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北朝鮮が「核の4段階放棄案」 不法行為でお金を稼ぐ国

2005-11-10 23:24:43 | 朝鮮半島
北朝鮮の核問題をめぐる第5回6か国協議は初日の9日、北京で開かれた全体会合で、核活動の凍結、既存の核兵器廃棄など4段階に分けて核放棄を実施するとの新提案を行った。
 これに対し米国首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補は同夜、記者団に対し、否定的見解を示した。米国は核の凍結ではなく、廃棄をただちに行うよう要求しており、凍結は受け入れられないとの立場を示したものと見られる。
 全体会合では、議長国・中国に続いて日韓両国が、共同声明の履行に向け、作業部会を設置して手順を詰めることを提案、設置が事実上決まったが、核放棄をめぐる論議が難航するのは必至の情勢だ。
 同筋によると、北朝鮮首席代表の新提案は、核放棄の手順を〈1〉核活動の凍結〈2〉既存の核兵器の廃棄〈3〉検証に基づく核兵器生産の放棄〈4〉核拡散防止条約(NPT)と国際原子力機関(IAEA)保障措置(核査察)への復帰――の4段階に分けて実施するというもの。
 同時に、米国に対し▽北朝鮮に対する不可侵▽韓国に核兵器が存在しないことの検証▽韓国への「核の傘」提供中止▽朝鮮半島における核兵器通過禁止と核活動停止――を求めている。
 金次官はまた、核放棄に関する措置を取る前提条件として強硬に主張してきた軽水炉提供を改めて要求。さらに、タス通信によれば、ブッシュ米大統領が金正日総書記を「暴君」と呼んだことに対し、「相互信頼醸成に寄与しない」と非難した。(一部中略しています)
YOMIURI ONLINE
--------------以上引用終わり-----------------------
事の発端は、北朝鮮がNPT(核兵器の不拡散に関する条約=核保有国以外の核拡散を防止)を脱退した事からこのような問題に発展しました。さて、普通、条約というのは基本的に条文に書いてある、脱退要件を満たさなければ、脱退はできません。
NPTの脱退要件はこの通りです

第10条 各締約国(加盟国の事です)はこの条約の対象である事項に関連する異常な事態が至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権の行使としてこの条約から脱退する権利を有する。当該締約国は、他の全ての締約国及び国際連合安全保障理事会に対し、三ヶ月前にその脱退を通知する。その通知には、至高の利益を危うくしているとと認める異常な事態についても記載しなければない。(ベーシック条約集 第5版より引用)
要約→①至高の国家権益の重大な侵害②侵害の旨を安保理、加盟国に通知

果たして、之を踏まえると北朝鮮は脱退できるのでしょうか?
日本、英国は至高の利益の侵害はないとしています。すでに日本が①の満たしていなと断言している時点で②の通知要件は完全に具備していない事になります。従って、脱退できるわけもなく脱退しているはずもないのですが、中国側は国家主権を理由に認めるべきとの反対や当時のアメリカのABMT(迎撃ミサイルの保持を制限する条約)の脱退もあって国際社会は混乱するのを避ける為に追求しなかった為、今でもあやふやな加盟国数すら、はっきりしない状況となっていますが、脱退理由の「NPTからの脱退は米国の圧殺策動とそれに追随したIAEAの不当な行為への当然な自衛的措置である」というのはみなさんはおかしいとは思いませんか?そのような事態を招いた発端は北朝鮮でありIAEAも不備はありませんでしたし。

このような北朝鮮の行為は核拡散防止の取り組みを裏切るものであり、また条約の遵守、(北朝鮮の立場で言えば復帰でありますが)は当然であるのに、このような「復帰してやるから、援助をしなさい」という行為は理解しがたい。拉致被害者の解放に関しても同じです。

だからといって安直な物の考え方で「経済制裁措置だ」と叫ぶのはどうかとは思いますが、
これ以上、長期間に渡り、北朝鮮が強硬な態度(核兵器の段階的削減)を繰り返すのであれば、時にはタイラントを御す「鞭」も必要であると私は考えます。