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「ガダラの豚」Ⅰ~Ⅲ 中島らも

2006年11月12日 | 読書
前々から読んでみたいと思ってた中島らもさんの長編小説。
文庫でも3冊、という長さに躊躇していたのだけど、
夏の文庫フェアでまとめ買いして、先日ようやく着手。
読み出したら、あっというまに読めてしまった!
私は、全4巻だとばかり思っていて、Ⅲをすごい勢いで読んだら
いきなり終わってしまって 唖然としたんだけど(笑)

「ガダラの豚」(中島らも/集英社文庫)

宗教学者の大生部教授は、アフリカの呪術を主に研究していた。
しかし、今は超能力やオカルト、といった
TVのバラエティ番組で資金稼ぎをする日々。
アフリカでのフィールドワークに家族を帯同した際、
一人娘を気球の事故で失う。それ以来アル中気味。
ある日のTV番組で、超能力青年・清川、超能力暴きを専門とする
マジシャンのミスター・ミラクルと一緒になり、
それが縁で、一行は大生部教授の家族とともに
ケニアの呪術師の村・クミナタトゥを訪れるという
特番の撮影に参加することに。
そこで待ち受けていたものは・・・

あんな事件やこんな事件をモチーフにしたのでは?
と思えるような新興宗教ネタや、オカルトネタ、
サスペンス、アドベンチャー満載で面白い!
読み出したらあっという間です。
後半、あまりにも展開に無理があるんじゃ???と
思うのですが、それはそれ(笑)
あまりにオカルトチック、グロい場面もあるんですが、
アドベンチャー・サスペンス・オカルト・スリラーで
てんこ盛りです。

人間の心理や、呪術と人間、宗教と人間といったことを
じっくり考えながら読むのも興味深いかもしれません。
超能力なんてこの世にはないんだ!と言いながらも、
説明のつかないこと、ってありますよね。
それは 暗示をかけられた人間の心理状態に
いくつもの偶然や必然が重なって起こることなのかもしれませんが。

いつも思うけど、いちばん怖いのは生きてる人間なのかも。

中島らもさん、灘高から大阪芸大に進学したという変わりダネ。
かねてつの”啓蒙かまぼこ新聞”は衝撃的だったなぁ。
朝日新聞の「明るい悩み相談室」も面白かった。
コピーライター・作家・劇作家・落語・ロックバンドと
いろんなことやってはりましたね。
52歳という若さで亡くなられています。
最近では映画「寝ずの番」「お父さんのバックドロップ」
らもさんの原作です。
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2 コメント

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らもさん (☆kino)
2006-11-16 23:37:14
>hiyokoさん
関西人にはけっこう馴染みな人でしたよねー。
むっつりしてて、変人っぽいけど、オモロイ人でした。
ほんと、多才な人でした。
これはどうだろー 男の人の方が好きそうな小説かもしれない。
私もこういうジャンルのはあんまり読まないのだけど
3冊という長さも感じない面白さでしたよ。
後に残るものはないけどね(笑)

開拓おかき 食べてくれたのねー。美味しかったでしょ!
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そうそう、 (hiyoko)
2006-11-13 18:12:51
「明るい悩み相談室」面白かったですよね。
当時何曜日に掲載、ってちゃんと覚えておけばいいのに
覚えてなかったから、毎日夕刊をめくっていたような。
「寝ずの番」も映画見たのに、レビュー書いてなかったなあ。
多才な方だったのに、残念でしたね。
(見た目はちょっと怖かった)
このご本は知らなかったです。
またチェックしてみますね!3冊は長いね。

あ、北海道開拓おかき食べましたよ!
大丸の物産展行ってきました。
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