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cohsms(コスモス)認定の意義と役割

2011年06月13日 | じん肺・腰痛などの職業病と労災認定

 コスモスは厚生労働省が1999年に告示した「労働安全衛生マネジメントシステムに関する方針」を基に、単品生産の有期事業、専門工事業者の混在作業といった建設業の特性を加味して構築する管理システムだ。国際労働機関のホームページでも、コスモスが業種版のマネジメントシステムとして推奨されている。コスモス認定は、各事業所が実施しているコスモスが、建災防が定めた「コスモス認定基準」に適合している場合、認定書を交付した事業場名を登録・公表する仕組み。認定基準が求める機能を確保していれば既存の社内規定の活用を認める「性能規定」の考え方を重視している。マネジメントシステムを一から構築する必要がないため、建設業に負担が少なくて済むのが特徴だ。


 事業開始から約3年で、認定数は38社56件となった。マネジメントシステムの構築は、規模が大きいゼネコンが取り組むものだと思われがちだが、実際には従業員100人以下の中小建設業が約半数を占めている。大手ゼネコンは現場での安全管理を徹底する観点から、下請け企業にもコスモスのような安全管理の仕組みを導入してもらいたい意向があるようだ。
 
 厚労省は07年3月に打ち出し「建設業における総合的労働災害防止策の推進について」で、建設業労働災害の防止に向けてコスモスなどの活用を呼びかけた。国土交通省あ08年にまとめた「発注者別評価点の活用による資格審査マニュアル」でも、建災防への加入に加え、コスモスなどの認定取得を安全対策の評価項目として示した。

 こうした動きを背景に、国では九州地方整備局がコスモスの認定取得に対し総合評価方式で0.5点を加点している。地方公共団体では、青森県が入札参加資格審査で10点、総合評価方式で10点を加点し、山梨県、長野県、三重県、山口県、東大阪市にも加点措置がある。

 コスモス認定を受けた中小建設業の経営者に、その理由を尋ねたところ、「われわれは、一度でも災害を起こすと、仕事を失い経営に大きな影響を受ける。地域社会にも迷惑を掛けてしまう。そのため、社員一丸で安全衛生管理を向上させる手法として認定取得を選んだ」との答えが返ってきた。地域に根差した建設業にとってハードルが高いと思われるかもしれないが、決してそんなことはない。継続的な安全衛生管理に、率先して取り組んてほしい。





3月25日建通新聞より

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