対応が必要なので、できればもっと早く診てもらえたらいいのにと思ったこともあった。


3. 子宮の張りへの対応
日本では、子宮が張るという理由で張り止めの薬が出たりすることもあるようだが、こちらでは聞いたことがない。ネットやリアルでの英語情報もいろいろと調べたが、張り止めの薬という概念そのものがないようだ。また、切迫流産で入院という話も聞いたことがない。これも、入院の医療費が非常に高いためだと思われる。それにしても、本当に安静の必要があるような状況の場合、こちらではみんなどうするんだろうか。そういう症例が少ないんだろうか。


4. 分娩から退院までの時間
こちらでは通常分娩の場合は産まれてから48時間、帝王切開の場合は96時間で退院。というかそれまでしか保険がおりない。むしろ、母子ともに問題がなく本人が望むならもっと早く退院してもよいらしい。退院までの48時間は、シャワー、トイレつき、ワイヤレスインターネット完備のすばらしい個室で至れり尽くせりだけど(それは日本でも同じか?)


5. 帝王切開率
こちらでは3割ぐらいだそう。


6. 無痛分娩率
こちらでは7割程度だとどこかで読んだ。


7. 健康保険
ちゃんとした健康保険に加入していると、出産前の検診から分娩まで全て保険でカバーされる。自己負担ゼロ。そのかわり、というわけではないが、日本みたいに出産一時金とやらはない。日本方式だと、産まれるまでにかかった費用が産まれて初めて還付されるってことだから、万が一流産など残念なことになった場合には、精神的、経済的にダブルでダメージだよなあと思う。


8. 社会の風潮
ここ最近電車で通勤しているが、5回に4回ぐらいの頻度で席を譲られる。本当にありがたいので、そういうときは座らせてもらっている。日本では通勤電車が本当に満員なので、席を譲るのが物理的に無理というのもあるかも。あと、通勤時間が長くてみんな疲れてるし。

また、妊娠したと人に言っても、仕事は続けるの?という質問を受けたことがない。当たり前にみんな続けるから。むしろ、保育所は早く探した方がいいわよ!とか、職場のどこどこに搾乳できる部屋があるわよ、などのアドバイスをもらうことは多々あり。


以上、これまでに気づいた日米の違いを述べてみた。全体的に、日本の妊婦の方が病院からは大切にされるが、社会からは冷たくされるという印象かな。