ジョージア※の絨毯です。
アンティークのフラグメント(襤褸)です。
フラグメントや襤褸と言ってもリペアを充分施せる範囲で一部が破損してるだけ。
簡単な補修をすれば完品となるだろうが、オリジナルの摩耗や欠損などの襤褸は美しい。
日本人は一般的には破損のない物を求めるようだが、
個人的には古いオリジナルの傷や使用感などの味は良いとは個人的には思う。
もっとも、ただ単に破損してれば何でも良いという訳ではなく、
僕的には襤褸(欠損や摩耗)具合の美しさにもこだわりはあるのだが。
ジョージアと言えば平織りキリムが愛好家の間では知られるとこだろうが絨毯もあります。
相対的な数は少ないかな。
正しい情報かどうかは分からないが、
ジョージアの絨毯はジョージア南部または東部で多く織れている(いた)らしい。
西部海沿いのバトゥミ辺りでは織られていないのは環境を考えると理解できるが、
山岳地方メスティアでの織物は聞かないのは何故だろう。
知らない事だらけだ。
そして知識を得るのは現地に限る。
相変わらず、個人的な体験を書きますて。
情報は間違っているかもですさかい。
では、まずは写真を。
上記の写真一枚目の上部と二枚目の写真、
赤茶系をベースにした特徴的な図柄はジョージア特有の図柄。
白地の中央の十字の表現も面白い。
個人的には先端の丸が目玉に見えてしまった。
クタイシの美術館に展示されていた昔のジョージアの部屋を再現したブース。
後方にキリムが飾られているが、同じ文様が見られる。
ジョージア特有の図柄なのは判明したが、
冒頭でジョージアの絨毯と言ったが地域は正確には分からない。
長年やっている絨毯屋の主人はジョージアとは言っていたし、
美術館の展示物を見て、個人的にもジョージアであろうとは思うが。
上下左右が合っているかは分からないが、
左端の動物柄を見て判断しております。
キリムではたまにこの図柄を目にするが絨毯では稀かもしれない。
図柄が何を表すか知りません。
意味は今度、聞く事にしよう。
何かご存知の方が居れば教えて頂きたい。
謎の生物?がおります。
スカルのようにも見えるが柄が重なったたまたまかな。
不思議な雰囲気をもっている。
何故か絨毯の右側にだけ居た。
動物と人かしら。
人は下半身のみで上半身を織るのはやめたのかな。
おもろい。
びっしりと埋め尽くされた柄の数々。
よく見ると左右で微妙に色とかが違う。
完全なマニュアル作業な絨毯には惹かれないが、
この一枚は自由なのが良き。
時代を経た摩耗感。
良き。
ボーダー部分
裏面
太い糸で織られている。
凄い異質な存在感がある。
上部のみ欠損が見受けられる。
その他は大きなダメージは見られない。
因に、写真で下に敷かれているのはカラバフの超良品。
買うか迷ったが高いので辞めた。
日本で古いカラバフのオリジナルと言ったところで売れないだろう。
そもそも今の日本で絨毯にお金を出す人は、どれくらい居るのかしら。
バブルの時は100万円以上のペルシャやトルコの絨毯が飛ぶ様に売れたらしいが。
文献を見るとコーカサス地方の絨毯はカザックやカラバフ等いくつかに分類されるらしい。
この一枚は大分類される上記以外でもなくクバやダゲスタンでもないだろう。
この絨毯はどれに属するのだろう。
シャバーガン?だっけ?の絨毯に似てるが、それはアフガニスタンら辺だった気がする。
どうなのかしら。
絨毯屋の主人とお茶をして話していた事だが、
現ジョージアを含むコーカサス地方の産地は織物は複雑で、
めちゃくちゃ種類が存在する。
ジョージアに住むアルメニア人が織った織物も多く存在するし、
歴史的や地理的、年代的に見ても複雑に入り組んでいる。
一概に○○の絨毯(またはキリム)とは言いきれない部分もあるのだろう。
正確に説明するのは長い話しが必要で、
便宜上(売買の手間上)でジョージアだとかアゼリとかと言っているみたいだ。
トルコの業者のコーカサスの絨毯やキリムの情報は、
ジョージアの業者と言う事が違うのも気になるとこだ。
トルコであっても南西部の海沿いでは、
トルコに住むギリシャ人が織った古い絨毯もある。
柄も混ざり合っているし、
物自体の織り方等だけで判断すると正確な産地判断ができない気がするのは僕だけかしら。
また、僕が知る限りだが、
イスタンブールの絨毯業者や問屋は、
親や親族経営であって代々の伝聞が受け継がれているように感じ、
それに本等の情報が少し加わった位で、
絨毯やキリムの数自体はもの凄い数を見ているが、
本人が実際に現地に買付けや視察に行っている人は実際には居るのか疑問がある。
もっとも、学者や愛好家以外は深い事は気にしないのかもしれない。
特に一般的な欧米人は見た目で判断する(好きか否か)傾向を僕個人も強く感じる。
少なくとも僕の欧米人の友人達はインスピレーションで生きている人が多い。
一方、欧米の専門書籍でも知れる様に、
この分野における欧米人のマニアは恐ろしく深堀り探求する。
そして自国以外の美しい品の価値観を見出す先見の眼も超絶はやい。
感性重視と知識探求、その両極端性の振り切り具合は面白いと思う。
話しは逸れたが、この一枚、以前書いた宝探しの回のブログで見つけた絨毯。
車で絨毯屋の倉庫まで行ったのです。
こんな連れって行ってもらわなければ、絶対に分からない場所。
山積みストックの中から見つけた。
何枚かピックアップして倉庫から店に持ち帰ってオーナーに見せたところ、
この一枚はリペア待ちの絨毯屋主人の私物コレクションでござった。
以上
古く美しい絨毯でした。
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