
物をいつ、どう買えば良いかと言う話題です。
「お前ごときが言うな」と言われそうです。
しかし少し前にも書きましたが、
僕は「チベットの古い物に関してだけ」は、
日本では「かなり買う人」の部類だと思います。
バイヤー(ディーラー)だからです。
販売者と思われがちですが、
実際には、
僕自身が日本屈指(ニッチな市場)の購入者の一人とも言えるでしょう。
もちろん世界には僕より買う人が
沢山居るとは思っておりますが。
そして、
僕は新しい価値と出逢う事に重点を置いています。
それを「共感してもらえる事」を大切にしてます。
儲かるかどうかの優先度は、低いです。
プロとして絶望的なほど、低いです。
まだ見ぬ価値観を求めていて、
美しいモノを
個人的に良いと思える価格とタイミングで
手に入れたい考えております。
それを適正かつ、
喜んで貰えるように買い手に届けたいです。
個人的な経験を書きます。
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本題です。
僕は安く良い物を買いたい派です。
カリスマ系キャバ嬢のように、何がしかの理由で
「他人から羨ましがられる高い物を買いたい人」も居るでしょうが、
僕は違います。
安く良い物を手に入れたいです。
(安さや良さの感覚は個々の価値観次第ですが)
しかし、みんなが欲しがる時期には値段は高いのが、世の常です。
例を少し挙げます。
個人的に購入してる物です。
お洋服や私物です。
僕はイタリアのブランドのBergfabelを好きですが、
数年前には高すぎて買えませんでした。
新品ジャケットで13万円くらいはしました。今はもっと高いかもしれません。
そこで少し待ちました。
流行に左右されるデザインでないので、
安くなるタイミングを待ちました。
で、最近、買っております。
探せば2万円位で見つけられます。
中には1万円以下でもあります。

bergfabelの白のウールのジャケット。
手作りこだわりのアルチザン系です。
デザイナーの物作りの背景にも惹かれました。
チロル地方の素朴な地で生み出され、
オーダーを受けると涙を流して喜ぶ、
という作り手の人柄のエピソードも震えます。
とは言え、
白のジャケットに13万円も出せないが、2万円以下ならアリです。
同ブランドの黒も愛用しております。
cosmic wonderも好きです。
昔は「えらい高いデニムだな」としか思ってませんでしたが、
最近は日本の伝統や文化的な衣を造っていて好きになりました。
Rick Owensの世界観も好きですが、高すぎて買えません。
奥さんは美しい個性がある人です。
どの業界でも同じかもしれませんが、
同じ販売者や作り手や歌い手など
世に送り出す側が、
「自分が好まない物を出す時と、
すごく良い物を生み出す(提供する)時がある」気がします。
自分が良いと思えるタイミングを逃さないのも、
大切かもしれません。




日本の野良着とかです。
藍染で刺し子の襤褸です。
昔から少しずつ集めております。
日本でも年配の方々に古くから愛されてます。
20年前以上はそれほど高くはなかったと聞きます。
昔から欧米でも人気ですが、
5、6年前だったかな、一気に高騰しました。
ちょっとした刺し子の野良着でも5万円しました。
10万円を越えるのも当たり前でした。
僕はその時期には買ってませんでした。
あまりにも値段が急騰したのでブームと感じたからです。
買い時ではないと判断しました。
話はそれますが、
チベタンアンバー(琥珀)が急騰した時にも、
僕は買ってませんでした。
お約束の中国人市場で、
突然高騰し、直角に落ちると判断したからです。
話を戻すと、
日本の野良着や襤褸ですが、
今でも高額な値段だったりしますが、
工夫して探せば、
良い物を現実的と思える価格で手に入れられます。
僕は東北の業者さんから購入する時が多いです。
値段は、相場よりちょっと高いです。
しかし、色々な所から買ったり見たりしましたが、
実際に手に取り、
「比べてみると、彼の物は良い」のです。
東北出の彼には説得力もあります。
父親も古くからの藍染業者さんで、
物語もあります。
他のネット仕入と思える業者さんからは、
僕は余程でないとお金を払いません。
藍染の襤褸や野良着を探しに、
自分が出店していない骨董市に僕が居ると、
「仕入れですか?」と聞かれたりしますが、
僕の買付は海外100%であり、
個人的なお買い物をしているだけです。
襤褸は最近は、以前より増して外国人が買い求めているのを目にします。
値段も上がっている印象です。
今後の値段と需要はまた上がりそうです。

チベット仏像です。
2021年製です。
4年前の物です。
突出した特別さはありませんが、
完成度の高い、美しいチベット仏像です。
腕の良い職人が造ったのでしょう。
一方で、19世紀とかの本物の古い仏像とも、
現地の裏取引で出会いますが、
余裕で100万円や200万円以上を越える金額です。
現代物の仏像にしても、
多くは鍍金される金(ゴールド)が激薄です。
金ですらない中国物も目にします。
金の価格が急騰しているからです。
伝統製法である水銀を用いた製法も、
現地の職人組合が訴えている健康被害を考慮して、
職人が減っています。
そこで僕は、数年前の出来の良い仏像を買っています。
もちろん私物用としてです。
僕が買うのは、
仏師と直接契約している仏具屋経由なので、
値段も適正と思える金額です。
長い年月や物語を持つ古い仏像は、
確かに素晴らしいですが、
現実的に今の僕では何百万円も出せません。
そこで、4、5年前の物を探して手にいれました。
もちろん、
それより古い数十年前単位の仏像も探しております。
写真の仏像は、
顔も造りもモチーフも良いと思えますし、
金も良い厚みです。
青いビーズもガラスではないイラン産ターコイズの天然石を用いてます。
良いチベット仏像と思います。
自分の棚に飾っています。
あと96年経てばアンティークでもあります。
僕はアンティークバイヤーでありながら、
新しい仏像も買っていて、
矛盾していると怒られそうですが、
個人的には良い買い物をしたと思っております。
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チベットの古い物に関しては、
渡航時には数多くの店を訪れて、
毎日探し求めてます。
遊んでいると思われがちですが、
結構忙しかったりします。
店など以外でも、
遊牧民や地方の人が売りにタイミングを待ったりします。
彼ら彼女らが来る場所は既に知っております。
が、いつ誰がどんな物を持って来るかは分かりません。
誰も知りません。
そこで近隣などにコネクションを持つ人々(一般人)に
僕は、予め話を通しておきます。
もし出会った時にはすかさず話しかけ、
持ち物を誰よりも早く目にする事を心掛けてます。
日本に居る時でも、
現地の友人たちなどと連絡を取り合い、
情報や動向をチェックしてます。
現地業者達から物の写真が送ってくるのはもちろん、
「これ、どー思う?値段は〇〇なんだけど」など
現地の友人が仕入れるかどうか考えてる物とかの連絡も来ます。
実は、裏で色々動いています。
仕事なので当然ですが、
運に任せた、
行き当たりバッタリだけの買付でもないのです。
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大多数が欲しがる時、
購入者の需要が多い時、
その対象の値段は高くなります。
それが常識です。
ダイナミック・プライシングってやつですかね。
それは航空券もだいぶ前から行われています。
常識です。
僕はVPNを使ったりデバイスを変えたりして安く買っています。
色々な方法を使っております。
ホテルや宿もキャンペーンや長期滞在割引を使います。
オーナーやマネージャーなど決裁権のある人間と直接交渉もします。
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偉そうな事を言ってますが、
僕自身、アウトドア用品とかで、
もろくそ失敗をしたりします。
販売促進の情報を見すぎてね。
一方で、アメリカにはガチ系のマニアが、
忖度なしのレヴューをしているので、
その動画やサイトも見ています。
安く良い物がある時がある店にも
足を運びます。
円安が常態化した現在、
「今が一番安い時期」と思える事も多いです。
輸入アウトドア用品でもそれは顕著です。
「4年前はセールで5000円で買えたのに..」
と思えるアイスブレーカーも、
今ではアウトレットでも9000円位します。
僕にはTシャツに9000円も出せません。
正直、品質は以前と変わりません。
生産コストの向上や為替などで高くなりました。
旅で着るし長持ちもするので、
安い時期にもっと買っておけば良かったです。
チベットの古い物に関しては、
今まで数えきれない回数、
買い逃した事もあります。
「あー、あの時に買っていれば..」と
後悔してももう遅いです。
次に出会う時は、
すごく高くなってたりします。
再び出会えない場合すらあります。
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薄い紹介をしましたが結論です。
洋服などを例に出しましたが、
手に入れたいと思った対象が、
「その時に、自分にとって現実的な価格」の場合、
買える時、
出会った時に、
欲しい物は、
もし買える範囲ならば「その時に買った方が良い」と思うのです。
逆に、客観的に考えて既に高騰しすぎたと思える物、
値段の頂上であると思える物は
今買う必要は基本的には無いと思うのです。
てっぺんの価格になったと思える(ここが難しいが大切)、
物やサービスや投資関係にお金を使う事は
効率的と言えないかもしれません。
来歴不確かな、
あのチベットの超高額ビーズとか
今は僕は買いません。
それらを判断するのは、
適切な情報判断が大切な気がします。
それと、少しの労力。
そして「売り手を良く見る事」が
大切と思えます。
すごく無理する必要はなく、
ちょっと背伸びする位が丁度いい気がします。
そしてその方法は、
アンテナを張り、
一手間の労力をかけると意外と役に立ちます。
買い時と買い方を工夫すると、
「結果として良い買い物ができた」
と後から思えると個人的には思っています。
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この記事は、
自分の商品を売る目的の販売促進ではありません。
失敗を重ねた、
バイヤー目線での
「買うタイミングと場所や方法は大切」
単にそう思える記事でした。