旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

カパーラを好き勝手に語る。

2019年06月26日 | チベットもの



古いカパーラの数珠です。

質の良い珠は厚く、
プリンッとした形の良いパッソのグル珠に加え、
愛らしいチョルテン(ボサ珠)も付いています。
タントリック信仰の人々が愛用する数珠です。

興味がない人からすると、
専門用語バシバシで、
何がなんだか分からないだろうが、
もはや、
好きに語らせてください。


興味のない人は、
無視してください。


このカパーラ、または、カパラ、
以前はあまり興味がなかったが、
今や個人的にダダハマリである。

写真のカパーラも、
個人的に気に入っていたモノだった。

特に、パッソのグル珠は、別に選び、
(元々は、あまり気に入らないグル珠が付いていた)
現地のチベット人のおばちゃんに組んでもらったのだが、
その魅力的な姿が気に入っていたもんだ。

良い人の元へ旅立ち、
良かったと思っている。

このカパーラ愛、
改めて、
自分で言うのもなんだが、
客観的に考えると、
キモイと思う。

キモイと言われても仕方が無い。

何故、キモイのかとゆーのは、
カパーラが何たるか、とゆーのを知らないと
分からないかもしれないが、
もう、ここでは説明しないのだ。

しかし、
この、カパーラ、というモノ、
奥が深く、
謎の中毒性がある。

知っても、
知っても、
いや、
知れば知る程、
深みに進んでいくのだ。


チベット本土に行くと、
一部の業者をはじめ、
一般人のチベット人も持っていたりもする。

よくよく注目していないと気がつかないかもしれないが、
数は多くは決してないが、
意外と持ってる人がいたりするのだ。
密教行者ンガッパでない人でも持っている。
ニンマ派かサチャ(サキャ)派だろうか。

つーわけで、
現地では、
日本人が感じるほど、
異質な存在ではない。

いや、
異質といえば、
異質だろうが、
宗教に準じたモノなので、
現地のチベット人達にとっては、
それほど思い切った違和感のモノとは感じていないように思える。

余談だが、一般のチベット人、特に若者は、
カパーラに関しての関心は低い、とゆーかない。
先日、東チベットに行く際、
現地の友達に「俺、良いカパーラ探してるー」という連絡を事前に入れ、
探してもらっていたのだが、
一応、写真は送ってきてくれたが、
とりあえず、カパーラだったが、質は低かった。
やはり、一般人の若者、しかも女性に頼むような事ではなかったらしい。


話しは逸れたが、
俺の足りない知識に、
様々な知識を与えてくれる、
親交のある方(ミスターM、ありがとう)の助けもあり、
少しづつだが、
自分の好みや種類に関して感じられるようにはなってきた。

しかし、
このカパーラ、実に難しいモノである。

質も古さも値段も、ほんと、ピンキリである。

素材が素材なので、
判別自体も難しければ、
ある種、秘された類いなので、情報も限られてくるのだ。
情報があったとしても、どこまで信憑性があるのか、という事もでてくる。


今、感じてる事だが、
カパーラには何種類かの種類がある。
古さ、使用の云々、という観点では下記の通り。

新しく使用されていない
新しく使用されている
ちょい古で、未使用
ちょい古で、使用されている
古く、未使用
古く、使用されている

ざっと、こんな感じだ。

それに加え、
色、質が加わる。

色は、白系から茶系(薄茶から濃茶まで)、グレー、薄黒い物まで様々である。

まぁ、これは、
カパーラ杯も見ても、
色味に種類があるのが見て取れる。

更に、
形状、つまり、デザインの種類も多岐に渡る。

デザインは、数珠の珠の形状から、
象嵌に至る迄、様々な種類が存在し、
グル珠をはじめとした、付属品の合わせも、
多種多様となる。

値段に関しては、
もうほんと、ピンキリ。

上を見ると、
現地でも、驚く程に高額、
そう、ちょっとした古いジービーズが買える程の金額、なカパーラもある。

実際、現地で出会った英語が話せる中国人バイヤーとも話したが、
「本当に古くて良いカパーラは、そんぐらいの金額の単位、当たり前でっせ」
とは言っていた。
まぁ、最も、中国人相場が高いのは当たり前だが、
チベット人のハイクラス業者でも、
その相場観でもある。
チベット人業者同士のやり取りを聞いていた事もあるが、
その金額レベルを言っていたので、
やはりその相場なのだろう。

まぁ、
金額はそんな感じだが、
カパーラの数珠は、チベットの数珠ならではの楽しみ、
そう、
装飾品の組み合わせも楽しめるのだ。


個人的には、
カパーラの数珠には、
カパーラのグル珠か、
パッソのグル珠が、
相性が良いように感じている。
白系であるので、シェルなども相性は良いだろう。

ミラー(琥珀)もよく合わされているのも目にする。


今、欲しいカパーラ。
高くて、買えずにいる。
(プルルンとした、古い涙型パッソのグル珠に萌えるが、思いっきり高い)


清代のモノ(真偽不明だが、古いは古い)といわれるカパーラを使ったバングル
(付属品は後付けで組み合わせている)



断面の摩耗感、ハンパない。
この独特の摩耗感は、古加工では決して出せない。


個人的に愛用しているカパーラ。
カパーラの本場?デルゲのカパーラ。
特別な古さもないし、
特段、何かに秀でた特徴があるわけではないが、
何故か惹かれた。




一部の珍しいカパーラは、
一珠ずつのバラビーズも手に出来る。
三点象嵌&継ぎ目(中央部)の珍しい部分。
こんなのもある。


※売り切れ済み


今さら、補足するのも何だが、
カパーラは、
れっきとした、伝統的なチベット密教法具である。

昨日今日できた流行的なモノではなく、
長い長い歴史も持っている。

かの故宮博物院にも、
由緒あるカパーラが展示されているとも聞く。


以上
好き勝手にカパーラ、の回でした。




※最初の写真のカパーラは、
佳き人の元へ旅立ち済み。



コメント    この記事についてブログを書く
« チベットの古い両面真言大判版木 | トップ | 渡航のお知らせ。 »

コメントを投稿