TDR周辺、ホテル第3波 昨年3軒開業、今3軒建設中 (朝日新聞) - goo ニュース
どう見ても過当競争です。本当にありがとうございました。
元職場の状況は、そのいきさつについてもあまり書くことはしなかったが、あえてこの記事が出たタイミングで書こう。
料理飲料部に対して下されたリストラに続いて、客室部でもリストラが発生している。
この場合のリストラとは希望退職を指しているので、厳密に言えばリストラには当たらないかもしれないが、広義の意味ではまったくのリストラである。
ディズニーに泊まりがけで来るような人たちも、旅行業界のダンピングにも似た低価格競争の格好のえさに食らいつく形で訪れており、ハイシーズンはともかくとして、シーズンをちょっとでも外れようものなら、地方各都市の旅行会社は、1泊一人1万円を切るような勢いで低価格競争が進んでいる。旅行先で新聞を読んだ時、旅行会社が出している広告を読んで、その客室単価の安さに愕然としたことがある。おいおい、こんな低価格競争でうちのホテルはやっていけるのかよ…と。だから案の定リストラされたわけだが。
ディズニー本体が堅調なのに反比例するように、ディズニーの外周を取り巻く環境は大きく変化しており、客のホテルにおけるレストラン利用スタイルの変化、NKホール閉鎖に伴う大宴会の減少などに加えての低価格競争、これに相次ぐ新規宿泊施設の建設が始まれば、どう考えても同じパイの奪い合いであることは、素人目に見ても火を見るより明らかである。
特に、ホテルにおけるレストラン利用の変化が大きい。低価格競争に乗っかった形で来る客にとっては、宿泊施設に落とすお金は少ないに越したことはないに決まっており、せいぜい落としても朝食くらいである。昼食や夕食は、園内に行けば魅力的な飲食施設が建ち並んでいるから、自然とそちらに流れていってしまう。今の客は、ディズニーには財布のひもはメチャクチャ緩いが、施設を出ればヒモはメチャクチャに固いのである。ここを訪れて下さるマリーンズファンの方向けに解説するならば、野球場ではカネを落としても、一歩球場の外に出れば一切ケチるのと同じと思ってもらえば差し支えない。野球場に遠征しては、その球場、球団のオリジナルグッズやその球場のうまいもの、お姉さんから買う一杯のビールにカネを落とすことは出来ても、遠征に使うのは青春18きっぷかツアーバスだよといった案配、バブルが終わって、それが今のディズニー客の中心的なスタイルになっている。夜中にディズニー近辺を走ったら、宿代を浮かせるためにクルマに寝泊まりしている客達がどれだけ多いか、嫌でも分かろうというものである。
低価格競争に加えての新規参入ラッシュ。
私は危惧している。
おそらく5年後にはいくつかのホテルが撤退を余儀なくされるかもしれない。
ただでさえ第一ホテルが撤退している過去がある(現在はホテルオークラ東京ベイ)。
私は断言する。
東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)周辺で新たなホテルが次々と誕生している。昨年3施設が開業、今も3施設が建設中だ。ディズニーランド(TDL)開業後の80年代後半とディズニーシー(TDS)開業に合わせた00、01年当時に続く第3波の建設ラッシュは、なお高いディズニー人気の象徴か、それとも過当競争の始まりか。
TDLの正門前ではいま、「ディズニーランドホテル」の工事が進んでいる。約4万5000平方メートルの「超一等地」に08年、英ビクトリア朝様式の外観を持つ9階建て、700室が開業する。TDRを営むオリエンタルランド直営ホテルはアンバサダー、ミラコスタに続き3軒目。客室は最多だ。
猛暑に加え、昨年は2205万人を集めた愛知万博にも押されて、TDRの入園者数は04、05年度、開業以来初めて2年連続で減った。
しかしホテル事業は順調だ。既存2施設の客室稼働率は90%台。70%が採算ラインの業界で突出ぶりは際だつ。絶えず追加投資を続けて新施設を加え、演出にも工夫を凝らし、「新鮮さ」を求めてきた。TDS開業以降は「1日では遊び尽くせない」と泊まりがけの来園者が増加。オ社の見立てでは入園者の35%は宿泊客だという。
08年には世界的に知られるカナダのショーグループ「シルク・ドゥ・ソレイユ」の専用劇場も完成する。「TDRの滞在型リゾート化はさらに進む」。少子化時代を尻目に、福島祥郎・オ社社長は自信の表情だ。
オ社ばかりではない。
TDRの西に並ぶ五つの「オフィシャルホテル」。このホテル群の一角に来春、不動産投資顧問会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズが建設中の「東京ベイ舞浜ホテル」(仮称)が加わる。11階建て430室。豪華レストランなどはない。「気軽に何度も泊まれるような料金設定」が売りだ。
源泉かけ流し温泉が魅力の「ウィンズラジャ舞浜ユーラシア」は今夏の開業。15種類の温浴施設が魅力で、露天風呂付きを含む和洋83室を持つ。
昨年開業した3施設の滑り出しは順調だ。TDSへ徒歩6分。立地が強みの「マイステイズ舞浜」(90室)はマンション風の控えめな外観で、1室(2人)1万1000円からの手頃な価格で満室の日が少なくない。
新浦安地区には天然温泉を引いた「ホテルエミオン東京ベイ」(380室)と、コンビニなどを備えた「パーム&ファウンテンテラスホテル」(702室)が誕生。TDRまで車で約15分と立地は不利だが、無料のシャトルバスで結びハンディ解消に余念がない。
すでに営業中の「先輩」ホテルたちも歩みを止めない。7月に開業20周年を迎える「サンルートプラザ東京」は北棟の3~6階を約3億円かけて豪華客船風に改装、3月までに128室が「キャビン」に生まれ変わった。「ホテルオークラ東京ベイ」は、6、7階のデラックスフロアの108室を女性客向けに一新。「ヒルトン東京ベイ」は4人で2泊以上なら最大1万円引きのキャンペーンを展開中だ。
「これまで以上に宿泊客の好みに対応でき、需要は伸びる」とオ社。逆にホテル関係者からは「共闘は必要だが、競争も激しくなる」と不安視する声も聞かれる。
周辺ホテルの部屋数は08年、約7600室に。業界誌「週刊ホテルレストラン」の石渡雅浩副編集長は「インターネットで値段やサービスが簡単に比較でき、客の目はますます肥える。どこもディズニーに頼り過ぎずに独自色を打ち出せないと、一気に差がつく恐れがある」と指摘する。
◇
〈東京ディズニーリゾート(TDR)〉 千葉県浦安市の埋め立て地に83年、オリエンタルランドがディズニーランドを開業、01年には海をテーマにしたディズニーシーが開業した。全体面積は200ヘクタール、遊技施設は計67に上る。05年度の入場者数は減ったとはいえ、2476万6000人。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの831万4000人、動物園日本一の上野動物園の338万5000人と比べても、その動員力は突出している。
どう見ても過当競争です。本当にありがとうございました。
元職場の状況は、そのいきさつについてもあまり書くことはしなかったが、あえてこの記事が出たタイミングで書こう。
料理飲料部に対して下されたリストラに続いて、客室部でもリストラが発生している。
この場合のリストラとは希望退職を指しているので、厳密に言えばリストラには当たらないかもしれないが、広義の意味ではまったくのリストラである。
ディズニーに泊まりがけで来るような人たちも、旅行業界のダンピングにも似た低価格競争の格好のえさに食らいつく形で訪れており、ハイシーズンはともかくとして、シーズンをちょっとでも外れようものなら、地方各都市の旅行会社は、1泊一人1万円を切るような勢いで低価格競争が進んでいる。旅行先で新聞を読んだ時、旅行会社が出している広告を読んで、その客室単価の安さに愕然としたことがある。おいおい、こんな低価格競争でうちのホテルはやっていけるのかよ…と。だから案の定リストラされたわけだが。
ディズニー本体が堅調なのに反比例するように、ディズニーの外周を取り巻く環境は大きく変化しており、客のホテルにおけるレストラン利用スタイルの変化、NKホール閉鎖に伴う大宴会の減少などに加えての低価格競争、これに相次ぐ新規宿泊施設の建設が始まれば、どう考えても同じパイの奪い合いであることは、素人目に見ても火を見るより明らかである。
特に、ホテルにおけるレストラン利用の変化が大きい。低価格競争に乗っかった形で来る客にとっては、宿泊施設に落とすお金は少ないに越したことはないに決まっており、せいぜい落としても朝食くらいである。昼食や夕食は、園内に行けば魅力的な飲食施設が建ち並んでいるから、自然とそちらに流れていってしまう。今の客は、ディズニーには財布のひもはメチャクチャ緩いが、施設を出ればヒモはメチャクチャに固いのである。ここを訪れて下さるマリーンズファンの方向けに解説するならば、野球場ではカネを落としても、一歩球場の外に出れば一切ケチるのと同じと思ってもらえば差し支えない。野球場に遠征しては、その球場、球団のオリジナルグッズやその球場のうまいもの、お姉さんから買う一杯のビールにカネを落とすことは出来ても、遠征に使うのは青春18きっぷかツアーバスだよといった案配、バブルが終わって、それが今のディズニー客の中心的なスタイルになっている。夜中にディズニー近辺を走ったら、宿代を浮かせるためにクルマに寝泊まりしている客達がどれだけ多いか、嫌でも分かろうというものである。
低価格競争に加えての新規参入ラッシュ。
私は危惧している。
おそらく5年後にはいくつかのホテルが撤退を余儀なくされるかもしれない。
ただでさえ第一ホテルが撤退している過去がある(現在はホテルオークラ東京ベイ)。
私は断言する。
僕が10年程前に浦安に住んでた時はホテル市場は殿様商売だった記憶があったんですが。
NKホールや第一ホテルまでが潰れてたなんて全く知らんかったです。
にしても過当競争過ぎますよね。
ディズニー自体の集客力も圧倒的とは言っても若干の微減傾向にあるらしいですし。
本当、五年後にはどうなっているんでしょうかねえ。
多分、小馬殿の言ってるとおりになるでしょうね。
遠方からねずみ王国に来て、宿泊施設にも大枚を落とせるような家庭は少ないでしょうからね。
面白い記事有り難うございました。
毎度お世話になっております。
ディズニーシーが出来て、アンバサダーホテルとホテルミラコスタという宿泊施設を成功させたオリエンタルランド社は、顧客を宿泊させてさらに楽しんでもらおうという施策に乗り出したわけです。裏を返せば、「俺たちで上前の宿泊客は取り込むから、あんたらはこぼれたパイでも拾ってくれ」ということなのです。ここ5年で大きく変化したといってもいいでしょう。
ディズニーの客が大きく落ち込むことは、ブランド力から言ってもまず考えられませんが、上前の客をディズニーが独り占めする一方、周辺の各ホテルは低価格競争に首を突っ込まざるを得ない状況になっています。はたしてどこが最初についていけなくなるのでしょうか…。
>あきちゃんさん
なにせホテルのレストランが潰れるご時世ですから、低価格競争に乗じてやってきた客からお金をはぎ取るには、そうそうの労力ではやれません。天ぷらそばのルームサービスに2500円払えますか? と問われれば、誰だって払えないと答えるでしょう。