さて、今日の体験運転の参加料5000円のうち、果たしていくらくらい投資されているのだろうと思うほど豪華な仕出し弁当で昼食を取った後、いよいよキハ350形の事前講習が始まる。
この系列は古い形式なので、午前中に体験した最新型の気動車など、まさしく生まれたての赤子(っつーかまんまそのまんまだしw)のようなもので、運転操作がとても難しく、引き出しもさることながら、ブレーキが午前中のような電気指令式ブレーキのように、思った時に思っただけブレーキが利いてくれるような代物ではないので、講習にも少し時間が割かれる。
このブレーキのシステムを、当ブログ上で一言で説明するのは至難の業なので、ひとまず、自動空気ブレーキでググって頂くことで、解説の替わりとしたい。
要は、電気指令式は微調整が効くけれど、空気ブレーキは、あらかじめかけたい分だけのブレーキをかける必要があるため、微調整がなかなか効きづらい。
一通りの講習を受け、ひとまずアタマでは分かった気にはなったところで、運転の前に、停車している車両で、実際にブレーキの操作方法を体験する。
さて、午後の充当車両は…。
パッチギキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
この車両は、映画「パッチギ2」の撮影用に、京浜東北線をイメージして塗り替えられたもので、この3518-3519号車は、実際においらも昨年11月に、今勤める会社の面接帰りにフラフラと水海道行きの高速バスに乗っちゃった折りに取手まで乗ったことがある。確か塗色変更されて間もない時期で、沿線では結構な注目を集めるようで、乗客がケータイで写真を撮る姿があちらこちらで見られた。撮影用で4両がスカイブルーに塗り替えられたが、うち2両は元の塗装に戻され、この2両だけが今なおスカイブルー色として常総の地を唸りを上げて走っている。なんだか昔の大糸線の旧型国電みたい。
さて、車内ではブレーキ操作の解説。
一応、システムとしては、路面電車のように、効かせたい分だけブレーキを増圧させて、あとから緩めて微調整するようなシステムであることは理解したが、それが即座にハンドル捌きに反映できれば、プロとて止めるのに苦労などしまい。
ブレーキハンドルを直に握ると、ブレーキを増圧する時に、空気圧が変わる「シューッ」という音が手元から聞こえてきて、この音がまた、巨大な「機械」を動かしているという気にさせてくれる。今からあたしゃ、こいつを動かすわけですよ。
一通りブレーキ操作の事前講習が終われば、また先ほどと同じような体験運転に。
今度ばかりはブレーキ捌きもよく見ておかねばわからないと言うことで、運転台は黒山の人だかり。
それとて、運転している立場からすれば、後ろや横からの目線を気にしている暇など全くない。どうせ本物なのだから、視線が気になれば背後のカーテンを容赦なく閉め切って(ry
このクルマは、ブレーキもさることながら、引き出しもまたちょいとテクニックを要する。
普通の電車や、午前中に体験した新しい気動車あたりだと、いきなりノッチをフルに入れても何ら問題はないが、このクルマの場合は、まず1ノッチで引き出しを確認して、3秒くらい数えてからゆっくり2ノッチ、3ノッチとつないでいかないと、引き出しの時に「カッツーン」という衝撃が来る。実際に引き出しの時に、誰かがいきなり2ノッチだかに入れてしまったらしく、ガツーンという衝撃が車内に走った。この辺はMT車でゆっくりクラッチをつないでいかないと衝撃が来るというのに似ているかな。クルマと違って、実際にクラッチを繋ぐことはないが。
さて、おいらの番。
このクルマは発車前にいろいろと入れなければいけないスイッチがあるから、それを確認するのもまた一苦労、といっても、指導運転士が全部フォローしてくれるのだが。
先ほどと同じように、車掌台から発車合図のブザーの長打一発、「出発進行、発車」と喚呼し、まずはマスコンのノッチレバーを1ノッチへ動かす。
するとエンジン、爆音を立てながらゆっくりと動き出した!
いや、あたしは今、確かにキハ350形を動かしているわけなんでございますけれども、意外や意外、感慨よりは、早くもあたしの頭の中は、100メートル先の停車目標にどうやってこいつを止めるか…という事しかありゃしません。
参加者の間の話で、「ブレーキが利きすぎるから、『この距離では止まれないな』と思うくらいのところからかけるのが丁度いい」と聞かされていたから、それくらいの勢いでいざブレーキ…。
ブレーキを効かせすぎてガッツーンと止めちったorz
もっとも、こうしたブレーキングは各参加者の皆さん当たり前に繰り広げられており、止まる瞬間は何かに掴まっていないとダメなくらい。
うーん、ダメポだったか。
…なんていう感慨に浸る間もなくエンド交換、今度はこちらが車掌になってドア扱い。
車掌体験は先ほどと手順はほぼ一緒だから楽。
しかし。
今度は車内放送体験付きという。
あまり長ったらしく喋らなければ、30秒程度なら何を喋ってもいいということで、それなりにまとめ上げてみる。その気になれば車掌DJなんぞ(殴)
元来が国鉄形式のキハ350形、受話器型のマイクの底には、昔懐かしいオルゴールが付いており、喋るのが恥ずかしいという人は、こちらをいじくって誤魔化しても構わないとのこと(笑)。
全員の体験運転が終わったのが14時過ぎ、この体験運転は15時半頃まで時間が取られているので、急遽希望者はもう一往復出来るというアンコールがおまけで付いて来た。当然おいらもリベンジを誓う…。
今度は思いっきりオーバーランしちまったorz
ブレーキを増圧して、さあ緩めようと思ったら、頭の中ではこの手の車両のブレーキには効くまでにタイムラグがあるということは分かっちゃいても、なかなか素直にこちらの思うようには動いてくれない。せめてゆっくり止まろうと思ったら、今度はブレーキが緩まずにまたドカンと止めちゃった。
最後に、この体験運転会の司会者さんが、実は元指導運転士だったということで、「元」お師匠さんの実技披露。
止める操作は手慣れたものだが、ちょいと停車目標をオーバーラン。
やはりブランクはいかんともしがたいってか。
いやはや。
こうした大きな機械を動かすことと自爆装置は男のロマン(by成原成行)とはよくいったもので、実際に自分が握りしめたマスコンのハンドルで、自分自身がこんなに大きな鉄道の車両を動かしているのかと思うと、この感動は、とてもこんなところで書いて伝わるものではない。
これはもう、皆さんにも是非体験して頂きたい。
体験しなければ、この感動はいくら言葉で表しても陳腐な響きになるだけである。
この感動を体験出来ると思えば、参加料一人5000円は、決して高い金額ではないだろう。
関東鉄道の体験運転会は、月に一回、日曜日に行われているので、鉄男さんの単独参加はもちろんのこと、鉄子さん、あるいは鉄子さん予備軍の方々のカップル参加、或いは少人数のオフ会企画でも面白いだろう。
残念ながら来月13日予定の体験運転会は、もう満口になって締め切られたが、2月の運転会に、皆さんも是非参加されては如何だろうか。
掛け値無しに面白いのは、おいらが保証致します。
関東鉄道HPのトップから、体験運転の申し込みページに飛べるので、詳細はそちらをご参照されたい。
またとない体験をさせて頂いた関東鉄道さんに、心より厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
この系列は古い形式なので、午前中に体験した最新型の気動車など、まさしく生まれたての赤子(っつーかまんまそのまんまだしw)のようなもので、運転操作がとても難しく、引き出しもさることながら、ブレーキが午前中のような電気指令式ブレーキのように、思った時に思っただけブレーキが利いてくれるような代物ではないので、講習にも少し時間が割かれる。
このブレーキのシステムを、当ブログ上で一言で説明するのは至難の業なので、ひとまず、自動空気ブレーキでググって頂くことで、解説の替わりとしたい。
要は、電気指令式は微調整が効くけれど、空気ブレーキは、あらかじめかけたい分だけのブレーキをかける必要があるため、微調整がなかなか効きづらい。
一通りの講習を受け、ひとまずアタマでは分かった気にはなったところで、運転の前に、停車している車両で、実際にブレーキの操作方法を体験する。
さて、午後の充当車両は…。
パッチギキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
この車両は、映画「パッチギ2」の撮影用に、京浜東北線をイメージして塗り替えられたもので、この3518-3519号車は、実際においらも昨年11月に、今勤める会社の面接帰りにフラフラと水海道行きの高速バスに乗っちゃった折りに取手まで乗ったことがある。確か塗色変更されて間もない時期で、沿線では結構な注目を集めるようで、乗客がケータイで写真を撮る姿があちらこちらで見られた。撮影用で4両がスカイブルーに塗り替えられたが、うち2両は元の塗装に戻され、この2両だけが今なおスカイブルー色として常総の地を唸りを上げて走っている。なんだか昔の大糸線の旧型国電みたい。
さて、車内ではブレーキ操作の解説。
一応、システムとしては、路面電車のように、効かせたい分だけブレーキを増圧させて、あとから緩めて微調整するようなシステムであることは理解したが、それが即座にハンドル捌きに反映できれば、プロとて止めるのに苦労などしまい。
ブレーキハンドルを直に握ると、ブレーキを増圧する時に、空気圧が変わる「シューッ」という音が手元から聞こえてきて、この音がまた、巨大な「機械」を動かしているという気にさせてくれる。今からあたしゃ、こいつを動かすわけですよ。
一通りブレーキ操作の事前講習が終われば、また先ほどと同じような体験運転に。
今度ばかりはブレーキ捌きもよく見ておかねばわからないと言うことで、運転台は黒山の人だかり。
それとて、運転している立場からすれば、後ろや横からの目線を気にしている暇など全くない。どうせ本物なのだから、
このクルマは、ブレーキもさることながら、引き出しもまたちょいとテクニックを要する。
普通の電車や、午前中に体験した新しい気動車あたりだと、いきなりノッチをフルに入れても何ら問題はないが、このクルマの場合は、まず1ノッチで引き出しを確認して、3秒くらい数えてからゆっくり2ノッチ、3ノッチとつないでいかないと、引き出しの時に「カッツーン」という衝撃が来る。実際に引き出しの時に、誰かがいきなり2ノッチだかに入れてしまったらしく、ガツーンという衝撃が車内に走った。この辺はMT車でゆっくりクラッチをつないでいかないと衝撃が来るというのに似ているかな。クルマと違って、実際にクラッチを繋ぐことはないが。
さて、おいらの番。
このクルマは発車前にいろいろと入れなければいけないスイッチがあるから、それを確認するのもまた一苦労、といっても、指導運転士が全部フォローしてくれるのだが。
先ほどと同じように、車掌台から発車合図のブザーの長打一発、「出発進行、発車」と喚呼し、まずはマスコンのノッチレバーを1ノッチへ動かす。
するとエンジン、爆音を立てながらゆっくりと動き出した!
いや、あたしは今、確かにキハ350形を動かしているわけなんでございますけれども、意外や意外、感慨よりは、早くもあたしの頭の中は、100メートル先の停車目標にどうやってこいつを止めるか…という事しかありゃしません。
参加者の間の話で、「ブレーキが利きすぎるから、『この距離では止まれないな』と思うくらいのところからかけるのが丁度いい」と聞かされていたから、それくらいの勢いでいざブレーキ…。
ブレーキを効かせすぎてガッツーンと止めちったorz
もっとも、こうしたブレーキングは各参加者の皆さん当たり前に繰り広げられており、止まる瞬間は何かに掴まっていないとダメなくらい。
うーん、ダメポだったか。
…なんていう感慨に浸る間もなくエンド交換、今度はこちらが車掌になってドア扱い。
車掌体験は先ほどと手順はほぼ一緒だから楽。
しかし。
今度は車内放送体験付きという。
あまり長ったらしく喋らなければ、30秒程度なら何を喋ってもいいということで、それなりにまとめ上げてみる。その気になれば車掌DJなんぞ(殴)
元来が国鉄形式のキハ350形、受話器型のマイクの底には、昔懐かしいオルゴールが付いており、喋るのが恥ずかしいという人は、こちらをいじくって誤魔化しても構わないとのこと(笑)。
全員の体験運転が終わったのが14時過ぎ、この体験運転は15時半頃まで時間が取られているので、急遽希望者はもう一往復出来るというアンコールがおまけで付いて来た。当然おいらもリベンジを誓う…。
今度は思いっきりオーバーランしちまったorz
ブレーキを増圧して、さあ緩めようと思ったら、頭の中ではこの手の車両のブレーキには効くまでにタイムラグがあるということは分かっちゃいても、なかなか素直にこちらの思うようには動いてくれない。せめてゆっくり止まろうと思ったら、今度はブレーキが緩まずにまたドカンと止めちゃった。
最後に、この体験運転会の司会者さんが、実は元指導運転士だったということで、「元」お師匠さんの実技披露。
止める操作は手慣れたものだが、ちょいと停車目標をオーバーラン。
やはりブランクはいかんともしがたいってか。
いやはや。
こうした大きな機械を動かすことと自爆装置は男のロマン(by成原成行)とはよくいったもので、実際に自分が握りしめたマスコンのハンドルで、自分自身がこんなに大きな鉄道の車両を動かしているのかと思うと、この感動は、とてもこんなところで書いて伝わるものではない。
これはもう、皆さんにも是非体験して頂きたい。
体験しなければ、この感動はいくら言葉で表しても陳腐な響きになるだけである。
この感動を体験出来ると思えば、参加料一人5000円は、決して高い金額ではないだろう。
関東鉄道の体験運転会は、月に一回、日曜日に行われているので、鉄男さんの単独参加はもちろんのこと、鉄子さん、あるいは鉄子さん予備軍の方々のカップル参加、或いは少人数のオフ会企画でも面白いだろう。
残念ながら来月13日予定の体験運転会は、もう満口になって締め切られたが、2月の運転会に、皆さんも是非参加されては如何だろうか。
掛け値無しに面白いのは、おいらが保証致します。
関東鉄道HPのトップから、体験運転の申し込みページに飛べるので、詳細はそちらをご参照されたい。
またとない体験をさせて頂いた関東鉄道さんに、心より厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
それにしても、小馬さん最近北関東遠征多いね。
9月に秩父鉄道、11月に真岡鐵道と南栗橋、んでもって今日は関鉄。
出来ることなら南とか、西とかに向かいたいところなんですがね。
悔しいから年末年始は山陽と山陰と紀勢を乗り倒して、銀河で帰京してきますw
電車でGO!(運転台コントローラ付き)で我慢しよう。
新しくエントリを立ち上げましたよ。
思う存分語って下さいな。
>ながうちさん
あれはマジで、番組を一回お休みしても行くだけの価値はありまっせ。
なんとなれば動かしている時の実況音声を収録するってーのはいかがで?
>へいちゃんさん
その京○って、京成ですか? 京急ですか? それとも京王ですか? あ、京福ですか?
あれ、おかしいなあ、わからないなあ…。
これを町田~新宿58分の朝ラッシュで扱いまくってこそ職人肌というものですよね。
電気指令ブレーキでの「漢の制動」って、なんでしょう…?
電気指令ブレーキでの漢の制動ですが、制動距離を目一杯詰めた運転方法です。高ブレーキ力で一気に減速、低速域に入り衝動が大きくなる直前にブレーキを払いスムーズに停車させます。これによって制動距離、時間を短縮して効率の良い運転が出来る訳です。京急あたりでは結構前からよく見られます。応答性の高い電気指令ブレーキの特性を最大限に生かした運転方法ですね。ただし、ここ一発でキメなければならないので回生失効等で車両に裏切られると過走と背中合わせという素人にはおススメできない技です。(まあ、自動ブレーキ車と比べれば全然簡単ですが…)
たとえば昼の外回り、御徒町を出た列車がメイチでノッチを入れまくり、ノッチを切ったと思った瞬間、すぐさまブレーキを常用最大に入れて、停止位置手前で2回払うだけでぴたりと止めるその姿は、まさしく「漢」そのものですね。
さすがに雨天時ではみられない運転ですが…。