去る4月27日(日)に開催された金スコ・ファン感謝ディは、トライアル大会程の多数の参加者があり、大にぎわいであった。
この感謝ディには最近知り合いとなった某カーメーカーのテストドライバーWさんとの同伴で、車両はジムニーP車で参加。ところが、ここでとんでもないトラブル発生。
冷却水系統のエア抜き不完全によるオーバーヒートによって蒸気圧が増し、シリンダーヘッド・カムシャフト下部の穴蓋の外れ、これによって冷却水がオイルパンへ浸入するという極めて希なトラブルであった。
9時頃に会場到着。受付を済ませ、ジムニーは初めてのWさんから試走開始したのだが、間もなくラジエターから蒸気噴出。
即、水補充と前日に新たに設けた”エア抜き栓”からエア抜きを行ったのだが、少し運転するとまた沸騰し改善が見られず。
再度、冷却水補充を行ったのだが、水を入れども入れども満たされず、”おかいしい”と皆んなで原因をあれこれ出し合っているうちに、ヘッドのブリーザホースからオイルが噴出。 オイルレベルゲージを引き抜くと、ここからも水が噴出。
よって、エンジン内は水で満タン状態となったのである。
このジムニーP車のエンジンはF6Aの3型で、重量バランス目的でラジェターを後部へ移動いる。冷却水配管は床下を通していることから、配管レベルが中間で低くなっており、エアが抜け難い構造となっている。
このため、前日にエア抜きを容易にすべくエンジン側最高位のサーモスタットキャップに1/8TPタップを切って、ボルトによるエア抜き栓を設けたのであるが、これを過信したのが災いの元となったのである。
今回のトラブルで気付いたのだが、シリンダー側のエアはサーモスタットで仕切られているため、この部分のエア抜き栓だけでは容易にエアは抜けない。。サーモスタットには”ジグルバルブ”というエア抜き穴があるものの、これは極く小さい穴のため短時間では抜けないのである。
エア抜き栓の取付け位置
シリンダーヘッドカム軸下のめくら蓋が外れた穴の状態
なお、このジムニー用のF6Aは、オイルフィルタ~ターボチャージャを経由する冷却水配管が設けられているが、このパイプが高い位置にありこの中のエアが抜けにくい。
これは、5型では低い位置に改善されている。(ノーマル状態での使用では、特に支障はないと思われるが?)
ターボチャージャ冷却水配管
このトラブル修理としてヘッドカバーを外したところ、予想どおり3個のめくら穴蓋のうち真ん中の蓋が抜けていた。
この蓋をたたき込まなければならないが、上側のカムシャフトが邪魔して作業できない。しかし、ヘッド部を載せた状態で長尺カムシャフトを抜くのに、後方はボディに当たって抜けず、前方へ抜くにはオイルシールが破損する。
といってヘッドを下ろすには、作業量が多すぎ何とかこの状態で・・・、との思いで取り敢えずカムシャフトのわずかの隙間からドライバーとハンマーで叩き込んだところ、若干曲がっているものの何とかセットすることができた。
ヘッド全景。これを下ろすのは・・・(T_T)
外れた蓋には、黒色液体パッキンが塗布されていたことから、同様に塗布してたたき込んだ。なお、当然ながら蓋は新品を使用した。
なお、エンジン内部のオイルと水の混合に対する処置だが、幸いなことにオイル系統への水浸入後はエンジンを回していないので水とオイルの混合物は発生しなかった。水はオイルパンに至ってオイルを押し上げ、またオイル皮膜にはじかれて容易に抜けたようである。
このためオイル系統はフラッシングオイルとエンジンオイル2回交換、フィルター交換でほぼ問題なく洗浄されたと判断したが、水系統のオイルが抜けない。
系統内の壁面に付着したオイルが、修理後始動した高温水と結合して粘性スラッジ化し、内壁のいたるところに付着しているようである。これの一部がラジェターに浮いてくるので時間をかけて除去しているのだが、壁面に付着しているものがどれだけ取れているものか?
ママレモン等の洗浄剤を入れて洗浄すべきか思案中であるが、このブログを覗いて下さった方での良きアドバイスを期待いたしておりますので、よろしくお願い致します
この感謝ディには最近知り合いとなった某カーメーカーのテストドライバーWさんとの同伴で、車両はジムニーP車で参加。ところが、ここでとんでもないトラブル発生。
冷却水系統のエア抜き不完全によるオーバーヒートによって蒸気圧が増し、シリンダーヘッド・カムシャフト下部の穴蓋の外れ、これによって冷却水がオイルパンへ浸入するという極めて希なトラブルであった。
9時頃に会場到着。受付を済ませ、ジムニーは初めてのWさんから試走開始したのだが、間もなくラジエターから蒸気噴出。
即、水補充と前日に新たに設けた”エア抜き栓”からエア抜きを行ったのだが、少し運転するとまた沸騰し改善が見られず。
再度、冷却水補充を行ったのだが、水を入れども入れども満たされず、”おかいしい”と皆んなで原因をあれこれ出し合っているうちに、ヘッドのブリーザホースからオイルが噴出。 オイルレベルゲージを引き抜くと、ここからも水が噴出。
よって、エンジン内は水で満タン状態となったのである。

このジムニーP車のエンジンはF6Aの3型で、重量バランス目的でラジェターを後部へ移動いる。冷却水配管は床下を通していることから、配管レベルが中間で低くなっており、エアが抜け難い構造となっている。
このため、前日にエア抜きを容易にすべくエンジン側最高位のサーモスタットキャップに1/8TPタップを切って、ボルトによるエア抜き栓を設けたのであるが、これを過信したのが災いの元となったのである。
今回のトラブルで気付いたのだが、シリンダー側のエアはサーモスタットで仕切られているため、この部分のエア抜き栓だけでは容易にエアは抜けない。。サーモスタットには”ジグルバルブ”というエア抜き穴があるものの、これは極く小さい穴のため短時間では抜けないのである。


なお、このジムニー用のF6Aは、オイルフィルタ~ターボチャージャを経由する冷却水配管が設けられているが、このパイプが高い位置にありこの中のエアが抜けにくい。
これは、5型では低い位置に改善されている。(ノーマル状態での使用では、特に支障はないと思われるが?)

このトラブル修理としてヘッドカバーを外したところ、予想どおり3個のめくら穴蓋のうち真ん中の蓋が抜けていた。
この蓋をたたき込まなければならないが、上側のカムシャフトが邪魔して作業できない。しかし、ヘッド部を載せた状態で長尺カムシャフトを抜くのに、後方はボディに当たって抜けず、前方へ抜くにはオイルシールが破損する。
といってヘッドを下ろすには、作業量が多すぎ何とかこの状態で・・・、との思いで取り敢えずカムシャフトのわずかの隙間からドライバーとハンマーで叩き込んだところ、若干曲がっているものの何とかセットすることができた。

外れた蓋には、黒色液体パッキンが塗布されていたことから、同様に塗布してたたき込んだ。なお、当然ながら蓋は新品を使用した。
なお、エンジン内部のオイルと水の混合に対する処置だが、幸いなことにオイル系統への水浸入後はエンジンを回していないので水とオイルの混合物は発生しなかった。水はオイルパンに至ってオイルを押し上げ、またオイル皮膜にはじかれて容易に抜けたようである。
このためオイル系統はフラッシングオイルとエンジンオイル2回交換、フィルター交換でほぼ問題なく洗浄されたと判断したが、水系統のオイルが抜けない。
系統内の壁面に付着したオイルが、修理後始動した高温水と結合して粘性スラッジ化し、内壁のいたるところに付着しているようである。これの一部がラジェターに浮いてくるので時間をかけて除去しているのだが、壁面に付着しているものがどれだけ取れているものか?
ママレモン等の洗浄剤を入れて洗浄すべきか思案中であるが、このブログを覗いて下さった方での良きアドバイスを期待いたしておりますので、よろしくお願い致します

トラブルはそこまで深刻だったとは思いませんでした(汗)
冷却関係の洗浄ですが、除去するのにかなり時間がかかると思いますが、例の物を送りますので一度試して見て下さいねm(__)m
今回のトラブルケース大変参考になります。
先日当方の11 4型の水回り洗浄した際は、ワコーズの冷却水洗浄液入れて走行後ヒーターの入り側バルブ~ホースを外し水道のホースをそこへ差し込みエンジン掛けながら洗浄しました。
うまく説明できないですみません
SJ30のヘッドガスケット抜けでリザーブタンク下にオイルがへばりついているのをたまに見ます
水回りに簡易的なフィルターを付けるのはどうでしょう?
す@やさん>こんばんわ、はじめまして!
早速のアドバイス、有り難うございますm(_ _)m
ヒーター接続管の利用を活用させていただきます。
フィルターについては、取付位置、物、効果などを検討していきたいと思います。