心の御柱(こころのみはしら)

毎日、八方拝を行い、光の柱を建てましょう。

賀茂御祖神社(下鴨神社) (3) 糺の森に息吹く出雲の霊性

2012年11月30日 | 京都の聖地

 

賀茂御祖神社、別名下鴨神社は鴨族の社として有名ですが、この鴨族自体が出雲の末裔という説があります。下鴨神社の神官一族である鴨脚家(いちょうけ)に伝わる文献に、大国主(おおくにぬし)の子孫であることが、はっきり記されているらしい。

 

 下鴨神社の中に出雲井於神社(いずもいのへのじんじゃ)、通称柊社(ひいらぎしゃ)がありますが、神官さんが言うには、この社が本殿よりも先に鎮座しており、下鴨で最も古いお宮ということです。御祭神はスサノウさん。

 

 また、本殿前庭に えと社という十二支をお祭した社が七つあります、本殿よりこちらを熱心にお参りされている方が結構いらっしゃいますが、各社に全て大国主の別名がつけられています。本殿をお参りするには、必ずこのえと社の前を通らなければならず、言いかえると参拝者は大国主さんを通り抜けていかないと本殿をお参りできないのです。

 

 そして三つ目が相生社(あいおいしゃ)。最近は縁結びで有名になってしまって若い女性達が列をなして参拝してるので、自分なんかは億劫になってしまって、ついつい遠くから一礼するだけになってしまいますが、御祭神は神皇産霊神(かむむすびしん)、神道では造化三神という宇宙創成にかかわる高級神霊ですが、また出雲族の大元の祖神ともされています。とても強い御神威を発せられていて、正直なところ、個人の恋愛うんぬんをお願いするのはいかがなものかと。もっと国レベルや地球レベルの問題を扱われる神様のように感じるのですが。

 

 以上のように下鴨神社にはただ摂末社レベルではなく、その地層の深いところで出雲の霊性が息吹いているのを感じることができます。

 

 新天皇が即位される大嘗祭(だいじょうさい)は伊勢神宮の神官ではなく下鴨神社の神官さん達が行うことが知られていますが、この大嘗祭、公表されたりインターネットに書かれたりしている以上の秘儀があるようで、以前、私もある方からこの大嘗祭の内容を聞いてビックリした経験がありますが、それとて御本人が直接目にされたわけではないので、本当の真偽はわかりません。だだ、一般にいわれるアマテラスニニギの霊性を受け継ぐだけでなく、日本各地の国魂の霊性をも受けられるというのは、非常に理にかなっています。

 

 下鴨神社の神官さん達による大嘗祭新天皇の誕生は、下鴨に息づく出雲の神々が新たなアマテラスの直系を生み出すお産婆役をされていると想像すると、とても楽しく、またこの国の不可思議な成り立ちに感動せざるをえません。

 

                                                                      貴舟 一之 (きふね かずゆき)

 

毎日、八方拝十一方拝を行いましょう。


賀茂御祖神社(下鴨神社) (2) 京都とパリは霊的姉妹都市

2012年11月25日 | 京都の聖地

 京都パリの姉妹都市が結ばれてすでに半世紀が経ちました。京都は言うまでもなく日本を代表する芸術文化の都。かたやパリはヨーロッパを代表する芸術文化都市。しかし都市の成り立ちというか霊性が非常に似ているのです。

 パリはセーヌ川を都市の骨格とするのは京都の鴨川と同じですが、なにしろパリの発祥はセーヌ川の中州であるシテ島を中心に発展したといわれています。シテ島といえばかの有名なノートルダム寺院。キリスト教以前から先住民が母なる女神を祀ってきた聖地だといわれています。一方、京都では天皇家が都をこの地に移すまえから鴨氏がこの下鴨の地で神祭祀をしてきたと伝えられています。

 ノートルダムはフランス語で発音すればノストラダムス。かの有名な予言者ですね。ではノートルダムとは何か?実は聖母マリアのことです。

 一方、下鴨神社に伝わる伝説では、ある日、賀茂玉依姫(かもたまよりひめ)が瀬見の小川(下鴨神社の御手洗川の別称)で遊んでいたとき、丹塗りの矢が流れてきた。それを拾って床の間に飾っておくと御懐妊。生まれた御子が上賀茂神社の御祭神 加茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)。息子が成人を迎えるとき、玉依姫の父 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)(ヤタガラス)が孫のために日本全国の男子を集めて祝いの宴を設けた。そこで建角身命が孫の別雷命に「ここに全国の男が集まっているから、お前の父親を杯を向け示せ」と。孫の別雷命は天に杯を掲げ、天井を破って昇天してしまった。その後 母の玉衣姫は寂しさで泣き悲しんだが、ある夜、夢で息子が現れ「もし神山(こうやま)に榊をたてれば私は再び地上に降りてきます」と言った。その通りにすると別雷命は再び顕れたと。これが葵祭の元になっています。

 キリスト伝説の重要な構成要素は

・聖母マリアの処女懐妊   ・キリストの十字架による昇天  そして・キリストの再臨  の三つです。

 完全に鴨伝説と一致しているのは果たして偶然なのでしょうか?こういう伝説の同種性に関しては 人類学でとなえられる伝播説 深層心理からの人類普遍説と 大きく二つに分かれますが、やはり私は鴨氏は古代ユダヤだったのか、それとも違う民族ではあるが原始キリスト教を日本に持ち込んだ一族だと感じています。もしそうだとすると、下鴨神社には聖母マリアや原始キリスト教ではイエスの妻として崇められたマグダラのマリアも祀られていたのではないでしょうか。そして上賀茂神社にはもちろんキリストが。

 さらに、この下鴨の地にノートルダム女子大学や小学校があることもただの偶然に過ぎないのでしょうか。聖母を祀る京都から、はるか西の聖母の聖地パリを想ってみるのもなかなかいいものです。

上の写真は出町柳から見た下鴨神社の森 と シテ島のノートルダム寺院                                                                                                                                                                         

                                                                    貴舟 一之 (きふね かずゆき)

                                            毎日、八方拝十一方拝を行いましょう。    

 

 

 

 


賀茂御祖神社(下鴨神社) (1)

2012年11月23日 | 京都の聖地

 賀茂御祖神社 通称 下鴨神社はやはり聖地としての特異な形状と位置から 京都随一の社であると言えるでしょう。

 京都の鴨川は風水で東を守る青龍として有名ですが、人口の少なかった平安時代は別として、市街地が盆地全体に広がった現代では、鴨川こそが街の背骨を形成しています。これは京都に住んだり、たびたび訪問されている方なら理解できるでしょう。ジョギングや楽器、デート、または宴会と思い思いのやり方で皆さん鴨川で時間を過ごされています。もし鴨川が京都の真ん中を流れていなかったら、どんなに京都は潤いない街になっていたことでしょうか。

 さてこの鴨川はちょうど京阪出町柳駅のあたりで右手から比叡山のほうから流れてくる高野川 左手から貴船や鞍馬から流れてくる鴨川が合流して大きな鴨川となり市内を流れていきます。この合流点の三角地帯にあるのが下鴨神社です。糺の森という都会では非常に稀な原生林の中に神社は御鎮座されていますが、本殿の脇にみたらし団子で有名な御手洗池があります。現在は水量が少なくてポンプで水を汲みあげていますが、昔は湧き池で水泡がお団子のようにぶくぶくしていたらしです。

 たぶんこの糺の森は鴨氏が京都に定着するずっと以前から先住民に聖地として崇められてきたにちがいありません。この湧水の池の流れは森の中を通り、ちょうど鴨川と高野川の合流地点で川に流れこみます。地図で見ると女性の下半身のYの部分に森が茂り、ちょうど子宮に当たるところが御手洗池、参道にそって流れる御手洗川はまさに産道の役割となっています。古代から続く大地母神の信仰

 下鴨神社の御祭神が上賀茂神社の御祭神の母神、また摂社の河合神社の御祭神が神武天皇の母上、どちらも母性愛あふれる女神様です。この糺の森から流れ出る聖なる水は絶えることなく今日も京都に恵みと癒しのエネルギーを供給しています。

 一の鳥居から糺の森を参道づたいに本殿に向かうと、近年復元された左側の小川からの流れと右側の本流の間を川の流れとは逆に歩くことになります。この両脇の清流が森のエネルギーとあいまって実に効果的な禊ぎ、清めの力を発揮するのです。歩くだけで浄化されるとは、なんとも昔の人の知恵には脱帽するしかありませんね。

                                                                貴舟 一之 (きふね かずゆき

                                     毎日、八方拝十一方拝を行いましょう。