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改憲と護憲の国家的論争:憲法九条問題

2005-11-08 00:03:27 | 日本
憲法改正論議が高まる中、戦争放棄をうたった憲法9条を守ろうと、神戸市北区の星和台・鳴子地区の住民が6日、「星和台・鳴子九条の会」を結成した。
呼びかけ人は、著名な作家や哲学者らがつくった「九条の会」(略)賛同者を含め173人での結成となった。この日の集会で、同会事務局長の佐野経子さん(61)は「第二次世界大戦で犠牲を払ってできた平和憲法を私たちの世代でなくしてはいけない」と訴えた。
結成式後の憲法講演会では、県弁護士九条の会事務局長の羽柴修弁護士が熱弁。「9条が改正されれば、間違いなく軍事化が進む。平和憲法を守ることは国民にとって重要な問題だ」と憲法改正の動きをけん制した。MSNニュース (毎日新聞)
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現在憲法で激しく、護憲派と改憲派が議論を交わしています。この国のあり方を決める憲法、政治に国民が関心を持つ事は非常に喜ばしい事です。
護憲派は主として再び軍国主義化へ繋がる、また平和憲法守る事が必要と主張し
改憲派の主張は主に安全保障面、日本人が主体として憲法を創生すること必要と主張しています。

私はどちらかといえば改憲派です。
憲法9条と自衛隊の存在は明らかに矛盾が生じています。この矛盾を解決するのであれば自衛隊を無くすか9条を改正するしかないでしょう。(公明党の加憲というのはこの問題の本質の解決には至りません)自衛隊を無くすというのは幾らなんでも主権国家の要素である前提の対外的な排他的権力の保持(他国に邪魔されずに国家を運営する)を損ないかねません。日本が日本国であるためには必ず自衛権とそれを担保するパワーが必要なのです。

 さてここで護憲派の方々は矛盾を無くそうとする改憲派の主張に対し再び軍国主義の道を歩む、平和憲法の維持が必要だとの主張されるでしょう。ですが私は軍国主義の道を歩むとは思えないし 極論をいわせもらえば現行憲法の絶対的必要性はないように思えます。
 まず、軍国主義云々に対しての問題は論理がいささか飛躍しすぎです。実際、同じ敗戦国で戦後問題において引き合いに出されるドイツの憲法を見てみましょう

独24条2項:連邦は平和を維持する為に相互集団安全保障に参加できる。
26条2項:戦争遂行のための武器は、連邦政府の許可のあった場合に限り、製造し、運搬し、かつ取引する事が出来る。(岩波コンパクト六法より引用)

 難しいかもしれませんが相互集団安全保障に参加できるというのはNATOなどの軍事同盟に加盟ができると言う事をさしています。これは当然、自衛権をもっていることが前提となります。ドイツ憲法では示した通り、交戦権等を否定していません。さてこのように交戦権持っているドイツが戦後60年の中で軍国主義化した事があったでしょうか。無論そんなことはありませんでした。経済的にも民主主義のレベル的にも同質なドイツではそのようなことが無くてなぜ日本はそのような事が起こりうると主張するのでしょうか。そして軍事力を持って植民地支配をしていた時代はとうの昔に終わりを告げた相互依存の時代、軍国主義の道を進んで一体何のメリットがあるというのでしょうか?いまある権威主義、軍国主義国家がどうなっているか見れば一目瞭然のような気がします。いささか、この主張は世界の常識に欠けているようにも思えます。

 次に平和憲法を維持するべきだと言う主張があります、これはミスリードしているようにも思えます、なぜなら自衛権というものは秩序、権利の安定化・回復というもの=混沌から平和への回復を目的・システムとしており、自衛権の肯定と平和というものは、決して相反するものではないからです。むしろ今の憲法こそが有事の際、秩序回復機能を阻害するように思えます。

さて長々と書きましたが私の意見がすべてではありません、これを読んだ方は是非、この国民を揺るがす大問題ですので、いろいな改憲、護憲関連の書籍等を読んで見てはいかがでしょう?