KEVINサイトウの一日一楽 

人生はタフだけれど、一日に一回ぐらい楽しみはある。

True Story ? in Guam 7

2006年05月13日 | Travel
ボブのママに会った。

 巨人であるボブの体躯から、Big Fat Mamaを想像していたが、ボブのママは枯れ枝のように痩せて、黒褐色の皮膚に細かい皺がびっしりと刻まれた老人だった。

 ママは、僕を歓迎するために椰子のジュースを出してくれた。
何度も椰子のジュースは飲んだことがあるが、あまり旨いものではない。

 ママは鉈のような厚い刃物で器用に椰子の実を刻んで、ストローをさして、僕に差し出した。

 勢いよく飲んでみる。「むむ!!」「美味しい」
 こんなに美味しい椰子のジュースを飲んだことはない。

 どうしてこんなに美味しいのか聞いてみた。

 それは、樹齢によるのだという。3-5年ぐらいの樹齢のものが一番美味しい。
 それ以上古いものは、石鹸や油の原料になるという。
 僕は、今まで油の原料を飲んでいたようだ。
 フレッシュな果汁は身体をクリーニングする効用もあるのだそうだ。

 果汁を飲み終えた果実を、ママは再び鉈で二つに割いた。
 その中には、真っ白な果肉が詰まっている。
 それに、何と醤油とワサビをかけた。



 これが、実に旨い!
 アヴォカドもこういう食べ方をするが、それよりも果肉が締まっていて美味しい。

 喉が潤った頃には、日が暮れようとしていた。

 ママは僕をあるレストランへと連れて行ってくれた。

 そのレストランの名は「BOB's Mama BBQ」ボブのママのバーベキューという名前のお店。
 どうもママが経営しているらしい。

 質素な吹き抜けの木造家屋の中に、中心を四角にくり抜いたテーブルが10席ほど有る。

 海辺に面していて、海面を渡る風が涼しい。

 テーブルが四角にくり抜いてあるのは、そこに炭をくべるためである。

 大量の炭をぶち込んで、火をつけると、勢い良く炎が立ち上がる。

 

 火が落ち着いたら、バーベキューの始まりだ。


 
 素材は、シンプルだけど、美味しそう。ステーキ肉、鶏肉、ロブスター、牡蠣、マヒマヒ(魚)、様々な野菜を豪快に焼く。

 ほど良く焼けた食材を皿にとって、ソースをかける。
 がぶり、と肉を齧る。

 あ!この味は!
 ボブと海辺で食べたバーベキューと同じ味だ。

 そうか、あの時、ぶっかけた最高に旨いソースがママ特製のものだった。

 バド・ライトをぐいぐい飲みながら、バーベキューを胃の中に押し込んでいく。
 まさにボブのママのバーベキューというにふさわしい店だ。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« True Story ? in Guam 6 | トップ | True Story ? in Guam 8 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょっと怪しい・・・ (いそちゃん)
2006-05-17 12:46:56
原住民のママが醤油とわさびっていうのは・・・?

でも毎日楽しく読んでいますよ~
返信する
醤油 (KEVIN)
2006-05-17 21:21:00
キッコーマンと金印の努力のおかげで、醤油とわさびは、今や、世界中で認知されています。中国でも、ベトナムでさえも、現地料理を醤油にわさびをドロドロに溶かして、美味しそうに食べています。僕とボブの物語は、ノンフィクション?です。
返信する
Unknown (さっちゃん)
2006-05-17 22:21:33
こんばんは!

もっともっとこの小説の続きが読みたいという気分です。ご帰還されたらお話聞かせて下さいね!!
返信する
頑張ります ( KEVIN)
2006-05-19 06:59:32
さっちゃんが、楽しんでくれているなんて、感激です。あと、一、二話で完結予\定です。頑張って書きますので、最後まで付き合って下さい。近いうちにお邪魔します。又、美味しいワイン選んで下さいね。
返信する

コメントを投稿

Travel」カテゴリの最新記事