ディープ・パープルは、ストーンズやツェッペリンに比べると二流のバンドだとか、なんとなくダサいといった評判が聞かれます。そしてその理由として、「ディープ・パープルは歌詞がバカっぽい」と言われることがよくあります。これに対して、「いや、そもそもロック・ミュージックなんて、どれもそんなもの。英語なのでわからないだけで、下らない歌詞の曲ばかり」という反論もあります。
どちらの言い分が正しいか、ちょっと検証してみようということで、20年ぶりに王様と女王様のCDを引っ張り出して聞いてみました。王様はディープ・パープルの歌詞を日本語に直訳した『深紫伝説』(1995)がスマッシュ・ヒットとなり、その後も『鉛の飛行船伝説』『転石伝説』といった直訳ロックで一世を風靡しました。また、友人のパッパラー河合は女王様名義で、クイーンの直訳ロック・メドレーである『女王様物語』などを手がけました。
これらを久しぶりに聞いた感想は・・・。やっぱりディープ・パープルはバカっぽい!
ストーンズやツェッペリンは、王様の日本語直訳では何か変に聞こえますが、いろいろと思わせぶりな比喩的な表現を入れたりしています。クイーンは、歌詞にストーリーを盛り込んだ曲が多いような感じです。これに対してわがディープ・パープルは、見たまま、思ったままをストレートに歌うだけ。それはそれで好感が持てるのですが、何しろ曲のテーマというか歌っている内容が、ティーンエイジャーというか中坊の頭の中そのまま、みたいな歌詞が多いような気がします。
例えば『スモーク・オン・ザ・ウォーター』は、「ジュネーブ湖畔のモントレーにレコード作りに行ったら、フランク・ザッパとマザーズがライブやってて、アホな観客が銃を撃ったんで火事になって、空に火が上がって湖に煙がすっげえ広がってた」。『バーン』は、「火事になって町中燃えてたんだけど、そん時女が叫んでるのが聞こえて、そんなバカな、嘘だろ、と思ったんだけど、「燃えろー!」って言ってたんだぜ」。まるで休み時間の中学生の会話です。『ハイウェイ・スター』は、「俺の車には誰も勝てないぜ、タイヤも太いし、すごいスピードの殺人マシンだ!俺はハイウェイの星だ!」。卒業した先輩がカッコつけて後輩に自慢話をしているみたい。
でも、そんなバカっぽいところも含めてディープ・パープルはカッコいい。当時リアル中坊だった私には今でも憧れの存在です。
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