07’・8・24~26 穂高の岩稜縦走
<槍穂完全縦走完結編>
今回の山行は過日実施した(7/31~8/2)槍穂完全縦走の続きだ。(台風5号の影響で「槍~大キレット~北穂~白出のコル」までで無念の打ち切りだったので)
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今回のコースは急峻でやせた岩稜の登下降の連続で、危険度においては国内でも第1級の難コースであるが、岩と展望とスリルに満ちた密度の濃い山行となった。
概略
1日目 上高地~岳沢~前穂~奥穂~涸沢岳
2日目 奥穂~ジャンダルム~天狗の頭~間ノ岳~西穂
3日目 西穂~焼岳~上高地
↑ つまり、河童橋からぐるりと見える穂高の稜線を歩いたわけだ。
メインは2日目のコースだ。このコースは国内一般ルートの最難関とされているところだ。
ジャンダルム(および周辺)について少し触れておく。
奥穂~西穂を結ぶ稜線上にある。上高地(河童橋)から正面に見えるあの有名な山岳風景のほぼ中央に位置するそそり立つ尾根の一部だ。ルートはガレ場、ナイフリッジ、逆層スラブetc.クライミングチックな箇所がてんこ盛りで連続する。しかし、ザイルやハーネスなどのクライミングギア無しで縦走できる微妙な危うさが魅力な一般縦走できる日本で1番厳しいルートとされている。
思い起こせばジャンダルムを間近で初めて見たのは初心者の頃、奥穂に登った時だ。その威圧感に圧倒されつつも、その岩塊の虜となり、いつしか自分も歩いてみたいと思った。しかし、当時の自分は単発で奥穂登頂でさえちょっとした冒険の域であった。そんな自分と照らし合わせるとジャンダルムの縦走なんて夢のまた夢であった。
山のレベルを段階的に高めたり、コースを徐々に延ばしたり、何年もかけて踏み込む確信を自分の中に築いていった。
今でこそ、ゆとりを持ってスリルを楽しんで歩けるようになったが、そこにたどり着くには一朝一夕で臨んだのではないことを付記しておく。
*槍穂縦走全般についても同じだが、特に、ジャンダルムを挟んだ部分については各自の判断と責任で行動されるようお願い致します。
登山地図で一般コースに含まれているのに破線でCTの記載がないのはそういう意味です。<毎年事故が発生しています。今回自分も後続者による人為的な落石の危機にさらされました。やはり、他のルートとは一線を画します。>
8月24日(1日目) 岳沢~重太郎新道~前穂~吊り尾根~奥穂~涸沢岳
最盛期も過ぎ、静かな上高地BTの朝。登山届けを提出して出発だ。
河童橋を渡り、梓川右岸を進む。「穂高・岳沢登山路」より入山。鬱蒼と繁った木立の中を登っていく。
30分ほどで小さな風穴がある。ひんやりする!
岳沢中腹より見る穂高全景。写真では前穂や西穂が切れているが実際は丸見えだ。この稜線を全部歩くと思うとテンションが高まる。
ジャン、コブの頭、天狗の頭などが迫る。胸が高鳴る。
ヤチトリカブトが登山道を彩る。
昨年雪崩で全壊した岳沢ヒュッテ。再建中との情報だがいまだ仮設の売店のみ。
水とトイレは共に有料だ。
右へ折れる。ここから本格的な急登となる。
重太郎新道を登る。名物、なが~い鉄梯子のお出迎えだ。
稜線に飛び出すまでは樹林帯の中ではあるが、河童橋からの眺めからも察しはつくと思うがここは急登だ。しかも、岩登りが既に始まっている。
「カモシカの立場」と呼ばれる展望台を通過。目の前に稜線が迫りくる。
グングン高度を上げていく。天狗のコルから先の西穂側に連なるギザギザの稜線が下がって見えてくる。
上高地・焼岳・霞沢岳・乗鞍などが俯瞰できる。
前穂の頂を稜線から見上げる。まだまだ先は遠い。
傾斜したスラブ状の岩場を登りきると
紀美子平だ。前穂の登りは急峻で険しい。ザックをデポして空身かサブザックでアタックするのが一般的だ。
紀美子平より前穂の頂を見上げる。
紀美子平を真下に見ながら前穂山頂へアタックだ。後続の登山者が見えた。
前穂高岳山頂(第1峰)3090m 槍~奥穂~西穂へと連なる稜線がずらりと見える。槍の右には白馬方面、左には薬師方面。常念山脈も全て見える。
やったね! ここも好展望のピークだ。
手前に明神、そして霞沢岳。大正池を挟んで焼岳。更に奥には乗鞍岳。
奥穂の奥に黒い岩肌のジャンダルムが一際目立つ。
前穂山頂からは涸沢カールが俯瞰でき、涸沢ヒュッテのテント村もよく見える。奥又白池もよく見える! 昨年のように残雪が多い年は圧巻だ。
これから進む奥穂に連なる吊り尾根の縦走路を確認する。
常念岳側に目を転じれば、前穂北尾根2峰ピークを目指して登ってくるクライマーがいた。しばし、クライミングの様子に見とれる。
素晴らしい展望に名残は尽きないが、紀美子平に戻り縦走路を奥穂へ向かう。
吊り尾根を奥穂に向かう。さっき登った前穂を振り返る。後方のギザは明神岳。
岩稜のコースでもトウヤクリンドウ、イワツメクサ、イワギキョウなどの花が目を楽しませてくれる。
奥穂高岳 3190m。北アルプスの最高峰だ! 360度の展望が楽しめる!
千晴も好展望に「わんダフル!」
この方向の展望が一番いいかな。奥穂の定番ですね!
いつまでも見ていたい!! ただ歩くだけでなくたっぷり山頂で展望を味わうプランが絶対お奨めだ。前穂も奥穂も各1時間以上じっくり目の保養でした。
足早に山頂を去る人、もったいないよ~!
明日登るジャンダルムと対峙する。気持ちが引き締まる。
奥穂山頂からジャンへの縦走路を望む。
奥穂を後に、白出のコルまで下り 登り返して涸沢岳を目指す。
槍・北穂・涸沢岳の3000mジャイアントトリオの揃い踏みだ!
涸沢岳 3110m 夕暮れまでタップリ展望を楽しむ。
中でも1番のお気に入りは、大キレットを挟んだ槍ヶ岳と北穂。この眺めがいい。
ジャン、ジャ~ン!
明日はいよいよ本山行のクライマックス!
「ジャンダルムへの道ー2」に続く。
快晴の空の下、北アルプスの岩稜歩きは夏山劇場の最高の舞台です!
やまとそばさんも岩稜の山はお好きですか?
涸沢-奥穂-前穂ときてこのながーい道を
降った時のヘロヘロ感を思い出しました。
おやおや、奥様といっしょですか?
すごいですね、ジャンもご一緒できる方なんですね。
それにしても カモシカさんの写真はスッキリクッキリ
きれいですねー
前穂では、ガスの中野生のカモシカが登っていたのを
思い出しました。
その一種荘厳な姿に、登る気がうせたの覚えています(^ω^)
それじゃ、穂高のよさ分かるよね!
初めて槍から縦走したときはラストは重太郎新道を降りました。やけに長く感じたものです。
でも、そこをルンルンと登ってやりました!
写真はロビンさんのもきれいですぞ!IKY姉さん。
私の兄貴分と遭遇ですか。
私は最終日にクマですよ!