最決平成13・4・11は、訴因変更の要否の判断基準について、
①訴因の記載として不可欠な事実の変更には、
訴因変更手続が必要。
そして、
②①範囲を超える事実も、
訴因に明示された時には、
被告人の防御の保障の観点から、
原則として訴因変更が必要。
ただ、
③②でも、
具体的に見て、
被告人に、不意打ちを与えず、
かつ、
認定事実が記載事実より不利益にならない場合には、
訴因変更不要。
としました。
じゃ、縮小認定は…?
①の規範からして、
訴因の記載として不可欠な事実の変更であれば、
縮小認定すらできず、
訴因変更が必要である。
…という結論になる?なるの?
これを最決昭和28・11・20の例で検討してみましょう。
同最決は、
殺人未遂の訴因から傷害へ縮小認定することを認めています。
殺人未遂と傷害の違いは、
殺意の有無にある…と思います。
そうすると、
「殺意」の変更が、
審判対象に不可欠な事実の変更であれば、
縮小認定ができないことになります。
殺人罪の訴因には、殺意の記載は不可欠でしょう。
だから、縮小認定はできないことになります。
…って、そんな結論ありえませんよね。
打開策としては、
変更後の訴因を基準に判断すること。
つまり、
縮小認定後の「傷害」の訴因からすれば、
殺意の記載は不可欠ではありません。
だから、①はクリアします。
…って、平成13年最決との整合性は?
平成13年最決が、①を打ち出したのは、
「審判対象が変わっちゃったら、俺ら裁判官は何を判断すんねん?」
という趣旨だと思われます。
そうすると、
そこでは当初の審判対象から判断できないほどの変更があるかどうか
が問題になっているわけですから、
やはり当初の訴因を基準に判断すべきでしょう。
おそらく、縮小認定について、
今までの判例が変わることはないでしょう。
殺人未遂から傷害への縮小認定は当然認められるはずです。
では、コレと平成13年最決とを
どのように理論的整合性を保たせるべきでしょうか?
平成13年最決が①を打ち出したのは、
上述の通り、裁判所に審判対象を明らかにするためです。
そして、
縮小関係の小さい方にあたる訴因は、
検察官からは予備的に主張されていると考えることができます。
そうすると、
縮小認定ができる場合には、
小さい方の訴因は、
少なくとも潜在的には裁判所の審判対象となっていたと考えられます。
そうだとすれば、
縮小認定ができる場合には、①を要求する必要はないはずです。
「訴因の記載として不可欠な事実の変更でも、縮小認定なら可能」
今日のところは、こう考えておきます。
<本日の快便指数>65
①訴因の記載として不可欠な事実の変更には、
訴因変更手続が必要。
そして、
②①範囲を超える事実も、
訴因に明示された時には、
被告人の防御の保障の観点から、
原則として訴因変更が必要。
ただ、
③②でも、
具体的に見て、
被告人に、不意打ちを与えず、
かつ、
認定事実が記載事実より不利益にならない場合には、
訴因変更不要。
としました。
じゃ、縮小認定は…?
①の規範からして、
訴因の記載として不可欠な事実の変更であれば、
縮小認定すらできず、
訴因変更が必要である。
…という結論になる?なるの?
これを最決昭和28・11・20の例で検討してみましょう。
同最決は、
殺人未遂の訴因から傷害へ縮小認定することを認めています。
殺人未遂と傷害の違いは、
殺意の有無にある…と思います。
そうすると、
「殺意」の変更が、
審判対象に不可欠な事実の変更であれば、
縮小認定ができないことになります。
殺人罪の訴因には、殺意の記載は不可欠でしょう。
だから、縮小認定はできないことになります。
…って、そんな結論ありえませんよね。
打開策としては、
変更後の訴因を基準に判断すること。
つまり、
縮小認定後の「傷害」の訴因からすれば、
殺意の記載は不可欠ではありません。
だから、①はクリアします。
…って、平成13年最決との整合性は?
平成13年最決が、①を打ち出したのは、
「審判対象が変わっちゃったら、俺ら裁判官は何を判断すんねん?」
という趣旨だと思われます。
そうすると、
そこでは当初の審判対象から判断できないほどの変更があるかどうか
が問題になっているわけですから、
やはり当初の訴因を基準に判断すべきでしょう。
おそらく、縮小認定について、
今までの判例が変わることはないでしょう。
殺人未遂から傷害への縮小認定は当然認められるはずです。
では、コレと平成13年最決とを
どのように理論的整合性を保たせるべきでしょうか?
平成13年最決が①を打ち出したのは、
上述の通り、裁判所に審判対象を明らかにするためです。
そして、
縮小関係の小さい方にあたる訴因は、
検察官からは予備的に主張されていると考えることができます。
そうすると、
縮小認定ができる場合には、
小さい方の訴因は、
少なくとも潜在的には裁判所の審判対象となっていたと考えられます。
そうだとすれば、
縮小認定ができる場合には、①を要求する必要はないはずです。
「訴因の記載として不可欠な事実の変更でも、縮小認定なら可能」
今日のところは、こう考えておきます。
<本日の快便指数>65