「バウンド」 濃厚でスタイリッシュ

「Vフォー・ヴェンデッタ」には非常にハマりました・・・。
ウォシャウスキー兄弟の初監督作で、「マトリックス」以前に観て
スゴイ！と思った映画を　観なおしてみました。
独特の世界なので、万人にはオススメできませんが
サスペンス好きの方には是非。

「バウンド」（Bound　1996年）

クライム・サスペンスです。
コーキー（ジーナ・ガーション）は、腕のいい盗みのプロでレズビアン。
マフィアの組織から世話された配管工事と内装の仕事に
赴いたマンション。　隣室には組織のマネー・ロンダリング係の
男（ジョー・パントリアーノ）と、その情婦ヴァイオレット
（ジェニファー・ティリー）が住んでいた。
コーキーとヴァイオレットは　激しく惹かれあい、関係を持つ。　
やがて、ヴァイオレットがコーキーに
組織の金200万ドルを盗んで逃げよう、と持ちかける・・・。

女2人がマフィアを出し抜いて　まんまと金を盗みだせるか？？
どこまでお互いを信用できるのか？？？
ドキドキします。ハラハラして、わー！！と叫びたくなります。

この、マフィアの男達がどうにも凶暴で、ジョー・パントリアーノの
狂気じみた姿も本気で怖いです。
マネー・ロンダリングって、ホントにお札、洗ってるし！！

盗みの腕がいいわりに、ツメの甘い女2人、ホントに大丈夫か？！
・・・すでに何度も見て、結末を知っているのに　手に汗握りました。

この映画、クールで男っぽいジーナ・ガーションと、
色っぽくて甘ったるい声のジェニファー・ティリーという
コンビネーションが抜群。色っぽくてかっこいい。
女同士のラブシーンは生々しくて、ねっとり濃密。
（ジーナ・ガーション、オーウェン・ウィルソンの元彼女です。
あの唇は　アンジェリーナ・ジョリーとはまた違った
セクシーさを醸し出してる！）　

案外単純で素直な男とは違って、心の奥底が読めない、
信用のならない女同士の関係、いつかどっちかが裏切るんじゃないか、
と　観てるこっちもハラハラします。
ほとんどがマンションの隣り合った２部屋でのシーンで、
最後まで緊張の連続のよくできた映画です。

これが初監督作ということですが、ワンショットごとに
コダワリや美学が感じられ、スタイリッシュです。
抑えた色調の中に、ワイン・レッドが印象的。

シックなマンションの壁の色、ネクタイやスーツの色、
タイトなドレスの色、そして、白に映える血の色。

「マトリックス」は思いっきりお金をかけて、
自分のオタク的趣味の世界を思う存分作ることができて
とっても楽しかったんだろうな。
今度はまた、こういう別方向のシュミにはしった映画も
作って欲しいものだ・・・。