KEVINサイトウの一日一楽 

人生はタフだけれど、一日に一回ぐらい楽しみはある。

ユーミンがBGM

2006年09月17日 | Music,Movie & TV
  (1) 雨のステーション~天気雨

高校を卒業して、大学に入ったばかりの18才の少年は、高校時代の同級生で、短大に通い始めた彼女と喫茶店で会った。少年は、彼女のことが大好きだった。女の子に愛を告白した経験など一度もない少年は、大変な決意で、しどろもどろになりながら自分の気持ちを伝えた。しかし、彼女はあっさりと「ごめんね。他に好きな人がいるの」と言った。彼女と別れた後、少年はバス・ターミナルで自宅方面へ走るバスに乗った。窓際の席に座ったが、窓の外を流れる街並みは少年の目には映らなかった。そんな時、突然に雲行きが怪しくなって、ポツリ、ポツリと雨粒が窓ガラスにぶつかった。その雨は瞬く間に激しくなって、大粒の雨が車窓を叩きつけた。最寄の停車場で少年はバスを降りた。滝のような雨を避けて、雨宿りしていると、直に雨は止み、黒かった空がみるみると晴れ、夕焼けがさして来た。夕焼けを見ながら少年は、ほんの少しだけ泣いた。夕立ほど激しくない、一粒の涙だ。

 (2)14番目の月~海を見ていた午後

20才の少年と19才の少女は新幹線に飛び乗った。名古屋から新横浜まで。大した距離じゃないが二人には大きな冒険だった。二人は逗子マリーナで行われる大好きなユーミンのコンサートを見るために電車に乗った。コンサートの開幕時間から逆算すると日帰りでは帰れそうにない。そこで親に嘘を言って外泊の許可を得て、出てきた。あらかじめ予約しておいた新横浜駅前のホテルにチエック・インするが、そんなことに慣れていない少年の態度はどこかおどおどして怪しげだった。早めに逗子マリーナに着いて、少し泳いだ。彼女はピンクのビキニを着ていた。そして夕闇が迫る頃、コンサートは開始した。前座、南佳孝、メイン、ユーミンという豪華版。丁度、発売されたばかりの「14番目の月」をテーマにしたライブだった。プールサイドで観るコンサートはとても気持ちが良かった。コンサートが終わった後、少年と少女の頬は感激で火照っていた。二人は手をつないで駅までの長い道を歩いた。翌日は、横浜の街を歩いた。元町で「ハマトラ」の洋服をみたり、「アンナミラーズ」でパイを食べ、コーヒーを飲んだ。外人墓地を歩き、更に港の見える丘公園に行った。その公園で二人はキスをした。そしてどちらともなく笑った。「昨日からキスし過ぎて、唇が腫れて痛いよ」

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3 コメント

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キッシュロレーヌ (いそちゃん)
2006-09-23 19:51:11
「アンナミラーズ」 懐かしいな~

いつも駒沢公園のお店に行ってました。

お気に入りは、キッシュロレーヌ。



知り合ってから20年経って、家族揃ってこの

お店に行きました。



ウーン、青春だな~
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アンナミラーズ (KEVIN)
2006-09-25 10:35:17
 あの時代は、可愛くてお洒落な店だったのに、最近は業績不振で、どんどん店を閉めているそうです。最高22店舗あったものが、現在は5店舗しかなく、更に9月中に2店舗が閉鎖されるそうです。

 元町の店もないのだろうな。

 駒沢公園の店も閉じたかもしれません。



 「ハマトラ」なんて今や死語ですし、時代は移り変わるのですね。
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きゃ~! (sato)
2006-10-11 12:18:51
切ない!すっぱい!ほろにが~い!



唇が腫れるほどキスしたいですねぇ。
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