たまには物の紹介です。
ラダックまたはザンスカールの民族衣装です。
日本や欧米では通称ラダッキー・ドレスとも呼ばれますが、
現地での名称はゴンツェ(ゴンチェ)です。
その圧倒的な迫力から、
美術館などでも展示されている事でも知られております。
僕も今まで数多く扱ってきましたが、
すぐに旅立つ人気商品でござる。
今回は極めて良い、古手のゴンツェ(ゴンチェ)です。
ちなみに、
現地では、ティクマが絞られていない民族衣装もゴンツェと呼ばれます。
だから、正確には、ティクマ・ゴンツェとなるのかな。
なお、
無地のゴンツェは、ラダック・スタイルとザンスカール・スタイルは異なり、
生地の厚みや起毛具合、色味が異なります。
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サクサク行きます。
無数に散りばめられたチベット仏教圏の十字絞り「ティクマ」
美しい
擦り切れた青地
羊毛を染められております。
荒い見た目ですが、
着込まれ柔らかさもあり、
温もりも感じます。
今や数が激減した古手です。
美しい雰囲気がございます。
袖やスカート部分に無数に現れるティクマ
大きさもあり、迫力あります。
裏地は撮ってませんが、
擦り切れた、良き雰囲気です。
実物はイカつい迫力があります。
なお、ティクマ・ゴンツェは通常、女性用です。
老齢な方々が冬場や、
祭事時に着込みます。
夏場はあまり着ません。
若い人も、ほぼもう日常着ません。
ある有名美術館の元学芸員の方が、
このゴンツェを見て、
「某民藝館の物より素晴らしい」と仰っておりました。
そーかもしれません。
今や、この手との出会いは運次第です。
そして、
ワシやで。
人知れず、
長年、
「チベット民藝」をやっている、
キハチやで。
日本では、今、ワシくらいじゃないかな。
この手の古さのティクマ・ゴンツェを定期的に扱えるのは。
ゴンツェと一言にいえど、
雰囲気や質、
ティクマ絞りの数や古さは、
多種多様です。
ティクマのゴンツェは現存すれど、
古く良い物は少ないのです。
三年前も
二年前も
ラダックへ渡航して、
欲しいと思えるゴンツェには出会えなかったが、
今年は出会えました。
しかも意外にも、あっさりと。
縁ってのは不思議です。
今では、ラダックもザンスカールも
着ているのは現代の服が多いです。
民族衣装を着ていても、
無地のゴンツェとなります。
僕のラダックでの定宿はラダック人経営ですが、
その宿のおばあちゃんも、今や無地のゴンツェしか持っておりません。
近いうちに消えゆく、
美しい服飾文化
ティクマ・ゴンツェでした。