名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

昼食15分問題

2017-08-03 18:45:50 | 教育に関する私論
横浜の学校の昼食時間が15分だということで、色々議論になってますね。

NHKによれば

昼食15分で食べられますか?
いま、ネット上で注目を集めているのが中学校での昼食時間の短さ。7月、横浜市の中学校で時間が15分しかないという投稿に対して、「短すぎる!」「食べきれない!」「ほかの地域でもそうだ」など書き込みが相次いだのです。これを見た記者の私たちも「自分の時はどうだったっけ?」「昼食時間を削らなければいけないようなことが学校で起きているの?」「俺は早食いだったよ」などたちまち話は盛り上がり、ならば真相を確かめようと取材を始めました。(後略)
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170802/k10011085231000.html?utm_int=all_side_ranking-access_002より引用)



昼食を食べる時間が15分であることが妥当であるかどうかはひとまずおいておくとして

中学校の昼食時間が実質15分程度であると言うことは、たぶん全国どこでも同じであると思います。

今回話題に上がっているのは、横浜市立の学校で、給食では無く弁当の学校のようですが

給食制の学校だって、一緒ですよ。



自分の勤務する学校は、一般的な、給食センターからの配送による給食を採用していますが

給食の時間は40分です。

4時間目の終了を告げるチャイムがなると

机を動かして、日直が配膳台を用意し、給食当番はエプロンを着用し配膳し、みんなで手を洗い……ということをやるわけです。

自分の経験則ですが、中1で4時間目終了のチャイムから15分後にいただきますができていれば、それはかなり仕上がっている学級だと思います。

15分以上20分未満、給食準備に要するのが標準かな、というのが自分の感覚です。

皆さんも、自分が中学生だったときの記憶を呼び戻してみてください。

所定の場所に給食当番が行き、食缶やら皿・椀やらを受け取り、教室に運び、盛り付け、各生徒の机に運び……

どのくらいかかってましたか?今思い出してみると、どのくらいかかるのが妥当だと思える作業ですか?

で、片付けですが、まーこれも急いで5分程度でしょうか。

すなわち、40分の給食の時間のうち、生徒たちがだらだら過ごさなかったとしても、半分は準備・片付けに要すると思われます。

当然ですが、4時間目が終わってから少し気が抜けた雰囲気が作られたり、または音楽室等の移動を伴う教室で4時間目の授業が行われていれば、準備の所要時間は当然大きくなります。

その場合は、40分のうち、25分から30分程度が、準備・片付けに要されるでしょう。

というわけで、実質、食べる時間は、優秀な学級で20分、標準で15分、生徒がだらだらしたり、何かアクシデント等があれば10分以下というところでしょうか。



で、以下は自分の私見ですが

まー、異常だと思います。

午前中、4時間も授業を受けさせられた後に、一息つくまもなく機敏に配膳することを求められ

短時間に昼食を食べろと言われ

できるだけ残すな、たくさん食べて大きくなれ、嫌いなものも頑張って食べろと追加の要求もされ

さらに時間を守ることは大切だからチャイムが鳴るまでに食べきって片付けろと言われ……

ちなみに、私は今中1の担任をしているのですが

この短時間に、これだけの要求は中1の生徒にとっては過大だろうと判断し

「給食を残す(減らす)」ことに対して、かなり寛容な指導をしていたら

ベテランの先生に

「先生は食べ残しに対して甘すぎる。これでは食べ物に対するありがたみの心が育たない」

と言われ、揉めたことがあります。

「食べ物よりもまず子どもの体の心配したらどうですか?こんな短時間に、まだ中1で体も小さい子もいるのに、はやく食べろそして残すなって無理あるでしょう。」

と、言いかけましたがやめました。

本音を隠し「すみません指導の仕方を再検討します」で逃げました。

ちなみにこれについては後悔しています。

はっきりと自分の意見を言うべきでした。



どのくらいが妥当ですかね?

自分としては、あと20分あれば……ってところ。

準備・食べる・片付けすべてまとめて60分。

じゃあこの20分をどこで捻出しましょうかね?

登校を20分早める?

非現実的でしょう。

授業を短くする?

それをやるなら、学習指導要領を大きく変更(内容を削減)する必要があるでしょうね。

個人的には、部活減らせば良いじゃんって思ってますけどね。

ただ、中には部活大好き先生もいらっしゃいますから、教師が内部からこれを変更することはまず無理でしょう。

ですから、私としては、今回のようにメディアに取り上げられ、社会レベルで議論されることは、とても良いことだと思います。

是非是非皆様、意見を発信してください。


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