川崎市の黒川里山アートプロジェクト緑と道の美術展in黒川は、多摩丘陵の里山風景が保全される川崎市西部に位置する黒川地区の里山を会場に展開する展覧会。小田急多摩線・はるひ野駅~黒川駅の間の里山の小路を散策しながら楽しめる。
2016年から始まり今回で7回目。
会期は11月1日~11月30日。
原田理糸。
「いのちの誕生」。
里山の光と空気から生まれる何か。


この場所は黒川海道特別緑地保全地区。
初めてこの場所に来た時には驚いた。なんだろこの細長い川みたいのは?海道って海の道?妄想がワクワクと湧いていた。
ところが、その後ここで日向ぼっこをしていたおじさまから、あんたは山の暮らしも農業もなんにも知らない町育ちなんだなと言われた。かなりムッとした。確かににわかかもしれないけど私だって農作業するんだぞ。
それから調べたり明大黒川農場の収穫祭に行ったついでに先生に確認したりした。
ここは田んぼだった。ここでかつては稲作をしていたのだった。そしてそれはたぶんもしかして縄文あたりからの一番古い形態の稲作。用水路をつくる技術が出てくる前は自然の湧水で稲を育てていたのだ。だから水が湧いて水が流れる方向に水田をつくったのだった。

村田優大。
「月下の交信」。

交信はこれからのようだ。
太陽や月や風や葉っぱや昆虫や小動物や、もしかしたら精霊も来るかもしれない。
どんな交信記録が綴られていくんだろ。楽しみ。


間地紀似子。
「赤い森」。
枯れ枝を拾い集めて森をつくる。秋の森。


酒井信次。
「森と人 '22-11」。



森の中に人がいる。

山里には焚き火の煙が良く似合う。落ち葉や枯れ枝だけから出てくる煙は綺麗に溶け込んでいく。

宮澤泉。
「まるとしかく」。
石で出来ているのに〇との組み合わせは軽やか。



今年も明大黒川農場の収穫祭は中止だ。しかたない。人気あるもん密になる。


セレサモスに到着。

くどうゆうだい。
「わたしはあなた、あなたをなくしたとき。あなたはわたし、わたしはうまれる。」
石を彫る時に要らない部分は捨てる。くどうはそんな当たり前なことに違和感を覚えたらしい。見た目のために捨てられる欠片はどうしたら陽の目を見ることができるのだろうか。


私たちが食べてる米は胚乳部分。それ以外の糠層は精米で取り除かれる。この作品は精米後の米。舟に乗って失われた何かを探す旅をしているように見える。

この展覧会は、小田急多摩線・はるひ野駅からスタートしても黒川駅からスタートしてもいいけど、やはりJAセレサ川崎の中でも最大規模のセレサモス麻生店に寄りたいから黒川駅を終点にする。

秋色になってきた葉っぱをみながら黒川駅へ。



今年も楽しかったな。
