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君は知っているか むしまるソングのことを

その昔NHK教育テレビで放送された子供番組、『むしまるQ』で展開された名曲パロディの数々。

ドシラの歌

2016-08-13 06:52:39 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その5>
ドシラの歌  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/大森俊之  歌/堀江美都子、オカンズ

 元歌はミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の『ドレミの歌』。

 これまでのむしまるソングは、歌のテーマや歌詞のダジャレなどからネタになる曲をさがしていましたが、この曲の場合は『ドレミの歌』のパロディにするために長い名前の生き物をさがす、という逆転の発想で作られています。きっと、オガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシを歌った『じみへん』を作った時に思いついたのでしょう。

 歌われているのは、ドウガネチビマルトゲムシ、シシガシラキクザルガイ、(さかだちした)ローランドゴリラ、ソメワケササクレヤモリ、ファウストハマキチョッキリゾウムシ、ミツユビハナナガハリモグラ、レッサーパンダとレッサービークトホエールです。

 ラが苦しいのはご愛きょうですが、実は原曲でも「ラはソの次の音(La-a note to follow sew)」と大変苦しいピッチングをしております。

 歌の後半では、有名人の名前が次々と歌われます。「ドリス、ドミンゴ シラクにラシク ソフロニツキ ファンファン、ミンミン」です。

 シルエットを確認すると、女優・歌手のドリス・デイ、三大テノールのプラシド・ドミンゴ、フランス元大統領のジャック・シラク、プロレスラーのバロン・フォン・ラシク、ピアニストのヴラディーミル・ソフロニツキー、俳優の岡田真澄(愛称ファンファン)、サンダーバードに登場するミンミンですね。

 あれ?「レ」がない・・・。レッツ・ゴー3匹を出してくれたら最高だったのに。


キミチーター(ボクらはヒョウ)

2016-08-10 06:51:22 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その4>
キミチーター(ボクらはヒョウ)  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/堀井勝美  歌/川村万梨阿

 ひとりぼっちのチーターとヒョウの兄弟が出会い、仲よく遊んでおりました。でも、チーターは木登りができず木から落ちてしまいました。そのとき、兄さんヒョウが言いました。

 「キミチーター ボクらはヒョウ やっぱりそれぞれ いきてくみちが ちがうのさ」「さあいくんだ てきだとかんじるまえに」。

 なんて切ない歌なんだ。むしまるソングの中でも、うるうる度No.1ではないでしょうか。

 元歌はご存じABBAの『チキチータ』(1979年)。心が傷つき悲しみにくれるチキチータ(スペイン語で少女のこと)をやさしく励ます歌ですが、感傷的なメロディが心に響きます。


ち・ぶ・さ

2016-08-06 10:41:58 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その3>
ち・ぶ・さ  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/堀井勝美  歌/MISUMI

 MISUMIさん、『カエルのへそのお』に続いて2度目の登場です。前回はおしゃれなスイング・ナンバーでしたが、今回はとってもパワフルなブルース・ロック。こういう曲を歌うと、MISUMIさんの歌声はまさしく和製ジャニス・ジョプリンですね。こんな迫力のある女性ボーカリストが日本にいたなんて、知らなかった。

 歌の内容は、「あの獰猛なライオンや豹でさえ、幼いころはあどけない乳飲み子だった」と哺乳類の母子関係について歌っています。おそらく、母ライオンや母豹の母性を表現できる、強くてしかも女性らしいボーカルを中心にした曲作りを模索する中で、ジャニス=MISUMI路線を思いついたのでしょう。

 曲調も、いかにもジャニス・ジョプリンが歌いそうな感じですが、直接の元歌は特定できません。MISUMIさんのジャニス・ジョプリン・ボイスを心ゆくまで堪能して下さい、ということではないでしょうか。

 イントロのギターリフは『ジャニスの祈り』(1971年)にインスパイアされたものだと思われますが、もし『ジャニスの祈り』のパロディに特化するならギター、ボーカル、ベースのユニゾンというユニークなアレンジは外してないでしょうから。


<番外編>またムーンチャイルドに恋してる

2016-08-03 06:47:31 | むしまるQゴールド 2003年度

 むしまるQの『ウーパークイーンの宮殿』は、キングクリムゾンの『ムーンチャイルド』の歌詞を媒介としてアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』のパロディに仕立てていますが、『ムーンチャイルド』のメロディ自体は使っていません。

 でも、この曲の特にAメロは、一度聴いたら忘れられない印象的な旋律なのです。歌詞の冒頭"Call her moonchild Dancing in the shallows of a river" のところは、主音から3度上の音を挟んでオクターブ上の主音に飛ぶ、静かなバラードには珍しい大胆な展開となっているのですが、これが本当にハッとするほど美しい。

 なんて繊細で大胆で、新鮮な旋律だろう。このメロディに恋してしまった人がいても不思議ではありません。その方の名前は森正明さん。ビリー・バンバンのバンド・メンバーで、『また君に恋してる』の作曲家です。

 ビリー・バンバンの歌でも、坂本冬美さんのカバーでもヒットしたこの曲のサビの部分「また君に恋してる いままでよりも深く まだ君を好きになれる 心から」のところの旋律は、きっと『ムーンチャイルド』にインスパイアされたものだと思います(まあ、当然ながらご本人は何もおっしゃっていませんが)。

 「山谷を乗りこえはぐくんだ君への愛を、静かにそして力強く確かめている」といった内容の歌詞に合うメロディーはこれしかないと思えるほど、ピッタリとマッチしています。やっぱり、これも名曲ですね。