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OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(14)

2020-05-18 17:53:11 | 恒星
これまで、コルキットスピカ[1-2]とデジタルカメラ(OLYMPUS E-PM2)を用いて、都内から肉眼で見える天体を中心に観察を行ってきた[3-4]。
今回は、目視に頼らずにコルキットスピカの視野に天体を導入することを目的に、ポーラメーター[12]を用いた北極星[4]の導入、観察を試みた。
ここでは、その試行結果について記す。

(1)ポーラーメーターの機能確認
ポーラメーターは、コンパス[7]の機能と、傾斜目盛りと水準器[13]の機能を合わせ持っており、カメラのホットシュー[14]に取り付けが可能である。
ポーラーメーターをカメラに取り付けると、前記の機能により、カメラの向きを天の北極方向[6]に向けることができる。
まず、ポーラーメーターの機能確認のために、市販のコンパスと磁針の方向を比較確認した。


ポーラーメーターと市販コンパスとの磁針方向比較
※ポーラーメーターと市販コンパスの磁針の方向は一致した。

(2)都内の磁気偏角と緯度
磁針の指す磁北[8]と真北とは角度が異なり、その差分は磁気偏角[9]といわれる。
磁気偏角は、国土地理院のホームページから予測値を計算でき[10-11]、都内では西偏7~8度となる。
また、都内の緯度は、同様に国土地理院のホームページから、北緯36度とわかる。
前記の磁気偏角と緯度の値をポーラーメーターに設定し、ポーラーメータを取り付けたカメラ(コルキットスピカ搭載)を極軸方向に向けた。
正しく設定できていれば、北極星がカメラの視野に入るはずである。


ポーラメーターを用いた北極星の導入の様子

(3)北極星の観察
上記の設定の結果、ポーラーメーターを使用することだけで、北極星をカメラ(倍率:30倍)の視野内に入れることができた。
さらに、ポルタ経緯台の微動ハンドルでカメラの方向を微調整することで、北極星を視野の中心に導入することができた。


2020-05-17 22:17 北極星[5]
OLYMPUS E-PM2, コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO400, 420mm, F10.5, 60 sec, MF, 電球色
※60secの露出で星が流れず撮影できた。


2020-05-17 22:17~22:21 北極星[5]
上記と同条件で撮影した4枚の画像をImageMagickで比較明合成した。
※4分間の露出では、北極星(天の北極より0.7°ずれている[5])が動くことが確認できた。

(4)まとめ
ポーラーメーターを用いて、目視に頼らず望遠鏡(コルキットスピカ)の視野に北極星を導入することを試みた。
都内の地磁気の偏角や緯度情報を予め調べておき、ポーラーメーターに設定することで、容易に北極星を望遠鏡(倍率30倍)の視野内に導入できた。
また、自動追尾なしで北極星を観察することができた。
今後は、天体の自動導入や追尾のための手法や機器などについて検討したい。

参考文献:
(1)コルキットスピカ
(2)コルキットの楽しみ方
(3)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影-goo blog
(4)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(13)-goo blog
(5)北極星-Wikipedia
(6)天の北極-Wikipedia
(7)方位磁針-Wikipedia
(8)北磁極-Wikipedia
(9)磁気偏角-Wikipedia
(10)国土地理院
(11)地磁気値(予測値)を求める
(12)Vixen ポータブル赤道儀 ポーラメーター
(13)水準器-Wikipedia
(14)アクセサリーシュー-Wikipedia

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