
チベットの装飾品である古いベルトの紹介です。
個人的にも愛用しております。
では早速。

全体像です。
極太タイプの古いオリジナルの極上品です。
光り輝くベルトのバックルが複数つきます。
極太タイプです。
革はヤクの革で、使い込まれております。

バックルは銀板ではなく、細かな銀象嵌で埋められています。
単に銀で埋めるのではなく、吉祥文様も施されています。


財布などを吊るす役目のフック(取っ手)部分にも銀象嵌が入っております。

留め具にも銀象嵌が入ります。
細部まで凝ってます。

五個のバックルが付属し、
成人男性が腰に巻ける長さです。
比較的大きな物が多いチベットのベルトとしても大型の部類です。

漢汁全開ですが、
色気があります。

透かし彫りタイプもあります。
珍しいです。
細かい透かし彫りのバックルが複数付属する細いタイプです。

厚い銀の板に、
唐草紋様または波紋様が丁寧に表されております。

縁取りも施されて繊細です。

留め具部分の紐も編み込まれた仕様です。
通常は穴を開けるだけですが、なんと編み込みです。

問答無用で美しい装飾品なのです。
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チベットのベルトといえど千差万別です。
銀象嵌ベルトも極太から細いタイプまであります。
銀象嵌の荒い物から細かい物もあり、
彫りが入った技巧を凝らした物から、
真鍮製の安っぽい物まであります。
技巧を凝らした、
オリジナルの美しく古いベルトは減りました。
そして若いチベット人の多くは、
今では日本と同様に現代的な洋服を着ています。
特に、伝統的なベルトは今では殆ど着用されなくなりました。
もし上記のベルトを新しく作るとしたら、
昔とは比べ物にならない程の手間や時間や、
お金が必要となるでしょう。
実際に、現代のチベット人の伝統民族衣装のベルトでも、
新品で作られた淡白な見た目の簡易的なベルトが流通しております。
現代で再現するのは難しいと思える、
民族特有の古いファッション装飾品です。
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チベットの多くの古い物にも共通する事ですが、
中でもベルトなどの装飾品は持ち主にとって身近な存在です。
物語があるのです。
僕はまだ多くに知られていない、
装飾品と物語を求めています。
それらを発信して広めるよう努めているのです。
広まってくれれば僕も嬉しいのです。
価値観を共有できるからであります。
流行上でのファッションの域に留まらない、
「美しい価値観と、その物語」を知ってほしいのでございます。
チベットの失われゆく文化の装飾品の紹介でした。
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