旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

チベットの古い両面真言大判版木

2019年06月24日 | チベットもの



チベットの古い両面版木です。

なんと、両面です。





稀に両面の版木は存在するのは知っていたが、
(部分的に両面柄の小型版木もあるし、もちろん、新しい物なら珍しくはない)
古く、大判の全面真言の両面版木は、
市場に出てくるのは、
極めて稀で、
初めて手に入れた。

この類い、
間違いなく、お寺から出たものだが、
この大きさと、両面、という特性上、
結構、立派なお寺からであると想像できる。


チベットの版木、もしくは木版って、
図柄や大きさ、古さなど、千差万別で、
数多く存在しているのだが、
もう、コレ、
吉祥図柄も一切なく、
無数の小さな真言、ビッシリ、のみ。
シンプルの極みである。



両面、ひたすら、真言のみ。
しかも、凄く上手く彫られている。




使い込まれまくった表面。
大柄な図柄であると、各断面が摩耗しているのが分かりやすいが、
ここまで細密だと、よくよく見なければ分からないけど、
刷り込み、使われまくった摩耗感が溢れている。


これって、
色々な事を無視して、
もちろん、お土産物用につくったなんてのは微塵もなく、
ただ、
チベット仏教ってのに心から没頭しないと造れないてのが、
ビシビシ伝わったわけです。

写真じゃ伝わらないのよね、これが。


チベット
アムド地方
アバ周辺のゴンパ(お寺)から出た版木

アバ周辺は、ダライ・ラマをトップとする
ゲルク派が多い地域


チベットの珍しい両面真言版木でした。



※現状、直接販売のみとさせて頂いています。



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