きらせん

仙台のきらめき










東北大学公共政策大学院准教授
佐分利 応貴

 「人生の門出」

2008-05-17 22:03:48 | Weblog
  親友の経産省同期の結婚式。
  これで同期の独身者レースも残りわずか(4人)?。

   ※画素数は落としてあります

  東京のウェディング・レストランにて(シェフはミシュラン2つ星だって)。
  天気もよく、すばらしい結婚式だった。
  屋外結婚式は天候が心配だが、よくぞ思い切ったものだ。
  
  しっかし、役人は予算と権限を守るためなら死ぬほど闘うのに、
  なぜ結婚するのかね。
  結婚したら予算も権限もカミさんにとられるのに。



  … という一般論はさておき、Tよ、おめでとう!!
  最後のスピーチ、良かったぞ。

  苦労はかけても不幸にはしないように。よろしく。 

 「人生の岐路」

2008-05-16 22:08:24 | Weblog

  
  公務員Ⅰ種試験の一次試験結果発表日。


  選抜試験なので、誰かが受かれば誰かが落ちる。
  全員が受かることはあり得ない。

  成功からは自信が生まれ、失敗からは教訓が得られる。
  受かった人は、ダメだった人の分もがんばって欲しい。
  ダメだった人、『人生は絶対値』である。

  たとえ失敗だったとしてもチェレンジしなかったよりはまし。
  「やっときゃよかった」という後悔より、「やらなきゃよかった」という後悔の方が小さい。

  そして、この失敗には、後から考えると必ず何かプラスの意味があるはず。
  (実は民間企業で成功した、このまま最後まで合格していたら世の中を甘く見ていた、今ここで劣等感を抱いたために逆に一生成長できた、など)
  それに気がつけるかどうか。
  まさにこれからの心構えにかかっている。




  今日は公共政策入門の講義。

  東北大生の公共政策への関心を高めるため、全学部の1年生を対象に、前期(4~7月)の金曜5限(16:10~17:50)に公共政策について講義をするもの。講師陣は、公共政策大学院の講師陣が毎週交替で行う。今週・来週は、自分が担当することになっている。受講している学生は80~90人。

  確かに広報効果はあるようで(?)、今年の経済産業政策Ⅱの授業でも、「公共政策入門とってました」という学生が何人もいた。
 (注:公共政策入門で興味をそそられ、経済産業政策の授業を選んでくれたのかもしれないが、もともと公共政策に興味がある学生が両方の授業を取っているだけかもしれない。因果関係は検証できていない。)

  今日は人数が手頃なので「地域活性化問題」につきグループ・ディスカッションをやってみた。アンケートは「授業でディスカッションをしたのははじめて」「楽しかった」と好評。教師の話を聞くより、お互いで話し合った方が楽しいというのも複雑な心境だが、高等教育ではグループディスカッションは不可欠である。コミュニケーション能力がつくし、他人の意見を聞くのは非常に勉強になる。吉田松陰の教育も、塾生同士の議論を重視している。

  以下学生のコメントより抜粋。

「地域の活性化という言葉はよく聞くが、その実現のためにこれほど多くの課題があることを痛感した。一見単純に見えることでも、たくさんの困難があるということを知ることができた。」
「地元への愛を持つことが大切だと感じました。その愛というのは、人とのふれあいから始まると思います。地域の交流が希薄になっている現代においては難しいことですが、もっと地元の人同士の出会いがあればいいと思います。今日の授業を聞いて、自分の地元に帰り、祭りとかに参加したくなりました。」
「United Children (← ぜひインターネットでHP開いてみてください。浜松で始まった団体は今、全国に広がっています。)という団体で高校3年間活動していたときも、今日考えたようなことを考えたりしていました。ワークショップなど会議方法、地域や日本、世界に興味をもって自分たちで考えるということの楽しさも学ぶことができました。今日の講義で、改めて、このような活動の楽しさを実感し、地域について改めて興味をもてたので、これからも意識を持ち続け、また、全国の中高生にも意識を持ってもらえるようにこれから活動していけたらと思います。(明日、17日は、いわき市の中高生相手にワークショップしてきます。)」
<o:p></o:p>


  大学は、何を、いかに教育すべきか。
  何を教育成果とすべきか。

  外様ではあるが、今後も親藩・譜代の諸先生方と議論していきたい。

   
  


 「たっくんの手紙」

2008-05-16 20:24:12 | Weblog

  「だいぶあったかくなってきました。お元気ですか。
   おしごとはたいへんですか? いつもこころの中でおうえんしています。
   もうすこしでパソコンをあずかります。楽しみにしています。
   夏休みはおじいちゃんの家に行きます。ついたらゆっくり休んでください。
   おしごとがんばってください。

                             お元気で

   五月十六日
                             佐分利 尭永」

  
  … お元気でって
     毎日会ってるじゃんか。

     それにパソコンやるなんて言ってないぞ!!
  

 「ビジネスプランコンテスト」

2008-05-15 23:09:08 | Weblog

  昨日とうって変わって、今日は芝生で昼寝がしたくなるようないい天気。  
  

  生協で、ビジネスプランコンテストが実施される。
  これは工学部の浜田先生の発案。
  優秀なプランにはなんと賞金20万円。
  う~ん、ワークショップの旅費に欲しいぞ。

  だが提出されるプランは何件あるのだろうか。不安だ…
  東北大生の創造力に期待したい。(文系学生よ、いまこそ出番だぞ)



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【★】大学生協ビジネスプランコンテスト
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 ■東北大学生活協同組合創立60周年記念特別事業
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 |大|学|生|協 |  ビ|ジ|ネ| ス|プ| ラ|ン| コ|ン| テ|ス| ト|
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 大学生協の事業全般について、組合員の皆様のために、新たな収益を生む、
 または福利厚生の向上につながるようなビジネスプランを募集します。


  □応募方法 → 一次応募として、ビジネスプランの概要を下記のURL
          のHP中にあるフォーマットを埋めて提出してください。
          または、生協各店舗前にあるチラシ裏面の提出フォー
          マットを埋めて、大学生協文系店にある箱に提出して
          ください。

   >> http://www.coop.org.tohoku.ac.jp/business/contest/ <<


  □対象 → 生協組合員であれば所属、個人参加、
        グループ参加は問いません。

  □主要なスケジュール
    6/ 6(金)18:00 → 一次公募締切:ビジネスプラン概要提出
    6/16(月)    → ビジネスプランセミナー (必須参加)
       6/17(火)    → 一次選考通過者による生協関係者へのヒアリング(必須参加)
       7/11(金)    → プレゼンテーション、二次選考、結果発表

  □賞金  → 最優秀賞金 20万円 他

 <主催>大学生協ビジネスプランコンテスト実行委員会
 <お問い合わせ先> 東北大生協「学びと成長」支援事業部 門間まで
          TEL 022-262-7463 E-mail:monma@tohoku.u-coop.or.jp
 
  ※詳しい内容については、生協各店舗に置いてある
   ビジネスプランコンテストのチラシをご確認ください。


 「パンフレット」

2008-05-14 22:07:34 | Weblog
  大学院教授会(懇談会)。
    来年度の学生募集パンフレットの原案について議論がなされる。
  
  役人がつくる文章は、どうしてもサプライサイド(作る側の視点)になる。
  サービスの提供側として、「こんなことをやってます」「ぜひ来てください」と。

  今回の原案は、“そんなんじゃ人きませんよ”と反論する現役学生(当時)が3月に作成したもの。ポイントは、顧客ターゲットを公務員志望者、マスコミ・シンクタンク等民間志望者、現政治家等にわけ、それぞれにどのようなカリキュラムが用意されているかを示すというもの。なるほど。デマンドサイド(消費者の視点)からみたら、ほしい情報はそういうことだろう。それぞれ違ったニーズをもつ学生等に、どうやって大学院の生活、その後の進路のイメージをわかりやすく伝え、「ここなら成長できる!」と実感してもらうのか。それがポイントだ。学生の指摘は的を射ている。


  議論の途中で、卒業後に博士コースに進むのはありかなしか、という話に。

  個人的には「あり」。むしろ推奨すべきだと思う。
  政治学の研究をするにも、過去の文献や机上の議論だけしててもねぇ。博士課程に進む人間ならなおさらのこと、政策実務者との議論、現場のリサーチが必要なのではないか。
  役所の方も、これまでの出来事・政策を体系的に整理し、教訓を引き出してくれる政治学・社会学の研究者を求めている。学者が象牙の塔にこもらないよう、政治学の博士課程に進むものはもれなく、社会とのコミュニケーション能力を公共政策大学院で伸ばすべきである。ワークショップをやりながらだって、理論の研究は平行してできるのだから。
 (ただでさえ進学者の少ない研究大学院との共食いになってしまう問題があるが、大局的には現場とのコミュニケーション能力を若いウチに鍛えるべき。)


  公共政策大学院は社会の医者を輩出する「社会医学部」たるべしという信念が、まだまだ広く世間で理解されないのが残念だが、まぁ本でも論文でも出して早く形にしないと話になりませんわな。急がないと。残りあと2ヶ月。
  

 「歴史における個人の役割」

2008-05-13 22:47:53 | Weblog

  ワークショップCの授業。
  今週は「日中国交正常化交渉」のシミュレーション。

  “その時歴史が動いた”で言えば、それは昭和47年9月29日。
  田中角栄が総理になって3ヶ月経たない間の電撃的な国交回復だった。

  歴史における個人の役割は、ヘーゲルやランケ、プレハーノフ、ヴェーバーらがさんざん議論しているのでおくとして(個人的にはヘーゲルよりランケが好きだが。あとミシュレやアリエスなんかも。)、考察で必要なのはモデルである。

1.日本側が日中国交正常化を求めたのはなぜか
 (1)正常化に向かわせる要因(引力:F)
 (2)正常化に反対する要因(摩擦係数:μ)
 (3)交渉上の要求と障害(突合残差と柔軟性: |y -f (x) - e | )

2.中国側が中日国交正常化を求めたのはなぜか
 (1)正常化に向かわせる要因
 (2)正常化に反対する要因
 (3)交渉上の要求と障害

  それぞれの力学を明らかにしないとシミュレーションにはならない。
  ワークショップでは、
1.(1)三木派との約束の履行、経済界の圧力、世論
  (2)外務省
  (3)賠償問題
2.(1)対ソ戦略
  (2)特になし(国内世論は封じ込め)
  (3)台湾問題
  との議論がなされた。

  だが、本当にそうか。
  国内世論には、中国との国交回復は望むものの、慎重にという声が少なくなかった。自民党長老にも親台湾派が多かったし、新政権が外交で「点数稼ぎ」をするにはあまりにリスクが高い。
  
  外交官に言わせれば外交は交渉事であり、拙速より慎重に扱うべきとされる。
  田中角栄の訪中は人気取りで、後代に禍根を残したと非難する声もある。

  だが、政治のリーダーシップなくして、外交官に任せておいて、何年後に国交が正常化できたというのか。
  政治は結果責任である。田中角栄は自らリスクを取って相手の胸中に飛び込んだ。当然自分が責任を取るつもりである。問題解決のための決断をし、結果責任をとるのが政治家である。
  いったい、外交の失敗で辞任した大使が何人いるのか。湾岸戦争の時に状況を読み違え、イラクにいなかったのはどこの大使か、クウェートにいかなったのはどこの大使か。ロシアで、ゴルバチョフがクーデターで拉致された時に休暇をとっていたのはどこの大使か。太平洋戦争時に開戦通告が間に合わず、日米間の歴史上最大の禍根を残した野村・来栖両大使はクビになったのか? 井口参事官、奥村一等書記官は戦後事務次官になっているではないか。

  後生の人間が後知恵で歴史を批判するのは易い。
  だがそれはプロ野球の結果を解説者が「あそこでああしておけば」と言うのと同じで科学とはいえない。

  肝心なことは、当時の情勢・情報を基に行われた判断を検証し、なぜそのような動きが発生したのか、当時の判断は妥当だったのか否か、仮に妥当でなかったならどうすれば過ちを防げたのかを、当時の資料からモデルを構築し、再現・分析することである。モデルなき分析は、ただのレトリックにすぎない。


  (注)言うまでもなく個々の官僚、個々の外交官には極めて優秀な人が多い。
   問題は、それが組織となったときに、組織の中と外に二重規範(double standard)が働くことである。
  


 「闇と光」

2008-05-12 23:41:34 | Weblog
  刮目すれば、世界は病巣に覆われている。
  もし見えていないとすれば、それは目を覆っているからに過ぎない。

  闇は深い。
  光はあれども、容易に掻き消されてしまう。
  
  人々は、目の前の小さな幸せを追い求め、守り、世界から目を背ける。
  「お許し下さい。彼らは何も知らないのです。」


  W.リップマンは言う。
  「人間は、一つの進化から生まれたもので、生き延びていくのに間に合うだけの現実の一部をようやく支配し、時の秤にかければほんのつかの間でしかない洞察と幸福しかつかみとることができない。」
  「彼らは縄で杭につながれている犬のように、自分の属する社交仲間の規則と信条に従って、定められた半径内の知人たちの間で動いている。」


  リップマンの言葉に学生が答える。
  「目の前にある小さな幸せを「時の秤」にかけてしまうこと自体が、とても貧しく、悲しいことだと思う。客観的に見れば、価値のないことであっても、当事者にとっては何事にも代え難い価値があるのかもしれない。」
  「“想像力”の問題。頭ごなしに否定したり、批難することで世界はどんどん貧しくなる。どんなに素晴らしい理論や発明だって、最初の一歩は本当に小さなもの。世界の端っこにつかまって、その端っこがどんなにつかの間の幸福であっても、自分が自信をもって「幸せだ」と言えるのなら、それでいいと思う。ただ、一つの端っこに安住するのではなく、色んな端っこをつかまえたいと思う。世界の大きさに対して悲観的になるのではなく、前向きに。」


  こうしたコメントをしてくれる学生達を担当できて、本当に幸せに感じる。
  残りわずかな教員人生、悔いの無いように取り組みたい。


 「青年の終わり」

2008-05-08 23:55:46 | Weblog

  青年とはいったい何歳までか?




   答   : 39歳まで。
  理由 : JICAの青年海外協力隊の応募資格が39歳までだから。


  … 法的には青年の定義は「十五歳以上三十歳(都道府県知事が、当該都道府県の農業の実情に照らし特に必要があると認めるときは、四十歳以下で都道府県知事が定める年齢)未満とする」となっている。
 
 ※青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法
   施行規則第一条


  でも、もう協力隊にも応募できないし。
   青年会議所も40歳で卒業だし。
  農協青年部では40代でも青年部だけど、自分は農業やってないし。

  というわけで、脱青年。
  おめでとう。
  

  … 誰も祝ってくれない出張中のスコットランドにて。
 

   あ、メールもらいました。ありがとう!
   Dream Mail さん、Yahoo! メールさん、その他メール配信サービスの皆さん。
   すっげぇ嬉しい。