川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

私が聞いた北朝鮮の暮らし④ 《エレベーター付の金日成様》 鈴木倫子

2011-01-20 09:50:05 | 韓国・北朝鮮
1月20日(木)晴れ 
風邪を引いてから一週間が経ち、すっかり恢復しました。18日には所用で東京に出向き、19日は川越公園を散歩しました。風さえなければ週末には自転車こぎが出来るでしょう。

《エレベーター付の金日成様》

 
真紀子さんのお父さんは、大型掘削機の技術者だった。 
 「うちのお父さんは、金日成の銅像建設の仕事もしたのよ。銅像の台座を立て
るためには、地面に大きな穴を掘らなければならないの。それには大型の掘削機
が必要なんだけど、機械はあっても技術者の数が足りなくて、お父さんは全国に
出張していたわ。何かあると、あっちにもこっちのも金日成の銅像建設してたか
ら。」
 
 「ふーん…そうか、実際に見たことはないけど、あれって確かにデカイものね
。台座だって相当深くまで掘って埋めなくちゃね。何メートル?10メートルくら
い掘るの?」
 
 「ううん、もっと深く、20メートルとかもっと、たぶん。あのね、台座の下は
エレベーターになってるのよ。戦争なんかになったとき、銅像が台座ごと地中深
く収納されるようにしてあるの。」
 
 な、な、なんと、自動収納式銅像とはこりゃまた…。あたしのあごは一瞬にし
て胸まで落ちてしまった。
 
 全国各地で一斉に、キンピカ巨大な金日成の銅像がかすかな電動音とともに静
々と地中に下りていく図を想像して、思わず胴震い。
 確かに、ソ連崩壊のとき引き倒されたレーニン像のことは、北朝鮮の指導者たちにとって、
とてつもないトラウマになっているかも知れない。しかし、いくら「何より大事な金日成様」と
いったって、所詮は銅像じゃないか。そこまでやる前に、もっとすることあるん
じゃないの? 
 「そういう国だから」と言われても、あたしにゃわからない。


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