失恋論

 忘れようと努力しても、出来なかった人に向けて書くブログ。同時に、恋をまだ一度もしたことがないという人に向けて。

失恋論短歌から その2

2006-04-10 13:37:31 | Weblog
 枡野浩一さんが募集してくださっている「失恋論短歌」についてふたたび。
 金曜日以降の作品から。

 失恋「論」短歌なわけですから、失恋の感情ベタではないのでしょうが、かといって、まったく恋なんてどうでもいいという距離の人が書いたものは、文字通りどうでもいい。
 切実さを通った上で、輪郭化しようとしている「せめぎ合い」を見たいです。

 http://nonnon-1971.at.webry.info/200604/article_5.html他の、紺野さちこさんの作品が印象に残りました。


名前より先に覚えたあの笑顔思い出じゃない忘れてないから

 僕は名前を覚えた方が先でしたが、恋として出会ったのは「あの笑顔」でした。
 だからこの気持ちはとってもよくわかるっていうか、甦ってきます!


いつか会ったら言われたい綺麗になったと言わせたい いつかのきみに

 最後の「いつかのきみに」は未来のきみとも取れるけど、あの日のきみともとれる。
 恋って、時間を超えて出会い続けるものだと思うんです。 
 だから、時が経ってもなかなか成仏できないんですけど。


全部あなたのものでしたあなたじゃないとダメと言う私だった頃

 わかるなあ。
 恋愛は「この人」じゃなきゃだめだし、その人を好きな「この私」を突きつけてくる。
 自分が自分であることをこれ以上突きつけられる体験はないのです。
 恋のことを「自分探し」だなんて言っている人間は、そこがわかってない。
 恋が到来したら、探すまでもないんだから!
 知ってしまったこの自分を、どうにかしようとする格闘が恋なのだから!