知人から依頼での、ジムニーJA11トランスファを低速タイプのSJ30用に交換し、これに2本シフトレバーを組込むこと、について取り組んだ。
主な製作・作業としては、以下の3項目が必要となる。
①2本シフトレバーの作製
②トランスファを分解し、操作ロッドのインターロック鋼球の除去
③プロペラシャフト連結用フランジの対応
①2本シフトレバーの作製
まず、2本レバーの作製では、30用など旧タイプのレバー2本を使って、半割のレバー2本を作るのだが、これについては以前の試作品があるので、これを流用することとした。 (当ブログの2007-05-14参照)
なお、この2分割レバー作製に当たっては、極力レバーのガタつきがないようにするため、各部寸法をきっちり加工した。この結果、セット用のスプリング押さえキャップのセットがし難くいことから、これを改善すべくキャップ上部に溶接盛りつけにより突起を設けた。これはキャップを押し込んで回転させるときに手が滑らないようにするものある。 金もない、力もない(あんまりいい男でもない)自分にはこのレバーのセット工程が最も嫌な作業であるので・・・・!
2本レバーは遊びが少なく、シフトフィーリング善し、ケースセットは力がいらず結果はすこぶる良好だぁ~
押さえカップへ付けた突起
②インターロック鋼球の除去
次にインターロック鋼球の除去だが、これはTFケースを3分割に分解しなければ除去できない。
(フロントケースのみ外し、2W/4Wシフトフォークシャフトを引き抜いて鋼球を除去することはできるが、同時に必要な鋼球が外れてしまい、3分割にしないとこれをセットできない)
下図は、分解前の30用TFで、画像ではきれいに見えるが実物はアルミ粉が厚く付着し、また滲みオイルの固着がひどく、これらの除去・清掃に相当の労力と時間を費やした。これは機能的には何ら関係ないのであるが、そのままにできない性分で、いつものことだが余分な時間を費やしている。
改造前のSJ30用TF、旧型
鋼球除去が済んで、ケース合わせ前の状態
この30用TFのガスケットは、液体ガスケットであり新型JA11用のペーパーガスケットと異なる。
分解・組立の注意点は種々あるが、ここではワンポイントアドバイス?として・・・!
リヤアウトプットシャフトの後端に挿入されているスペーサスリーブには、スピドメータードライブギヤとの接面に大きなOリングが入っている。これは細いので見落としやすいので組立時に注意する必要がある。
このスリーブは、組立完了後に外からでもセットできるので、そうする方がよいようである。
注意すべきOリング
組立完了
2本レバーを組み込んでの完了品
③プロペラシャフト連結用フランジの対応
最後に、プロペラシャフト連結用フランジの対応だが、その必要理由は、
・30用TFのプロペラシャフトとの連結用フランジ3個の内、ミッション側とフロントデフ側の2個は、ボルトピッチが小さくJA11プロペラシャフトと連結できない。
フランジボルトピッチ(対角)は
JA11用=79mm 、SJ30用=73.5mm
・シャフト径がJA11用より細く、JA11用フランジが組み込めない。
ただし、リヤドライブ用はセンターブレーキ(駐車ブレーキ)装置を取り外して、そこへJA11用フランジ(リヤ用)を組み込めばよい。スプライン径が同じなのである。
この対応としては、通常は適合する特注フランジに交換するのだが、ヤフオクで送料込み¥6,000程度を要する。
このため、廃棄パーツを持つ彩生処としては安上がりな方法として、プロペラシャフトのフランジヨークをJA11用に組替えすることで対応することとした。
このフランジヨークの組替えは、以前に経験があり容易であることが分かっているので・・・・。 (当ブログ:プロペラシャフト・フランジ組替え 2008.11.10参照)
フロントドライブ用フランジヨーク交換済み。下は外したJA11フランジヨーク
ミッション側については、今回の作業の中で種々のプロペラシャフトを比較する中で、JA11用とSJ30用はフランジボルトピッチ以外は同じで互換性のあることを発見した。
よって、最も簡便な方法として、SJ30用シャフトをそのまんまで取替・利用することとした。
その外観比較画像は、以下のとおり。
ミッション側プロペラシャフト比較 上:JA11用 下:SJ30用 フランジ以外は主要寸法が同一
以上で2本レバーSJ30トランスファのJA11仕様が出来上がった。載せ替えは知人がやるので、これで終了だぁ~。
今回の作業は、清掃と塗装に約半分の時間を費やした。特に他人のものは気遣いするので、時間がかかる。
今回作業で分かったことは
1.30用トランスファの仕様について
今回改造対象としたTFは、今まで扱ったものと仕様が異なっていた。
・シフトレバーボールシート(レバー球部下のプラスチックシート)が入っていない。
不足しているものと思い、これを入れたら高さが合わず、寸法・形状を確認したところ、球の当たり面取りがされておりシートが要らない構造であった。

これまで扱ったTFは下図のシートが入っている。仕様は2種類で
JA11用=高さ9.5mm、 SJ30用=高さ5mm である。
ボールシート 左:30用、右:11用
・スピードメータードリブンギヤ・ケース(スピードメーターケーブルを差し込むケース)がプラスチック製であった。これも初めてであった。
察するに、今回のTFは旧型の初期型なのか
2.ミッション側プロペラシャフト互換性の発見
このプロペラシャフト互換性の発見は、今回の大きな収穫だった。
おわり
主な製作・作業としては、以下の3項目が必要となる。
①2本シフトレバーの作製
②トランスファを分解し、操作ロッドのインターロック鋼球の除去
③プロペラシャフト連結用フランジの対応
①2本シフトレバーの作製
まず、2本レバーの作製では、30用など旧タイプのレバー2本を使って、半割のレバー2本を作るのだが、これについては以前の試作品があるので、これを流用することとした。 (当ブログの2007-05-14参照)
なお、この2分割レバー作製に当たっては、極力レバーのガタつきがないようにするため、各部寸法をきっちり加工した。この結果、セット用のスプリング押さえキャップのセットがし難くいことから、これを改善すべくキャップ上部に溶接盛りつけにより突起を設けた。これはキャップを押し込んで回転させるときに手が滑らないようにするものある。 金もない、力もない(あんまりいい男でもない)自分にはこのレバーのセット工程が最も嫌な作業であるので・・・・!
2本レバーは遊びが少なく、シフトフィーリング善し、ケースセットは力がいらず結果はすこぶる良好だぁ~


②インターロック鋼球の除去
次にインターロック鋼球の除去だが、これはTFケースを3分割に分解しなければ除去できない。
(フロントケースのみ外し、2W/4Wシフトフォークシャフトを引き抜いて鋼球を除去することはできるが、同時に必要な鋼球が外れてしまい、3分割にしないとこれをセットできない)
下図は、分解前の30用TFで、画像ではきれいに見えるが実物はアルミ粉が厚く付着し、また滲みオイルの固着がひどく、これらの除去・清掃に相当の労力と時間を費やした。これは機能的には何ら関係ないのであるが、そのままにできない性分で、いつものことだが余分な時間を費やしている。


この30用TFのガスケットは、液体ガスケットであり新型JA11用のペーパーガスケットと異なる。
分解・組立の注意点は種々あるが、ここではワンポイントアドバイス?として・・・!
リヤアウトプットシャフトの後端に挿入されているスペーサスリーブには、スピドメータードライブギヤとの接面に大きなOリングが入っている。これは細いので見落としやすいので組立時に注意する必要がある。
このスリーブは、組立完了後に外からでもセットできるので、そうする方がよいようである。



③プロペラシャフト連結用フランジの対応
最後に、プロペラシャフト連結用フランジの対応だが、その必要理由は、
・30用TFのプロペラシャフトとの連結用フランジ3個の内、ミッション側とフロントデフ側の2個は、ボルトピッチが小さくJA11プロペラシャフトと連結できない。
フランジボルトピッチ(対角)は
JA11用=79mm 、SJ30用=73.5mm
・シャフト径がJA11用より細く、JA11用フランジが組み込めない。
ただし、リヤドライブ用はセンターブレーキ(駐車ブレーキ)装置を取り外して、そこへJA11用フランジ(リヤ用)を組み込めばよい。スプライン径が同じなのである。
この対応としては、通常は適合する特注フランジに交換するのだが、ヤフオクで送料込み¥6,000程度を要する。
このため、廃棄パーツを持つ彩生処としては安上がりな方法として、プロペラシャフトのフランジヨークをJA11用に組替えすることで対応することとした。
このフランジヨークの組替えは、以前に経験があり容易であることが分かっているので・・・・。 (当ブログ:プロペラシャフト・フランジ組替え 2008.11.10参照)

ミッション側については、今回の作業の中で種々のプロペラシャフトを比較する中で、JA11用とSJ30用はフランジボルトピッチ以外は同じで互換性のあることを発見した。

よって、最も簡便な方法として、SJ30用シャフトをそのまんまで取替・利用することとした。
その外観比較画像は、以下のとおり。

以上で2本レバーSJ30トランスファのJA11仕様が出来上がった。載せ替えは知人がやるので、これで終了だぁ~。
今回の作業は、清掃と塗装に約半分の時間を費やした。特に他人のものは気遣いするので、時間がかかる。
今回作業で分かったことは
1.30用トランスファの仕様について
今回改造対象としたTFは、今まで扱ったものと仕様が異なっていた。
・シフトレバーボールシート(レバー球部下のプラスチックシート)が入っていない。
不足しているものと思い、これを入れたら高さが合わず、寸法・形状を確認したところ、球の当たり面取りがされておりシートが要らない構造であった。

これまで扱ったTFは下図のシートが入っている。仕様は2種類で
JA11用=高さ9.5mm、 SJ30用=高さ5mm である。

・スピードメータードリブンギヤ・ケース(スピードメーターケーブルを差し込むケース)がプラスチック製であった。これも初めてであった。
察するに、今回のTFは旧型の初期型なのか

2.ミッション側プロペラシャフト互換性の発見
このプロペラシャフト互換性の発見は、今回の大きな収穫だった。

おわり