021： 自死の疑問

人間は自分の意志で死ぬことができる。それだけ思い込みの激しい精神性を持つ種族だ。心への抑圧・憂鬱・嫌悪・苦悩・絶望に至って死を選び実行する。本来、生きることは日々の新たな発見があり、学ぶことで人生への意欲が生まれ、その蓄積で人として成長できるはずだ。所が日本の場合は連日、何処かで何と80人余が自殺している勘定で統計では年間3万人前後だ。生きるも死ぬも本人の自由ではあるが、他人への迷惑と、本人のその後には大きな問題がある。

この先は科学で証明が出来ないが、古来から人々は死後の世界に関心を持ち、今では宗教家の概念ではあるが「輪廻転生」を信じる人の方が多いとされる。
私も20代から死とは何かに興味を持ち先人の著作を読み漁った。国の内外を問わず古代から死後世界があると伝えられて来ている。これは自然の概念であり、宇宙の物質は全て転生を繰り返している。

転生を否定し今回限りと思うから人は自殺できるのではないか？または転生できると思う人は来世に解決を託すとしたら、それこそ大きな誤解だろう。人を始め生物、無生物は宇宙の法則に従い流転する。特に人類は精神性を持ち転生を経て進化する役割を持たされているのではないか？

仮にそうだとすれば転生を繰り返し、持ち越された課題を解決して精神的成長をするのが生きる目的と言える。その課題が人生で何回か遭遇するとしたら自殺は逃避であって解決にはならない。下手すると転生を何回も繰り返す事にもなる。この考えではゲームリセットは無く、苦労して生きて解決して成長することが人の生き方となる。

以上は良く出来た概念だと納得できる。人生には多々の問題があり、挑戦し解決することで上に登れるのだ。人間的に優れ、他人を救える人はかなりの上級者である。

私は転生理論を子供時代から教えるべきと思う。親と学校、世間が教えれば子供たちが成長して苦悩しても、自殺や殺人が決して自分のため人のためにはならないと思えるであろう。

これは本来、宗教者が一般に説かねばならない。死人の葬式宗教ではなく生きている人の人生宗教になるべきだ。人の生き方を説き、死の意味を諭すのが宗教の務めでないだろうか？