[まえがき]
この話は、久々に(ひさいちセンセ以外の)ある漫画を読んで触発され、書いたものである。
【ライブ・ノート】
道にノートが落ちていた。
拾って1ページめくると、ノートの使い方が書いてあった。
『このノートに名前を書かれた人間は、人間界単位で40秒以内に幸せが訪れます。』
「なんだこりゃ」と思って顔を上げると、そこに生神がいた。
恵比寿のよう顔をした爺で、宙に浮いている。
「わぁ」と驚いたが、環境に慣れるのが素早いオレは、ノートの文言のほうが気になる。
試しに、自分の名前をノートに書いてみる。
しばらく歩いていくと、道に100円玉が落ちていた。
「確かにラッキーだけど、100円って、せこくねぇ」と思ったら、
生神がまだ傍にいて、しゃべった。
「あなたは選ばれたのです」
「なにが?」と思いながら、また自分の名前をノートに書いてみる。
自動販売機があったので、さっき拾った100円玉と財布の50円玉で缶コーヒーを買った。
お釣りの30円を取ると、なんとそこに100円玉が混ざっていた。
「やぁりぃ、100円ゲット」
うーむ、ホントに名前を書いたからか、偶然か。
「あなたは選ばれたのです」また、恵比須顔がしゃべった。
「100円ぐれぇで、選ばれたとか言うんじゃねぇよ」
と言いながらも、ひらめいて、さっきより大きな字で名前を書いてみる。
駅に近づくと、飲み屋の兄ちゃんが生ビール100円引きの券を配っていて、何気にもらう。
「ちっ、字が大きくても100円かよ。それにビール飲まなきゃ100円得しねぇじゃん」
と言いながらも、くじけず、今度はローマ字で名前を書いてみる。
案の定、道に1ドル札が・・・・・使えねぇ。
その後何回も自分の名前を書いて判ったことは、1回につき約100円しか儲からないということだった。
ただ、何ページ書いても、ページが尽きることはなかった。
ある時、机に向い百回も自分の名前をノートに書いたが、
結果、机の引き出しの奥から1万円札が見つかっただけ。
「これって、オレの金じゃねぇ?」
もちろん、他の人の名前を書けば、その人に約100円の儲けがあるわけだが、
他人に『100円儲けさせてあげるから、名前教えて』なんていきなり言ったら、誰でも逃げ出すだろう。
今オレは会社を辞めて、プー(フリーター)をしている。
仕事が無いときは、1日何十回か自分の名前を書いて生計を立てている。
と言っても、家の中で書くと、部屋のどこからか(おそらく自分の)100円玉が見つかるだけなので、いつも街中をうろうろしているわけだが。
それから蛇足だけど、オレの名前は昼神太陽(ひるがみライト)。
でも、プー仲間からは、金を生むから『キンキラ』と呼ばれ、軽蔑されている。
ところで、オレって何に選ばれたんだろう。
このノートって、ひょっとして人類にとってなにか重要な意味があるのだろうか?
<完>
[あとがき]
この話って、いろいろノートのルールを作れば、長編にできるような気がするなぁ(ウソ)
[おまけ]
【ライブ・ノート(特別編)】
ある日、いつものように商店街をぶらぶら歩きながら、ノートに自分の名前を書いた。
しばらく歩くと、魚屋の前で、鯛が飛び出してきて足元で跳ねた。
魚屋の兄ちゃんが出てきて、
「こりゃもう売り物にならねぇや、アンタにあげるよ」
といって、鯛を拾って包んでくれた。
おおぉ、100円を超えた。オレは感動した。
「あ、そういえば」と思い振り向くと、あの恵比須顔がニコニコして浮かんでいた。
オレは家に帰ると、生神に鯛を全部食わせてやった。
<完>
この話は、久々に(ひさいちセンセ以外の)ある漫画を読んで触発され、書いたものである。
【ライブ・ノート】
道にノートが落ちていた。
拾って1ページめくると、ノートの使い方が書いてあった。
『このノートに名前を書かれた人間は、人間界単位で40秒以内に幸せが訪れます。』
「なんだこりゃ」と思って顔を上げると、そこに生神がいた。
恵比寿のよう顔をした爺で、宙に浮いている。
「わぁ」と驚いたが、環境に慣れるのが素早いオレは、ノートの文言のほうが気になる。
試しに、自分の名前をノートに書いてみる。
しばらく歩いていくと、道に100円玉が落ちていた。
「確かにラッキーだけど、100円って、せこくねぇ」と思ったら、
生神がまだ傍にいて、しゃべった。
「あなたは選ばれたのです」
「なにが?」と思いながら、また自分の名前をノートに書いてみる。
自動販売機があったので、さっき拾った100円玉と財布の50円玉で缶コーヒーを買った。
お釣りの30円を取ると、なんとそこに100円玉が混ざっていた。
「やぁりぃ、100円ゲット」
うーむ、ホントに名前を書いたからか、偶然か。
「あなたは選ばれたのです」また、恵比須顔がしゃべった。
「100円ぐれぇで、選ばれたとか言うんじゃねぇよ」
と言いながらも、ひらめいて、さっきより大きな字で名前を書いてみる。
駅に近づくと、飲み屋の兄ちゃんが生ビール100円引きの券を配っていて、何気にもらう。
「ちっ、字が大きくても100円かよ。それにビール飲まなきゃ100円得しねぇじゃん」
と言いながらも、くじけず、今度はローマ字で名前を書いてみる。
案の定、道に1ドル札が・・・・・使えねぇ。
その後何回も自分の名前を書いて判ったことは、1回につき約100円しか儲からないということだった。
ただ、何ページ書いても、ページが尽きることはなかった。
ある時、机に向い百回も自分の名前をノートに書いたが、
結果、机の引き出しの奥から1万円札が見つかっただけ。
「これって、オレの金じゃねぇ?」
もちろん、他の人の名前を書けば、その人に約100円の儲けがあるわけだが、
他人に『100円儲けさせてあげるから、名前教えて』なんていきなり言ったら、誰でも逃げ出すだろう。
今オレは会社を辞めて、プー(フリーター)をしている。
仕事が無いときは、1日何十回か自分の名前を書いて生計を立てている。
と言っても、家の中で書くと、部屋のどこからか(おそらく自分の)100円玉が見つかるだけなので、いつも街中をうろうろしているわけだが。
それから蛇足だけど、オレの名前は昼神太陽(ひるがみライト)。
でも、プー仲間からは、金を生むから『キンキラ』と呼ばれ、軽蔑されている。
ところで、オレって何に選ばれたんだろう。
このノートって、ひょっとして人類にとってなにか重要な意味があるのだろうか?
<完>
[あとがき]
この話って、いろいろノートのルールを作れば、長編にできるような気がするなぁ(ウソ)
[おまけ]
【ライブ・ノート(特別編)】
ある日、いつものように商店街をぶらぶら歩きながら、ノートに自分の名前を書いた。
しばらく歩くと、魚屋の前で、鯛が飛び出してきて足元で跳ねた。
魚屋の兄ちゃんが出てきて、
「こりゃもう売り物にならねぇや、アンタにあげるよ」
といって、鯛を拾って包んでくれた。
おおぉ、100円を超えた。オレは感動した。
「あ、そういえば」と思い振り向くと、あの恵比須顔がニコニコして浮かんでいた。
オレは家に帰ると、生神に鯛を全部食わせてやった。
<完>
「ライブ・レート」 うまい
ねむさん、
えぇ あんなに有名なのに。
では次の記事は、いつもの毒書のノートにします。
この話は、もう終わりです。
何かが始まりそうで、もう終わっちゃうの~
使えないだけでなく、目減りしています。
この場合は、ライブ・レート?