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石綿肺がんの労災認定にあたっては、職歴を重視せよ

2007年07月17日 | じん肺・腰痛などの職業病と労災認定
            ↑ 交渉で、建設現場の石綿の粉じん
                 状況を強く訴える組合員さん

 7月12日(木)に相模原労働基準監督署との交渉を行いました。

 この交渉では、(社)神奈川労災職業病センターを中心に、相模原市内の組合や労働団体が参加しました。

 神奈川建設ユニオンではつい先日、肺がんで亡くなられた元組合員さんのご遺族が、労災認定の遺族補償の請求を行いましたので、交渉ではこのことを主に取り上げました。

 その方の直接的な死因は「肺がん」ですが、長年にわたり建設現場において「石綿」にばく露し続けてきたことが原因である、として労災の遺族補償を請求しました。

 職業は電気工事作業者で、昭和39年に会社に就職されてから、一貫してほぼ40年間、電気工事に従事してきました。

 なかでも、鉄骨造りや鉄筋造りの工場やマンションを中心に作業を行い、作業環境として周りには石綿が吹き付けられ、かつ喚起の悪い天井裏などの狭いスペースで作業をしてこられました。

 この期間は、日本の高度経済成長期とバブル期が重なり、国全体で建築需要に沸く中、石綿(アスベスト)の輸入量が飛躍的に伸びる期間でもあります。

 また、すぐ隣で石綿を吹き付ける作業をしているなかでの電気工事作業も行ってきており、防塵マスクもないままに、多量の石綿を吸ってきた事実があります。

 更にタバコも一切吸われない方でした。

 したがって、この方が「肺がん」を発症したのは、「石綿」が原因である可能性が非常に高いのです。

 この相模原労働基準監督署との交渉では、私たちユニオンから総勢11名もの組合員が参加し、同様な現場環境で働いてきた同じ建設職人として、石綿の現場での飛散状況を訴え、労災認定を強く要求してきました。

 特に、労災認定にあたっては、本人の職歴を重視して審査を行ってほしいことを強く訴えました。

 交渉の場において、同様の仕事をしてこられた組合員さんたちの発言は非常に重く、また当事者ゆえに説得力に満ち、労働基準監督署の職員の方々も、真剣なまなざしで聞き入りました。

 やはりお役所の方々は、建築現場の実態を知らないので、私たちが発言していくことは、大きな意味を持つのです。

 今回の交渉は、この方の労災認定にあたって、とても重要な場となったと思います。

 そして、さらに今度は、7月31日(火)に「神奈川労働局」との交渉を行います。

 同日、午前8時30分にJR横浜線「町田駅」ホームの横浜方面先頭あたりに集合です。 

 この場でも、今回と同様に、労働局の職員の方々に、建設現場での石綿の飛散状況と、労災認定にあたっては「職歴」を重視することを、強く訴えていきたいと思います。

 多くの方のご参加をお待ちしています。

 大きなアピールをしていきましょう!

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