くららのチラ裏

在米6年の兼業主婦。思ったことを無責任に垂れ流し。まさにチラシの裏。

久々に帰国して感じたこと

2011年12月06日 | 未分類
先日、久々に日本に帰国した。いろいろと気づいたことがあった。

1. 電車で席は譲らない。
「お年寄りや赤ちゃんのおられる方に座席をお譲りいただきますよう、ご協力をお願いいたします」と盛んに車内アナウンスされているのに、目の前にお年寄りが立っていても、赤ちゃん連れの人が立っていても、譲らないで堂々と座っている。日本人は人からどう思われるかを気にするとよく言われるが、これは気にしないのか?

2. 電車に乗る前から車内の空席を必死に目視でチェックし、いざ乗車するときはダッシュで席をゲットする。
とにかく座席ゲットへの執着がすごい。みんな必死。座ったら居眠りする人多数。疲れてる感じ。席を取るためにダッシュするって結構みっともないことだと思うのだが、人からどう見えるかは気にならないらしい。そのくせ、駅ではちゃんと並んで、順番抜かしもしない。なんか不思議だ。

3. 車内アナウンスがやたら親切
「この先、電車が揺れますので、手すりやつり革におつかまりください」とか。さらに、「○○の事情により、2分遅れでの到着となりましたことをお詫び申し上げます」とか。

4. 電車はすごくキレイ。
ドアも壊れてないし。電気もついてるし。落書きもないし。

5. 電車では、みんなきちんとした服をきておしゃれをしている。
日本の電車で見かけた乗客の大半は、私が住むボストンで電車に乗ったら「かなりおしゃれ」の部類に入る。

6. 住宅地は、土地が狭い。
まあ当たり前なのだがあらためて実感した。結構田舎にいってもやっぱり狭い。隣同士や裏手の家が近い。窓の外にすぐ隣の窓とか。日本では角地が価値が高いとされているが、それは角地だと自分の家に面している家の数が1つ少ないからだ。土地が広ければ、隣の家までの距離が、通りを隔てて向かいの家までの距離とほぼ同じなので、角地かどうかは問題にならない。

7. クレジットカードが一般的でない
まあこれも当たり前なのだが。大手書店のレジで、合計金額を聞いて「すいません、今、手持ちがないのでこの本は今日はやめておきます」と言っている若者を見た。

* * *

何だか、ミサワみたいなことばかり書いてしまったが、実は2年前に帰国したときにはこういう違和感は感じなかった。この2年間で私自身がだいぶアメリカに慣れたということなのかな(現在在米6年)。慣れたといっても、アメリカの悪いところに対して諦めがついて、受け入れられるようになってきたために、アメリカの良いところを見る余裕が出てきたという感じかも。

日本語と韓国語

2010年08月19日 | 外国人から見た日本語
韓国語もしゃべれる中国人の同僚が言うには
「日本語と韓国語は同じ単語がたくさんあるよね、例えばバケツとかハーモニカとか」

それって西洋からの外来語ばっかりなんですけど。

アメリカ人の金銭感覚

2010年08月10日 | 未分類
日本では、借金に対してネガティブなイメージを持つ人が多いように思う。私もそうだ。クレジットカードで買い物をするのは、即金で支払うだけのお金がないからわざわざ借金して買うということであり、あまりよいことだとは思われない。また、ローンを組んで家や車を購入した場合には、できる限り早く返してしまいたいとほとんどの人が思うのではないだろうか。

アメリカでは、借金ができる(貸してくれる人がいる)ということは、自分は信用があるということであり、よいことらしい。貸す側は、その人にお金を貸すかどうかを、クレジットヒストリーという、その人のこれまでの借金返済履歴を見て判断する。これまでに借金をして期日までにきちんと返済していれば、この人は信用できるという判断になり、お金を貸す。逆に言うと、借金をしたことがない人は返済履歴がないので、信用できるかどうか判断できないので、お金を貸さない。一般に、クレジットカードで毎月少額ずつ(限度額の2割ぐらいまで)買い物をし、毎月利子がつく前に全額返済する、というのを2年ぐらい続ければ、ちゃんとしたクレジットヒストリーが作られる。しかしそもそもクレジットカードを作るときに、クレジットヒストリーがないと審査に通らない。そのため、アメリカに来たばかりの外国人は通常のクレジットカードを作ることはできない。その場合には、「セキュアードクレジットカード」と呼ばれる、前もって担保としてお金をアカウントに入れておいてその額まで使えるクレジットカードをまず作って、毎月せっせと少額ずつ買い物、そして期日までに返済、というのを1年ぐらい繰り返し、ある程度クレジットヒストリーを作った上で、その後通常のクレジットカードを作ることになる。

日本で生まれ育った感覚から言えば、頻繁にクレジットカードで買い物をする人よりも常に現金で、つまり自分の身の丈にあった範囲で買い物をしている人の方が信用できる気がするが、アメリカでは違う。もしずっと通常の買い物を堅実に現金で支払い続ければ、いざ家を買おうと思ってもローンが組めない。クレジットヒストリーがないからだ。

また、「借金は得するもの」という考え方もかなり一般的であると思う。例えば、クレジットカードの締め日が毎月5日で支払期限が翌月1日だった場合、「締め日の直後に買い物をするのが一番お得。なぜなら、買い物をしてから一番長い間無利子で借りていられるから」と、アメリカ人の同僚は言う。つまり、7月6日にクレジットカードで買い物をすればその支払は9月1日だから、2ヶ月近くも無利子で借りていられてお得だ、というのだ。・・・まあ確かにそうだけど、そこまでして借金したいのかと不思議に思ったりもする。私は、たかが数百ドルの支払期限が1ヶ月弱遅くなったところで、その分こまめに運用して利益を上げたりする時間的余裕もないので、普段クレジットカードを使う時に、そこまで考えない。とはいえ、まあこれに関しては言いたい理屈はよくわかる。


でも「借金は得するもの」という考え方は、さらに私の理解を超えるレベルにまで浸透している。車の購入や家のカーペット交換などのちょっとした額の買い物について「頭金ゼロ、1年間は支払いしなくても無利子」といううたい文句で宣伝していることがよくある。私にはそんな買い物怖くてできない。だってそれって、無利子期間が終わったら突然返済の負担がずっしりとのしかかってくるということだし、その頃には購入した車あるいはカーペットも新品でもないのに支払だけしないといけないのは気分も良くないだろうと思うからだ。でも、アメリカ人にとってはそのキャンペーンは魅力的に映るようだ。つまり、「商品は今すぐに受け取って自分のものになり、でも支払は後でもいい。何てお得なんだろう」というわけだ。本当に向こう数ヶ月ぐらいのことしか見えていないようだ。

さらにいうと、家を購入する際にアメリカでは通常は総額の20%の頭金を準備して残り80%をローンを組むのが標準的とされるが、頭金ゼロ、全額ローンで買える物件というのもあって、よく宣伝している。また、問題になった例のサブプライムローンは、「一定期間は低い利子しかかからず、しかも返済も利子の分だけでいいが、一定期間が過ぎると利率は上がるし、利子分だけでなく借金本体の返済も始めなければならない」というものなので、後々の返済のことを考えたらそんなローンは組めないと思うのだが、実際にはそんなローンを組んだ人が多数いたわけだ。ここまできたらもう、返済の負担は度外視して、「貸してもらえるものは借りなきゃ損」と考えているとしか思えない。(サブプライムローンについては、不動産の値段は上がり続けるという前提でみな借りていたので、借金に対する考え方だけが問題だったわけではないが。それにしてもなぜ日本のバブル崩壊から学べなかったんだと残念には思う)

アメリカの小学校では、算数の授業はまず、生活に根ざしたお金の計算から入ると聞く。おそらく、何セントのキャンディをいくつ買っていくら払ったらおつりが何セント硬貨何枚とかそういうことだと思うのだが、それにしてはどうしてアメリカ人の大人たちは借金に関しては算数がこんなに弱いのだろうかと不思議に思う。私は周りに流されずに、これまで通り堅実にいこうと思う。

日本の職場の長時間労働について

2010年07月18日 | 未分類
以前の記事で、日本では女性が妊娠したら多くの場合退職せざるを得ないひとつの理由は、正社員として働く以上は長時間労働を要求されるからだ、というようなことを書いた。その、日本での長時間労働についてちょっと思うことを述べたい。ただし私は専門家でも何でもないので、単なる私の私見でしかないことは断っておく。

妊娠したら退職したいと思うケース、仕方なく退職するケース、といろいろあると思うのだが、いずれも「妊娠、出産、育児をしながら仕事を続けることに対して社会があまりにも厳しい」というのが理由だと思う。そんなに厳しいのなら辞めて育児に専念する方がいいや、と思う人が多い。

夫婦のうちどちらかだけでも1日8時間より長く働くのが当然という職場にいると、双方がフルタイムで働きながら育児をするというのは苦行になるのも無理はない。そもそも、正社員と非正規雇用の待遇の差が激しく、正社員には「そう簡単には解雇せず福利厚生も保証してやるから、その代わりに文句を言わず長時間働け」というメッセージが常に送られ続けている。このメッセージは夫と妻の両方に送られていて、正社員である妻が妊娠した場合、いずれもかなりの圧力になる。すなわち、出産後も夫は変わらず長時間労働を強いられるだろう、だとすれば、仕事をしながら育児もして大変な思いをするのは自分だ、しかも、保育所に子供を迎えに行くために定時で退社したり子供が熱を出したからと仕事を休んだりして職場で肩身の狭い思いをするのも自分だ、というのは容易に想像がつく。それならば、自分は退職して育児に専念し、夫が長時間労働を続けて正社員の地位を死守する以外に道はない。本来、出産、育児なんていうのは、本人が望むならば誰でも普通に経験する権利のあることであり、一生のうちでもそう何度もあるイベントでもないのだから、その前後の一定の期間すらも長時間の過酷な労働の手を緩めることは許されないという、雇用主の姿勢や職場の雰囲気は異常だ。さらに言えば、育児期間中でなくても定時で帰ったり有給を取ったりするのは当たり前のことだ。

ではなぜ、定時で帰らず有給も消化しないのが当たり前になっているのか。私が考える原因は3つ。
1. 非正規雇用の待遇が悲惨なので、正社員は皆、今の正社員の地位を手放すまいと必死になっていること。正社員の身分を保証してもらう代わりに、雇用主の要求は何でも聞きますというわけだ。
2. やり直しが効かない社会構造(新卒至上主義)。一度正社員の身分を失うと復活するのが難しい。
3. 互いの足を引っ張り合う日本人の悪い習性。自分がこんな理不尽に耐えているのに、他の人が正当な権利を行使していると許せない気持ちになる。周りの同僚が有給を取ると自分に負担がかかるから困るといってその同僚を責める。本来は有給は取ってしかるべきものなのだから、皆が有給を取るという前提で仕事の割り振りを決めるべきで、誰かが有給を取った場合に仕事の割り振りを調整するのは雇用主(あるいは上司)の仕事なのだが、その負担を一方的に他の平社員に押し付けることにより、平社員どうしの相互監視状況が成立してしまっている。あるいは別の例としては、役所や銀行が月から金の9時から5時のみ(銀行は3時?)しか営業していないために、働いている人は役所や銀行に用事があっても行けないから、役所や銀行ももっと長時間窓口を開けるべき、土日も営業すべき、という発想。本来なら、自分の職場が、銀行や役所にいくために気軽に半休が取れるようになることを望むべきではないのか。なのにどうしても、「やつら(公務員や銀行員)だけ楽をしていてずるい!やつらも俺たちと同じように苦労するべき!」という発想になってしまっている。

この3つの中でも特に1と2は、今の時代には本当に無駄な社会風潮、構造だ。数十年前には、「何をすれば儲かるか」は割と単純で誰にでもわかることだったから、大事なのは「和を大切にして勤勉に働くこと」だった。長時間働くことが勤勉に働くこととほぼ同義だった。今は違う。ビジネスはもっと複雑になっているし、変化も早くなっている。もはや長時間労働そのものには意義はないのだ。それなのに、長時間労働=勤勉だった時代の人々が、「長年勤めてきた」という、自分たちの若者に対する唯一の優位性を手放したくないために、無意味な長時間労働や会社への度を過ぎた奉仕をよしとする風潮を何とか維持しようとしているのだということに、若い人たちは気づくべきだ。要するに、今の時代における会社への貢献度ではなく、長時間労働や理不尽に耐えるという会社への忠誠心による評価を、中高年が必死に守ろうとしているのだ。そして、非正規雇用の人に対して正社員と同じ社会保障を、という議論はずっと前からあるのに実現しないのは、非正規雇用という悲惨な身分を、若い現正社員に対する見せしめにしたい層の人間がいるからだ。また、新卒以外は採用しないのも、新卒で入社した会社を辞めたらそこで人生終了、というぐらいの恐怖心を若い社員に植え付けることで、理不尽な要求も聞かせるためだ。つまり、「今勤めている会社が理不尽だから転職する」という選択肢を奪っているのだ。これには、中高年の「自分たちが若い時には理不尽に耐えたのに、今の若い世代が転職の自由を持つなんて許せない」という、3の「互いの足を引っ張る習性」も関係しているかも知れない。

3については、労働者である自分たちが進んで雇用主に協力して自分の待遇を低くしていることに気づいた方がいい。本来なら雇用主が労働者をいかに安くこき使うかを考えるわけだが、現状は労働者同士が相互監視により自ら安くこき使われてくれちゃってるのだ。雇用主にとってはおいしいことこの上ない。

これらの問題に対してできることはといえば、まずはマスコミの偏向報道に惑わされずに自分の頭でよく考え、投票に行くこと。若い世代は数が足りないから投票に行っても意味がないという人がいるが、20-30代がもし100%投票に行ったら実際かなりの数だと思うし、政治家も若い世代の意向を気にするようになるだろうし、中高年はビビると思う。また、現在の環境がどうしてもいやだったら外へ逃げる術を持つこと。要するに英語と専門スキルと精神的な強さを身につけることだ。金ヅルである若い世代に海外へ出て行かれるとなると、政治家や中高年もそこまで好き勝手はできなくなるはず。必ずしも、日本を捨てて海外へ逃げろとは思わないが、自分はイヤだったらいつでもこのゲームをおりていい、自分にはほかにも行ける場所がある、という余裕があってこそそのゲームの中で能力を発揮できるというものだし、他のプレイヤーからも尊重されるのだ。

私が日本の長時間労働や会社への無意味な忠誠心をばかばかしいと思うのは、海外ニートさんのブログの意見に近い。

あと、私は日本の会社を退職してアメリカに転職したが、私が勤めていた日本の会社は超優良大企業だったので、産休はみんな普通に1年取れていたし、残業はなるべくしないようにと指導されるぐらい、日本の常識からしたらパラダイスのような職場だった。だから、私はその会社がイヤで辞めたわけではない。日本でも、超大企業だと上記のような長時間労働の問題は少ないかも知れない。でも、新卒で入社しないと後から入るのは難しいのは同じだ。

妊娠にまつわるあれこれ(日米の違い)

2010年07月12日 | 未分類
私は日本で妊娠したことがないので日本の事情はよくわからないのだが、妊娠にまつわるあれこれについて、日本とアメリカで(少なくともボストンで)違うなあと思った点をいくつか。

1. 超音波検査の回数
日本では何度も超音波検査をするようだ。逆子かどうかを見たり、子宮頸を測ったり、胎児の推定体重を算出したり。こちらでは超音波検査は、特別な異常があったり追加の検査がない限りは2回のみ。こちらで他の妊婦に聞いてもやはり超音波の回数は非常に少なかったとのこと。一番の理由は、超音波検査をするとコストがかかり、特に必要もないのに超音波検査をしても保険がおりないから。

私の場合は1回目は10週で助産士が胎児の存在確認、2回目は18週で専門医(主治医とは違う)による精密検査だった。通常の定期検診で助産士や主治医に診てもらうときには、その場所は病院というよりは「オフィス」であり、細かい検査などをすることは想定していない。なので、超音波の機械も、下に駒が付いたやつをがらがらがら、とオフィスに運んできて使う。それでも、10週で胎児の大きさを測るぐらいのことはできる性能は備えていた。この「オフィス」で行う簡易超音波は、通常の定期検診に含まれるのでコストのことは問題ないが、特別に必要がない限りはわざわざ行わない。18週での精密検査は、定期検診で通っている「オフィス」とは別の場所に出向いて、超音波専門のところで受ける。超音波専門の医師は本当にその道のエキスパートで、機材も高価で精密なものを使用する。この専門医による超音波検査にはコストがかかり、保険でカバーされるのは本当に必要な場合のみなので、通常は1回だけである。

日本に住む日本人の妊婦さんのブログなどを見ていると、妊娠30週の超音波写真とかを掲載していて、こまめに超音波やってもらえてうらやましいなーと思ったりもする。


2. 初診の週数
日本だと7週ぐらいで初診で、超音波で胎嚢を確認した、というようによく聞くが、こちらでは初診は比較的遅めだ。私は10週だった。子宮外妊娠などの場合には早期の対応が必要なので、できればもっと早く診てもらえたらいいのにと思ったこともあった。


3. 子宮の張りへの対応
日本では、子宮が張るという理由で張り止めの薬が出たりすることもあるようだが、こちらでは聞いたことがない。ネットやリアルでの英語情報もいろいろと調べたが、張り止めの薬という概念そのものがないようだ。また、切迫流産で入院という話も聞いたことがない。これも、入院の医療費が非常に高いためだと思われる。それにしても、本当に安静の必要があるような状況の場合、こちらではみんなどうするんだろうか。そういう症例が少ないんだろうか。


4. 分娩から退院までの時間
こちらでは通常分娩の場合は産まれてから48時間、帝王切開の場合は96時間で退院。というかそれまでしか保険がおりない。むしろ、母子ともに問題がなく本人が望むならもっと早く退院してもよいらしい。退院までの48時間は、シャワー、トイレつき、ワイヤレスインターネット完備のすばらしい個室で至れり尽くせりだけど(それは日本でも同じか?)


5. 帝王切開率
こちらでは3割ぐらいだそう。


6. 無痛分娩率
こちらでは7割程度だとどこかで読んだ。


7. 健康保険
ちゃんとした健康保険に加入していると、出産前の検診から分娩まで全て保険でカバーされる。自己負担ゼロ。そのかわり、というわけではないが、日本みたいに出産一時金とやらはない。日本方式だと、産まれるまでにかかった費用が産まれて初めて還付されるってことだから、万が一流産など残念なことになった場合には、精神的、経済的にダブルでダメージだよなあと思う。


8. 社会の風潮
ここ最近電車で通勤しているが、5回に4回ぐらいの頻度で席を譲られる。本当にありがたいので、そういうときは座らせてもらっている。日本では通勤電車が本当に満員なので、席を譲るのが物理的に無理というのもあるかも。あと、通勤時間が長くてみんな疲れてるし。

また、妊娠したと人に言っても、仕事は続けるの?という質問を受けたことがない。当たり前にみんな続けるから。むしろ、保育所は早く探した方がいいわよ!とか、職場のどこどこに搾乳できる部屋があるわよ、などのアドバイスをもらうことは多々あり。


以上、これまでに気づいた日米の違いを述べてみた。全体的に、日本の妊婦の方が病院からは大切にされるが、社会からは冷たくされるという印象かな。



結婚や出産を機に仕事を辞めるリスク

2010年06月10日 | 未分類
日本では、女性はせっかく正社員として働いていても、結婚や出産を機に仕事を辞めるケースが多い。本人が望んでそうすることもあるし、やむなく退職することもある。

夫が正社員でもいつ何時会社が傾いて職を失うかわからないこのご時世に、すごくリスクの高い選択だと思うのだが。30年前ならいざ知らず、今や「夫が50歳を目前にしてリストラにあって、専業主婦の妻が働こうにもパートしかない」なんていう話はごまんとあるので、自分たちもそうなるかも知れないなんて想像もつかないということはないはず。それなのに、夫も妻もそのリスクから目を反らして、妻が仕事を辞めてしまうのはなぜだろう。自分たちだけは大丈夫だと思ってしまうんだろうか。

夫にとっては、妻が家にいて家事育児を全て負担してくれた方が短期的には都合がいいし、妻にとっても、子供を育てつつ周りの冷たい視線を受けながら(これがそもそもおかしいんだけど)働くよりも、退職して育児に専念した方が短期的には楽だと思う。でも、長期的に見ればどうだろう。

いったん仕事を辞めてブランクの後で再度働きに出ようとする場合、日本では正社員の働き口はなく、パートタイムとなることがほとんどだ。子供を保育所に預けて働きに出ようと思っても、認可保育所は待機児童がいっぱいで、働いていないと預けられない。また、保育所に子供を預けられる見込みがなければ仕事に採用されない。無認可保育所だと空きはあるが保育料が高く、パートの給料では足が出てしまう。つまり、いったん正社員の仕事を辞めてしまうと再開するのは非常に難しいシステムである。また、子供が就学年齢になれば、子供の学校の時間だけパートで働くということも可能になるが、それでは満足のいく金額の収入は得られないだろう。

だから、正社員の身分を維持しておくことは非常に重要だ。認可でも無認可でも保育料は5ー10万円だというではないか(しかも1日11時間という長時間)。10万円というと高いとは思うが、正社員の給料をもらえばマイナスになることはないだろう。私が住むボストンでは、保育料は月10ー25万円が相場である(1日9時間)。10万円というのは、移民の中年女性が個人の自宅で子供の面倒を見ているレベル、25万円は大手の保育所チェーンがきちんとした管理体制の元で運営しているレベルである。(いずれも認可保育所である) これだけ保育料が高くてもほとんどの女性は子供を預けて働く。長い目で見れば仕事を維持した方が良いことがわかっているからだ。

だから、日本では「保育所は待機児童が多くてなかなか預けられないので、お母さんが働きに出られない」というのは実は問題の本質ではないように思う(要するに保育料をケチっているだけだから)。それよりも、「働くなら時間の制約なく長時間働いてもらわなければ困る」という雇用側および同僚たちの考え方の方が、ずっと大きな障壁だと思う。日本の長時間労働についてはまた後日思うところを書きたいと思う。

育児への夫の「協力」?

2010年05月29日 | 未分類
ネットで、育児についての日本人女性の書き込みなどを見ていると、「夫の協力は得られそうもない」とか「つわりで料理がしんどいのでお惣菜を買ってきて夕食に出したら夫に嫌みを言われた」とかいうのがよくある。夫婦ふたりの子供なんだからふたりで育てて当たり前なのに、夫の側は「子供を育てるのは基本的に妻の仕事であって、それに自分が『協力』するのは飽くまでも好意」「子供を育てることにより夫である自分の世話が犠牲になるのは妻が悪い」という姿勢なのね。夫がそんなこと言ったら私だったらイヤだなあ。

日本で正社員として働こうと思うと長時間勤務が必須だからそんな発想になるんだろうな。現実問題として、男の人が「妻がつわりで苦しい時期なので僕は家事を多めに負担したいので今日は定時で帰ります」とか言えないよな。さらに、「妻が出産したので1週間休みます」とか「子供が産まれてしばらくは妻ひとりでは育児が大変なので早めに帰ります」とかも言えないよな。本当はそれぐらいは言えるべきだけど、なぜか日本ではそれが不可能なのが現状なんだよな。だから、育児にほとんど参加できない夫たち個人個人を責めることはできないのかも知れない。結果的に、女性にとって、子供を育てつつ働くというのがとてつもなく苦しいことになってしまう。まるで修行だものね。

職場での男女平等を目指す動きに対して、「女性のほとんどは(特に子供が産まれたら)家庭に入りたいと思っているんだから、職場での男女平等なんか無理」という反論がある。でもそれは、女性が子供を育てつつ働くとなると一方的に苦行に耐えなくてはいけないことが明白だから、無理をしないで家庭に入りたいという選択になってしまってるんじゃないかな。総合的に見て損得勘定するのは当たり前で、現状は女性が働きつつ子供を育てるというのは圧倒的に損な選択だと多くの女性が思うのだと思う。もし女性が働きつつ子供を育てるのにもっとよい環境(夫がそれほど長時間勤務しなくていいとか、自分の職場でも理解があるとか)が揃っていれば、仕事を続けたいという女性の率はもっと高くなるんじゃないかな。

日本での長時間勤務についてはまた別の機会に思うところを書こうと思っている。

Biotech Tuesday初参加

2010年05月28日 | 未分類
前から参加したいと思っていたBiotech Tuesdayに、先日ようやく参加した。Biotech Tuesdayというのは、文字通りバイオテクや製薬、その他周辺の産業の関係者が毎月1回火曜日にボストンのバーに集まってネットワーキングをするというイベントである。ここ数回の参加登録者数を見ると、だいたい300名ぐらいか。ただし、登録した人が全員参加するわけでもないし、参加者も3時間の間みんな出たり入ったりで、会場にいる人数は100人ぐらいかも。参加登録者リストを見ると、勤め先は大手製薬、バイオベンチャー、大学などさまざまで、職種も研究職から開発職から事務的な職から、あるいは経営者まで本当に様々だ。雰囲気はカジュアルな印象だった。ただしウェブサイトにはbusiness or cocktail attire recommendedと書いてあるので、ジーパンにビーサンというような人はいない。でも、びしっとスーツでないといけないということもない。ビジネスカジュアルぐらいかな。

会場では、既に知り合いがいる人もいれば本当にひとりで参加したという人もいる。また、私のような、仕事を探しているポスドクもいた。あと、私が話した人の中には、低分子量化合物合成会社(おそらく小規模)の人とか、大手製薬のquality controlに勤め始めて1年の人(Ph.D.持ち)、Law FirmのAttorneyなどもいた。少し話したポスドク(参加2回め)によれば、製薬会社のhiring managerと話して名刺をもらい、job openingがあれば公募を開始する前に知らせてもらうように頼んだとのことだった(相手が本当にそうしてくれるかはわからない)。

私は、グリーンカードがまだ取れていないし、妊娠してもいるので、現時点ですぐに就職しようというわけではないが、こういうところに出て行くことにより、実際に求職活動を始めるまでに何が必要なのかを知るきっかけにもなるだろうし、将来私を採用するかどうか審査することになるかも知れないような人々と話す練習だと思って今回はとりあえず1時間ほど参加してみたのだが、なかなかに勇気がいったものの良い経験だったと思う。まずは1回、とにかく参加してみることが重要だと思う。実際、今回参加するまでの心理的ハードルは非常に高かった。参加しよう、しようとずっと思いながらも及び腰だった。でもとりあえず1回参加してしまえば次回以降は心理的障壁は格段に低くなる。1回参加しただけで具体的に就職に直結するような出会いは期待できないが、こういうのは練習も兼ねて何度も行ってみるべきだと思う。しかもバイオ系関係者は参加費無料である。利用しない手はない。

私は一度、商業ベースで開催されているパネルディスカッション+ネットワーキングのイベント(日本人向けのではない)にお金を払って参加したことがあるが、大手製薬がスポンサーで、それでも参加費は$25、会場の食べ物はオードブルがほんのちょっとだった。同じ系列の別のネットワーキングイベントは、$50という案内がきたこともある。つまり、経費と運営側の利益を考えればそれぐらいの参加費は必要だということだ。そんな中、無料で参加できるBiotech Tuesdayはお得だと思う。

こういう、立食形式の集まりはまわりががやがやとうるさくて、英語での会話は普段以上に難しい。その上、本当に初対面の人たちと話すことになるのでなおさらだ。でも、ほかの参加者もみんな、人と話すことを目的に参加しているので、話す気は満々で、会話を始めるのは比較的簡単だと感じた。ただし、初対面同士で、名刺の交換でもしない限りはそれっきりになってしまうような条件でいかに意義のある会話をするか、はなかなか難しい。日本人限定でない集まりに敢えて参加するのは心理的なしきいが高いが、狭い日本人社会に閉じこもっていては将来は開けないのは明白なので、勇気を出してどんどん外に出て行こうと思う。要するに慣れでしょう、慣れ。

Smart.fmについて

2010年05月23日 | 英語
詳しい説明でも書こうかと思っていたのだが、一般ユーザーの方で非常に詳細な解説を既に公開している方がいるようなので、下にリンクを貼っておく。


bbbcさんによるSmart.fmの詳しい説明


Smart.fm(旧iKnow)概要

2010年05月22日 | 英語
英語の語彙を増やす必要があると思ったので、Smart.fmというオンラインツールを使ってみることにした。ゲーム感覚で、しかも無料で学習できるので非常に有用なツールなのだが、難点はマネージメントがぼろぼろなこと。まともに使えるヘルプなどはない。途中であるサービスを変更・停止してもウェブサイトは残ったまま、など。まあ無料だから仕方ないか。ということで、私なりに理解した仕組みや使い方について書いていこうと思う。

まず、Smart.fmというのは単なる英単語暗記サイトではなく、英単語以外にも覚えたい内容なら何でもありの総合学習サイトである。フランス語や日本語の単語などのコンテンツもある。まあでも、コンテンツのほとんどは英単語のようである。私はもっぱら英単語を覚えるのに使うつもりだ。

Smart.fmのデータベースには各単語の意味や例文が蓄えられていて、これらの各単語を「アイテム」と呼ぶ。これらのアイテムは、Smart.fm本体や関連会社が登録したもの、あるいはユーザーが登録したものの両方がある。

Smart.fmの中で感覚的に最もわかりにくいのは「ゴール」という概念である。というか、概念は別にわかりにくくないのだが、ネーミングが悪い。「ゴール」というのは、目的に応じてお好みのアイテムだけを集めてリスト化したもののことだ。例えば、私がTOEICに向けて語彙力を強化したいとする。自分が目指すスコアに応じて単語集を購入し、そこに載っている単語をSmart.fmのデータベース上で検索してリスト化する。膨大な数のアイテムを含むデータベースから、自分が学習したい単語だけをピックアップしたリストを作るわけだ。このリストは、自分だけでなく他のユーザーも使うことができる。逆に、他のユーザーが作ったリストを自分も使わせてもらうことができる。

あるいは、個人ではなくどっかの会社とかが、「TOEIC○○点を目指す人のための単語集」みたいなゴールを作って公開してくれていることも多いので、それを使うこともできる。

こうやって、自分が学習したい単語のリストを調達したら、それを実際に学習するためのツールのひとつがiKnowである。iKnowは、普通のウェブブラウザで普通に動く。5または10個の単語をひとつのレッスンとしてあり、ひとつのレッスンは15分程度で終わる。この15分の間に各単語を、英→日、日→英、スペルの練習など、あらゆる方面から学習できるようになっている。発音も聞くことができる。そのゴールをコンプリートするまでに、各単語をそれぞれ何レッスンかに渡って学習できるようになっている。また、iKnow以外にも、DictationBrain Speedアイテムドリルなど、異なる形式でも同じ単語を学習できるようになっている。学習経過は保存されるため、後日また学習を再開するときには、それまでの学習に応じて新しいレッスンが生成される。

上記のような学習プログラムは全て普通のウェブブラウザ上で普通に動くものなのだが、それだけではなく、学習中の単語をpodcastで聞くことができるサービスもあるらしい。らしい、というのは、現在このサービスの新規受付を一時的に停止しているから。どうやら、ウェブブラウザ上で今日学習した単語を集めたpodcastを自動生成して配信してくれる、つまり、世界でひとつだけの、自分だけのためのpodcastを使って復習ができるということらしいのだ。その名もパーソナルポッドキャスト。早く受付を再開してもらいたい。

個人的に残念だと思う点は、例えば今日30個の単語を新しく学習したとして、その30語は後日再度復習できるように、いずれはもう一度出てくるのだが、そのゴールの中にまだ学習していない新規の単語がまだ残っている限りは、常に新規単語の学習が優先されるようである。(2010.5.22追記 各アイテムを初めて学習してから2日後ぐらいには復習として出て来ることがわかった。なので問題なし。)私としては、今日30語学習したら、翌日はまずその30語を復習してから、新たな30語に取りかかりたいのだが・・・ もしそのゴールに300語ぐらいの単語が含まれていたら、全ての単語を一通り学習して2巡めの復習段階に入る頃には、最初の30語なんて忘れてしまっている気もするのだが。上記のパーソナルポッドキャストが現在、新規受付を停止しているために私には使えないので、これはちょっとした問題かも知れない。

まあ、総合的に見れば非常によいツールだと思うので、しばらくは続けてみようと思う。

他のユーザーやどっかの会社が作ったゴールを使うのは楽でよいのだが、どうしても自分にぴったりのゴールではない。自分が本当に今学習したい単語がうまく含まれているとは限らないのだ。だから、他のユーザーや会社などが作ったゴールを利用するのと並行して、自分で日頃わからなくて調べた単語などをSmart.fmのデータベース上で検索してリスト化し、自分のオリジナルのゴールも作っていこうと思っている。