
先日、登山用品店に行きました。
行き先は、本気系の登山用品店。
多店舗展開するチェーン店ではなかったです。
僕は靴を見ていたところ、
その横に小柄な年配の女性が来て、
「これ、散歩で履きたいの」
70代と思えるその女性は、
そう言って展示されていた靴を店員に聞いてました。
中年の屈強そうな店員は返します。
「これは、散歩で履くには勿体無い靴です」と。
そして、
その年配の女性に対して、
リスペクトを欠いた言葉を並べます。
・・あら、やだ。だいぶ上から目線ですね。
僕は横目で見て思いました。
日本の山岳会系や、山屋と呼ばれる人々の間には、
過度な上下関係や、
謙虚さを欠く態度が見られるのは、
よく聞く話だ。
プロのアスリート以外では、
山を本気でやればやるほど、
時にはそれらは顕著らしい。
僕自身もアンナプルナ近隣で、
日本人の年配者の山岳会系の団体に出会い、
その傲慢さに距離を置いた経験もある。
山小屋で、同じ日本人だと分かった途端、
初対面でタメ口で酒を勧めるなよ。
僕は速攻でタメ口で断りましたが。
それはさて置き、
その登山店の店員は、
ネルシャツを着た、その女性を見下してました。
しかし、彼女が聞いていたのは、
アルトラのローンピーク9+に関してです。
山をやらない普通の年配の女性は、
その靴の事を聞きませんし、
知らないでしょう。
そもそも、そのお店には来ません。
店員はその時点で見抜くべきでした。
山の経験がある人だ、と。
女性が言ったその「散歩」とは「低山を楽しみたい」を表すと。
結局、その女性は、会話の中で、
経験豊富な昭和の山好きだと判明し、
店員の態度はガラッと変わりました。
また、反対側の隣では初心者とおぼしき若い男性に、
すっごい雑な対応をしている別の若い店員さんも居ました。
「あー、靴の保存はですねー、靴箱にしまっておかないで〇〇」
とかボソボソと小馬鹿にするような対応です。
山を愛するがあまり、
接客にも横柄さが滲み出す時もあります。
山道具屋あるある、かもしれません。
ある意味、店側の気持ちも、
個人的には分からなくはありません。
山は最悪は生死に関わる事故もあり、
特に昨今は山ブームですし。
僕は思います。
これはイカン、と。
僕はどうであろう。
僕は販売時に失礼な態度をとっていないだろうか。
販売に置いて、売り手の態度は重要です。
それを改めて思いながら、
居心地が悪くなり(山はド初心者なので)、
買い物をせずに店を後にしました。
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僕に対して、謎のマウントを取ってくるメッセージは、
珍しい事ではありません。
最近は少なくなりましたが、
以前は骨董市でも、
すっごい上から目線で話してくる人もおりました。
つまりは、
「お前より知っている」と
彼ら彼女らは言いたいのでしょう。
「なんだよもー、ぷんぷん」
そう思ってました。
昨今のSNSでもそれらの自己承認欲求で溢れております。
自分を優位な立ち位置にしたい言葉で溢れております。
僕に対しての内容は、
チベットのアンティークや、
チベット仏教文化圏での事、
旅の経験に至るまで様々です。
それは、購入の意思や、
物語の共感があるのではなく、
単に、彼ら彼女らは、
自分の優位性を強調したいだけかもしれません。
現実世界というのは奇妙なものです。
僕は表向きの言葉ではなく、
本質を見たいのです。
一方で、販売を仕事とする以上、
多くの方との出会いや会話、
多くの場面を経験します。
多くの方々から、
色々な事を学ばせて頂いております。
その場面場面や、販売時に、
僕は無自覚なうちに失礼な態度はとっていないだろうか。
僕は思った事を直接口に出す性格です。
しかし、
どの業界であれ、
いくら経験しても、
専門知識を持っていても、持っていなくとも、
お金があろうが無かろうが、
どんな立場の違いはあろうと、
僕らは同じ人間であります。
お互い、尊敬をし合うべきだと思えます。
良い方々には、
可能な限り真摯に向き合い、
謙虚さを忘れずに努めたいです。
上述の登山店の店員を見て、
自分を戒めようと改めて感じております。