2014-02-14
1.自分を信じるって…
うなだれたままのタケルに向かって、キララはこう言った。
「アンタが、自信ないのって、よくわかるよ!
耳が聞こえないって、人の言うことがわからないってことだろ?
でもさ。 聞こえても、人の言うことなんて聞かない奴、いっぱい生きてるよ!
アタシの言うことだって、聞いてくれない人ばっかりだよ!
…アンタ、アタシの言うこと聞こえてるンだろ?
アンタは自分を信じて、自分で未来を作ればいい!
アンタ次第で、未来が変わるンだよ!」
ヒロもじれったそうに、続けた。
「タケル!
お前だったら、何だってなりたいモノになれるさ!
オレも協力してやるよ!!
要はオマエ次第なんだ!
もっと、自信持てよ~」
それでも、タケルは自分に与えられた試練の前に、立ちあがる気持ちが持てなかった。
それまで、黙ってタケルとのやり取りを聞いていた少年のひとりが、話しかけてきた。
「ねぇ、ウェンディ。タケルにあの秘密の空間を見せてあげたら?
オレら、あれ見てから、気持ちが変わって、ここまでついて来たンだ。
忘れかけてたけど、今思い出したよ。
こんなオレでも、がんばって戦わなきゃって奮い立ったンだ。
タケルにも、アレ見せてやりたいよ、なぁ!」
少年達は、顔を見合わせてうなずいた。
キララは、少し考えてタケルに言った。
「そうだね。アレを見せてやればヨカったンだ。
タケルには、ちょっと早いと思って、後回しにしてた。
それじゃ、準備するか。 タケル、覚悟しなよ! 」
キララは、また呪文を唱え始めた。