センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

第5問 解答解説(現代世界の諸問題)

2007-01-27 | 07地理B
問1【 25 】②
① バングラデシュ。合計特殊出生率TFRが現在も2.1以上であり、人口爆発が続いている。他の3国よりも、人口の自然増加率が高い。中国、インドが過剰な人口を低賃金労働力とする工業化に一応成功したが、それをバングラデシュは成功モデルとしている。
② タイ。日本・米国などからの経済投資が続いて、外資主体の経済発展が続いた。TFRは下がり続けている。
③ 中国。1970年代に人口増加を否定するようになり、1799年からひとりっ子政策が導入された。1970年代の低下が著しい。高齢化社会が近づき、その対策として、ひとりっ子政策が緩和されている。
④ 日本。1960年にはすでにTFRが2.0を下回り、将来の人口減少が指摘されていた。2005年には人口が3万人減少した。50年後には1億人以下になる。少子高齢化時代では、社会の活性が失われる。高齢者の医療・年金・扶養などの問題が大きくなる。
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【教科書】p239:中国は住宅・失業・食料問題などを国家的人口政策で解決しようとして、ひとりっ子政策を導入した。
【ワーク】124p:1.合計特殊出生率(TFR)の国別比較一覧。日本の合計特殊出生率が長期間、異常に低い。
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問2【 26 】③
高位B:最貧地域では児童の就労割合が高い。サハラ以南アフリカ。児童に定職・定収入はなく、その日、その場しのぎの仕事である。
低位C:日本・米国など、先進地域では児童は就労しない。学校教育を受けている。
中位A:ブラジル・インドなど、経済の発展中の国。貧富の差が拡大し、貧困層の児童は、家族を養う労働力として重要である。
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【教科書】289p:農村からあふれ出た人口は、都市のインフォーマルセクターで働き、学校教育を受けることのできないストリートチルドレンの存在が深刻な問題である。
【ワーク】125p:問題2.5歳未満の死亡率はサハラ以南アフリカで高い。児童の就業割合の高いのもサハラ以南アフリカである。
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問3【 27 】③
(K)エジプト。アフリカの先進国である。男女間の識字率に差があるのは、イスラム教による女性差別が多少残っているためである。
(L)インド。工業化が急速に進んでいるが、その恩恵を受ける富裕層と、恩恵を受けない貧困層の格差拡大が大きな問題である。貧困層の女性の識字率が低い。
(M)ベトナム。識字率が高くて低賃金の国であり、外国資本が進出しやすい。フランス植民地時代に、ベトナム語の文字がアルファベット表記になった。覚えやすいので、識字率が高い。
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【教科書】255p:図2.1人当たりGDPの階級区分を変えると、発展途上国の中でも大きな差のあることが分かる。エジプトや南アメリカが、インドよりも1人当たりGDPが高い。


【ワーク】82p:1.インドの人口。工業化の進展とともに、人口増加率が低下している。
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問4【 28 】⑥
(ア)ラテンアメリカ。農業人口が20%以下の国、供給栄養量が2500Kcal以上の国が多い。商業的農業が中心と考えられる。
(イ)アジア。農業人口の平均が60%である。農業人口が60%以上の農業国では、供給栄養量が2500Kcal以下である。自給的な農業国である。
その一方で、農業人口が20%程度で、供給栄養量の高い国もあり、商業的農業の国もあると考えられる。
(ウ)アフリカ。農業人口率が5~95%まで分散している。アフリカでは植民地時代の政策次第で、農業の事情が全く異なっている。
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【教科書】212p:中南アフリカでは、植民地時代に宗主国の利益を中心にして開発が進められた。そのため、農業では自給的農業が衰退してプランテーション農業が発達した。
【ワーク】29p:問題1.農業就業人口率。アジアでは、全体的に農業人口率が高い。
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問5【 29 】①
①× ラテンアメリカからの移住が誤り。1970年に白豪主義が撤廃された時、流入してきたのは、ベトナム戦争にともなうベトナム難民であった。その後は、新天地を求めるマレー人・インド人が流入した。
②○ シンガポールは中国人華人を中心とする多民族国家である。イギリス植民地時代から英語が使われていた。また、シンガポールが国際金融業の国家として発展していくために、英語が不可欠である。
③○ フランスでは大学進学のために、本国・海外県(植民地)ともにバカロレアを受験しなくてはならない。バカロレアは日本のセンター試験に相当。
④○ 南アフリカでは1991年に人種隔離政策アパルトヘイトが撤廃されてから、白人の社会進出が目立つようになった。重要産業は表面上は黒人経営、実質は白人支配の形が残っている。
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【教科書】188p:オーストラリアは白人だけの社会を維持しようとする白豪主義は、1970年に撤廃された。現在では、移民の人種や出身国を問わず、また難民も積極的に受け入れている。アジア諸国からの移民が増え、1990年以降、移民総数の20%以上になった。
【ワーク】118p:4.多文化主義社会。アジア系移民50万人はオーストラリアの低賃金労働者。
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問6【 30 】①
① 日本。1995年には第1位であったが、国内経済低迷のため、大幅に減額した。
② イギリス。旧植民地の利権維持のため、GNI比率が高く、0.42%。
③ アメリカ。比率が低く、GNI総額が高い。経済大国アメリカである。
④ フランス。植民地の利権維持のため、GNI比率が高く、0.36%。
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【教科書】316p:5図.ODAの国別支出額。6図.ODAの受取額。
【ワーク】ない。しかし、GNIに対するODAの割合%から、GNIを計算する方法がある。
計算は(ODA÷GNI)×100=割合%から、GNIを求める。
① 日本のGNIを単位をそろえて計算すると、1995年には517であったが、2004年には466になり、経済成長がマイナスであり、国力が急速に衰退したことが分かる。失われた10年といわれる。
② 152から201に増加。イギリス。
③ 736から1187に増加。アメリカ。
④ 112から217に増加。フランス。
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