『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2024/7/28)

2024-08-02 18:14:44 | 日記

ウルトラマンニュージェネレーションスターズ

第21話「力を持つということ」は、最終回一つ前ってだけあって、これまで以上の重みを感じるストーリー展開になっていましたね。

エディオムから語られた、様々な次元で起きた、人の手には過ぎた力の悪用や悪意を抱く存在の暴走にショックを受けたユカ隊員の精神は、そう簡単に回復してくれない。いくら、ハルキに負けないくらい、ポジティブな所のあるユカ隊員でも、ウルトメイトゼロの事があるだけに、自分が間違いを犯そうとしていたショックは大きいんだろう。

そのタイミングで、イグニスが暢気に帰ってくるってのが、これまたオツですね。ユカ隊員の心が重症だ、と判断した理由が、自分が各地で蒐集してきたお宝を見せても、テンションが上がらないからってのは、トレジャーハンターのイグニスらしいな。セブンガーに度を越した強化をしようとしていた自分は、セレブロと同じなんじゃ、と自嘲するユカ隊員に、表情を曇らせてしまうイグニス。

浅学な私は知らなかったが、どうやら、イグニスはセレブロと一戦交えていたらしい。まさか、ハルキがセレブロに寄生されていたとは・・・けど、同じウルトラマンであるケンゴからの呼びかけを受けたってのも大きいにしろ、気合の入った「チェストー」でセレブロからの支配を吹っ飛ばすあたり、やっぱ、ハルキのメンタルはモンスター級らしい。ウルトラマンゼット、ウルトラマントリガー、そして、トリガーダークvsデストルドス&イーヴィルトリガーの戦いは、編集された状態であっても、相当、興奮させてもらいました。ウルトラマン同士が協力して、巨大かつ強大な力を揮ってくる敵に立ち向かう、この展開はベタだからこそ最高。イーヴィルトリガーを三人のウルトラマンが必殺技を同時に撃って倒すってラストも激熱だったな。

その時の戦いを聞かされても、まだ気分が晴れないユカ隊員を見かねて、ついに、イグニスは自分の黒歴史を語り出す。セブンガーを強化するってのは、元々、ユカ隊員自身の仕事とはいえ、エディオムをここに連れてきたのは自分なので、ユカ隊員が落ち込んだのには自分にも責任があるって考えたんだろうな。ヒュドラムとの最終決戦時にも明らかになっているけど、何だかんだで、イグニスはニヒルだけど、邪悪には徹しきれないタイプ。仲間の敵討ちを果たすために邁進しながらも、最後の最後で非情に徹しきれず、地球で築いた縁も切れない。でも、その迷ってしまう優しさがあったからこそ、ケンゴたちとの絆は本物であり、ヒュドラムを討つに相応しい強さも手に入った。結局のところ、力はただの力。大事なのは、その力を使う人間の心。失敗から学び、そうならないように気をつける意志があれば大丈夫、とは無責任に言う事は出来ないが、少なくとも、意識しないよりはマシだ。

 

爆上戦隊ブンブンジャー

バクアゲ22「炎の獅子奮迅」は、ブンブンジャーに新たな仲間が加わるストーリー展開になっていて、激熱でしたね。

前回の依頼がキッカケで、恩人である内藤に、自分がブンレッドである、と知られた大也。もちろん、内藤は、その事実を使って、大也を自分に都合の良い手駒にしようとするクズではない。そんな腐った大人だったら、大也が慕うはずがない。内藤から大也が受けた新たな依頼、それは、内藤の甥っ子である千二に大量の花火を届ける、というものだった。ぶっちゃけ、大也に頼むような事じゃない、秘書にでもやらせろよ、と思わんでもないけど、大也は嫌な顔一つせず、依頼を引き受ける。さすが、大也、器がデカい!!

叔父が花火を大也に届けさせようとしているとは露知らぬ千二は、友達とキャンプを楽しもうとしていた。でも、楽しい夏の一時を邪魔する無粋な輩がやってきた。今回、イターシャが生み出したのは、テントグルマー。一体、どんな能力持ちなのかな、と思ったら、子供らをテントに閉じ込めるとは・・・殺傷力は低いにしろ、恐怖でギャーソリンを搾取するのなら、十分に効果的だ。友達たちを助けるべく、単身で、その場からの離脱を図った千二だが、ぽっちゃり体型であるからか、簡単に追い付かれてしまう。窮地に陥った千二を助けてくれたのは、たまたま、近くで野宿をしていた先斗だったけど、彼も彼で、大也と千二を救おうとして、テントへ閉じ込められてしまう。

千二を連れて町に向かう道中で、大也が彼に告げた、大人は子供の笑顔が一番、大事って台詞は、正にヒーローのそれだな、と感じました。そんな二人が町に辿り着けた安堵に胸を撫で下ろす間もなく、キャノンボーグが、またしても、クズっぷりを発揮しやがった。人質を使うってのは、ある意味、悪役らしいっちゃらしいが。テントグルマーと対峙する大也だが、そこへ颯爽と駆け付けたのが、先斗。自力でテントから脱出するとは、さすがの一言。レッドとバイオレットの息の合ったコンビネーション、そして、119へのパワーアップで、テントグルマーを撃破するくだりは、実に興奮した。

けど、その興奮を上回ったのが、テントグルマーが巨大化してからの展開。燃え盛るビルに閉じ込められた人質を救うべく、レッド119が乗り込んだのは、新たに開発されたブンブン消防車。やっぱり、乗り物モチーフの戦隊ヒーローに消防車タイプのメカが出てくると、年甲斐もなく、テンションが高まる。しかも、その消防車が変形して、ライオンになったら、そりゃ、バクアゲするなって方が無理。心強い味方を得たブンブンジャーの活躍と激闘が、これから、ますます楽しみだわ。あと、ブンブルー007はさておき、ブンブラック110は普通に本編で見たい。

 

仮面ライダーガッチャード

第46話「黒き占星、黒鉄の宣誓」は、最終回も近づきつつあることで、話のシリアスさが増してきたなぁ、と自然に身が引き締まるストーリー展開になっていましたね。

今更、言う事でもありませんが、ほんと、この町、民度が低すぎませんかね。『仮面ライダーW』の舞台になっている風都も悪人が蔓延っちゃいましたけど、この町も負けてませんわ。ガエリヤの錬金術で書き換えられていた、ケミーやマルガムに対する記憶が復活させられたってのは大きいんでしょうけど、まさか、この一件を世に詳らかにしようとする、人の迷惑を顧みない配信者や、自分の欲を満たすためにケミーを手に入れようとする輩までいるとは・・・

人間の本質は「悪」と断じるつもりはないが、一度、人を超える力を手に入れてしまった者は、そう簡単に、その魅力に抗えなくなるってのは事実だ。かつて、クロトーによってゴリラマルガムに変貌させられた剛力が、ガエリヤによって脱獄させられ、再び、ゴリラマルガムになり、ガッチャードにリベンジマッチを挑んできました。剛力の場合は、まぁ、ある意味、自分の強さをガッチャードに勝つ事で証明したいって感じですから理解も出来ますけど、ポイゾナスマッシュルームマルガムに変わり果てたヤクザは、ただただ、力に溺れてましたね。

ニジゴンの最強性は、ケミーが100体揃っていないと発揮されないって弱点も、今回、明らかになりました。これは、エグゼイドがパラドがいないとハイパームテキになれないのと同じ理屈でしょうか。レインボーガッチャードに変身できずとも諦めない宝太郎はプラチナガッチャードの状態でニジゴンの能力を発動させ、二体のマルガムを見事に撃破しました。やはり、宝太郎の戦闘センスは激闘を潜り抜けてきた事で、より強化されているようです。

仮面ライダーとして皆の前で戦った事で、少しはイメージを良く出来たんじゃないだろうか、と期待する宝太郎たち。けど、鏡花を一般人に傷付けられ、その上、子供からホッパー1を模したぬいぐるみを奪うほど、ケミーの力を渇望する一般人の穢れた部分を目の当たりにしたスパナは、仲間たちから恨まれるのも承知で、強硬策を断行しようとしてますね。宝太郎とスパナが出会った時から、いつか、この二人は信念の差異から、本気でぶつかるだろう、と予想していましたが、ついに、その時が来たんでしょう。皆、仲良くしよう、は確かに大事ですけど、男として生まれた以上、自分の信念を貫き通したかったら、ライバルと殴り合わなきゃな。果たして、宝太郎の「理想」とスパナの「現実」、どちらが勝るかな?


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