チベットでは店を持たない行商人がたくさんいる。
日本でいう露店商だ。
時にはチベット人が集まる集合的な露店(小規模の骨董市のような場所)であったり、
街角であったりする。
街角の場合は、大抵が繁華街、といっても街によっては小規模の繁華街の一画に
台や敷物、机を勝手に置き、売買している。
一人だけでやっている場合は少なく、何人かが集まっている場合が多い。
毎回見かける顔もあれば、地方から出て来て売っている人もいる。
売っている物は装飾品や法具などの小物が多く、偽物ももちろんある。
地方から出て来た人の露店は偽物が少なく、土着の珍しい物があったりもする。
はっきり言ってしまうと、それらの露店商の物で光る物を探すのは困難だ。
なぜなら、チベットで古い物を地元の業者が仕入れる時、彼らは一般の地元民からも
買い上げているのだが、お金もあり、店を持つ業者は、一般人にも人づてに噂になっているので、
一般人が自分の家の古い物を売りたい時は、まずはその店に行く。
これは日本でもネパールでも共通した事だと思うが、まずはお店に売りに行く。
やり手の露店商を除き、個人でひっそりとやっている露店商は、仕入れのルートと資金力が限られるので、
あまり良い物は少ないのだ。
例外的に中国圏のチベット族が集まる街では、露店商でも集団でいる場所であれば、
店を持っていなくても、一般人との取引ルートを持っているようで新たに仕入れた商品が頻繁に出ていたりする。
チベットの各地から行商人が、そこの露店商が集まる場所にはるばる売りにやってくるので、
業者同士の取引も頻繁に目にする事があるので、品物が回転しているのだろう。
そもそも、そこは露店商といえど、毎日同じ場所で売買するので、店舗のような感じになってはいる。
しかし、ひっそりとやっている露店商だが、
中には、珍しい物が時にはあるのも事実だ。
店を持つ業者が目もくれないガラクタを扱っていたりもするので、
個人的は必ず目を通すようにしている。
ガラクタこそが見方を変えると美しいモノであったりする場合もあるからだ。
そんな彼らを見ていると、日本の寅さんを思い出す。
各地を行商でまわり、フーテンをしているので、
場所も時代も違うが、同じような生き方かもしれない。
あ、もしかしたら俺もそうかもしれないな。
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