川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

日本橋高校の入学拒否事件

2008-12-02 07:23:08 | こどもたち 学校 教育
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 都立高校の現場で働く友人から日本橋高校事件についてメールで意見を聞かれました。この友人は職場は違いますが入試データ改竄の「犯人」とされている副校長の人柄を知っている人です。

 「他の生徒を守るために判断した改ざんだったと思います。日本橋での職員の総意だったと思います。教務の入選担当に累を及ぼさないよう、副校長が実際の書き換えをおこなったとありますが、そんなことはまず副がやりません。担当者がやります。」

 「改ざんですから、非はあきらかです。けれども、再受験防止にたいして何の手だても打ってこなかった都教委の責任はなぜ問題にされないのでしょうか。
保護者の側から見れば、暴力行為で退学させた生徒がまた入学するなんて考えられないことです。」

 ぼくはこの種の事件についてだいぶ疎くなっています。ネット上の記事を読んで、あれこれと考えているところです。校長や副校長を更迭し、場合によっては刑事告発をすると都教委はいっているそうです。このような事だけで問題解決が出来ないことは明らかです。皆さんはどう考えますか。よろしかったらコメントをお願いします。

 参考までに『読売』と『毎日』の記事を紹介します。

  

「オール1」扱い合格阻止
  2人の調査書自己PRも0点に


 都立日本橋高校(中央区)で入学試験結果が改ざんされ、2人が不合格になった問題は、情報提供が寄せられた今月まで約2年半、発覚しなかった。都教委はチェック機能が働かなかったとして再発防止策の検討を始め、不正に関与した当時の校長と副校長を処分する方針。ただ、識者からは「問題のある生徒への指導は、学校だけでは限界がある」という指摘も出ている。(山崎純之介、石川剛)

 都教委によると、2人は2005年4月、同校に入学後、校内で暴力を振るったり、校外で補導されたりし、同年12月に自主退学した。06年2月に同校を再受験し、2人は受験した男子62人中、34位と59位で、上位60人の合格圏内だった。

 不正操作は手が込んでいた。2人の自己PR書類の評価(100点満点)を0点にし、出身中学が作成した調査書の評価(400点満点)を、通知表レベルで最低の「オール1」相当の78点に下げた。2人より成績が下だった受験生の評価もかさ上げし、2人は61位と62位で不合格となった。

 現役の中3が受験した場合、総合成績の「得点表」が高校側から中学に送付されるため、中学側が作成した調査書が入試結果に反映されているかどうかチェックできるが、2人はすでに中学を卒業していたため、チェック機能が働かなかった。都教委は、来年2月の入試から、現役生以外の受験生には本人に得点表を送付するなど、再発防止策を検討する。都教委の調査に対し、当時の校長らは「暴力行為を起こした生徒が、再び入学すると、また問題が起きる恐れがあるため、改ざんしてしまった。とんでもないことをしてしまった」と話しているという。

 教育評論家の尾木直樹氏は、「2人の態度や内面を把握した上で判断したのだろうが、同じ学校に戻っても、うまくいかないことは明らか。別の高校の受験を薦めるなどの対応は取れなかったのだろうか」とする。教育評論家の小宮山博仁氏は、「各校の判断で入試に面接を実施できるようにするなど、ルールを設ける必要がある。問題行動を繰り返す生徒の指導を学校だけに任せるのに、限界があるのも事実だ」と指摘した。(2008年11月29日 読売新聞)

  都立日本橋高の入試得点改ざん:減点処理、執ように 受け入れに難しさ
 
◇課題抱えた受験生拒絶
 都立日本橋高校(中央区、生徒数422人)が06年度入試で合否判定資料を改ざんし元生徒の男子2人を不合格にした問題は、当時の校長の指示で副校長が2人を不合格にするために執ような減点処理を繰り返していた。暴力事件を起こすなど生活指導上の課題を抱えた受験生を拒絶した校長らの過敏な態度とともに、受け入れの難しさを浮き彫りにした。

 都教委によると、不合格になったのは、現在20歳と18歳の元生徒。男子の一般入試は計62人が受験した。学力検査に調査書と自己PRカードの得点を加えた総合成績順に並べ替えると、20歳の元生徒は34位、18歳の元生徒は59位だった。

 当時の苗村深校長(60)=現福生高校長=は武田富雄副校長(58)=現足立西高副校長=に2人を不合格にするよう指示した。武田副校長は3段階にわたって調査書や自己PRカードの得点を増減させ、2人だけが合格ラインの60位から外れるようにした。

 同校の中退者は、05年度28人、06年度39人、07年度12人で推移。来年4月から墨田区八広へ移転する予定で、生活指導にも力を入れている最中だった。同校の関係者は今回の問題について「中退者が出るため、クラスの人数が学年を追うごとに少なくなる。おとなしい生徒が多い中で、暴力行為は目に余って指導に困るが、入試資料の改ざんまでするのはひどい」と話す。

 問題の発覚を受け、同校3年の男子生徒は「昔の話で、いまさらという感じがする」と淡々と語った。別の1年の女子生徒は「問題を起こした生徒に差別があったと思うけれど、当時のことはよく分からない」と戸惑いの表情を見せた。

 高校入試を巡っては、神奈川県立神田高校でも服装や態度を理由に合格基準に達していた受験生を不合格にする問題が発覚した。都教委の大原正行教育長は28日の会見で「都の件は点数そのものを改ざんしているわけだから、神奈川のケースとはかなり異質と思っている」と話した。

 一方、石原慎太郎知事は28日の定例会見で「まことにフェアじゃないし、教師としてあるまじきことだ。面倒くさいから見えないところで採点工面して切り落とすなんて言語道断だ」と厳しく批判した。【木村健二、江畑佳明】

               毎日新聞 2008年11月29日 地方版



 

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6 コメント

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都教委の責任は別問題では? (h.matsumoto)
2008-12-02 23:45:09
 尾木直樹氏のコメントでも、けいすけ先生の現役のご友人の言葉からも、日本橋高校の職員に対する基本的な「信頼」が窺えますね。それを前提にする限り、「不合格措置は結果的に妥当だったがその手段が間違っていた」という論理にならざるをえないように思います。
 この種の問題が厳然として存在し、現場の教職員の対応のみに任せていたのではうまく行かないことは、その通りでしょう。しかし、百歩譲って「2人の態度や内面を把握した上で判断した」のだとしても、その適正さは何によって担保されるのでしょうかね。そうした微妙な判断に対する、異議申立権は保障されているのでしょうか。再受験した若者は、「お礼参り」をするつもりで再受験したのでしょうか。「自主退学」のインチキさを知っている人間としては、言い換えると、教職員集団の「意思」なるもののいい加減さを知っている人間としては、「再チャレンジ」をしたのではない客観的証拠が、是非とも必要だったように思います。もともと「手段」自体は許されないのですから…。
 それらの点をすっ飛ばして、「再受験を阻止しうる手立てを設けてくれなかった都教委の責任が大きい」とは、けっして言えないような気がするのですが…。
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遅ればせながら (matsuzaki)
2008-12-17 23:07:11
現場で殴られて、退学をさせ、恨み言のひとつも言われて、これすべて現場の先生方が苦労されていることです。その問題児が同じ学校に入れるはずがありません!そんなに世の中が甘くていいはずありません!これでは人を殴ってでもやりたい放題やったモンがちになってしまいます。教育の機会そのものを奪うのが悪だといえば聞こえはいいですが、他のまともな生徒に与える悪影響を考えれば当然の判断でしょう。都民にお詫びだなんて冗談じゃありません!もしわびるなら、校長を更迭したことを詫びるべき。都教委は近年本当に判断がおかしい。非常識。現場無視。本質無視。教育をおかしくしているのは一体誰なのかが良く判ります。ろくでなしを保護して真っ当な教育者を更迭。理解ができません!
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「自己責任論」の射程と「裁く者」 (h.matsumoto)
2008-12-23 00:26:59
> ろくでなしを保護して真っ当な教育者を更迭。
> 教育の機会そのものを奪うのが悪だといえば聞こえ
> はいいですが、他のまともな生徒に与える悪影響を
> 考えれば当然の判断でしょう。
> これすべて現場の先生方が苦労されていることです。
> その問題児が同じ学校に入れるはずがありません!
> そんなに世の中が甘くていいはずありません!

 私は、公教育現場にいる・いた者ではありませんが、もし上記書込みをされた者が公教育現場におられる方だとしたら、その背景に小泉元首相流の「新自由主義」に毒された「自己責任論」の影を感じ取られてなりませんね。

 そして、「ろくでなし」生徒に対して一方では検察官・裁判官のような権力を振い、他方では「他のまともな生徒」という赤子に対する天皇のような「思いやり」を示す「権力者」に対して、どうして同情をしなければならないのか、理解できませんね。
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追伸:「自己責任論」の射程と「裁く者」 (h.matsumoto)
2008-12-23 00:58:01
 もともと、入学試験の成績原簿に記載すべき真正な点数を改竄して、合格基準に適合しない点数を記載した行為は、虚偽公文書作成罪(刑法156条)にも該当しかねない悪質な行為です。いかに「裁量権限」があるとしても、その種の裁量は適法視されえないはずではないでしょうか。
 そうした行為を行った者を「まともな教育者」と呼べる神経は、理解できないのです。この人たちこそが「ろくでなし」にならないという根拠は何なのか、その「違法性阻却事由」を論証できているのか、その点の冷静な検討を是非望みたいのです。

 上記投稿者の持論の発想に即して言えば、最も公正であるべき入学試験の点数を不正に改変して人を不合格にしておきながら、他者にその責任を転嫁する態度は「ろくでなし」ではないのか。一般社会でそのような態度が通用するとは、とても思えません。だから、「閉鎖社会の中の権力者」だと言っているのです。
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追伸2:「自己責任論」の射程と「裁く者」 (h.matsumoto)
2008-12-23 01:06:25
 そして、「真っ当な教育者」だと自負する者のこうした行為こそが、「日の丸・君が代」を強制し、「職員会議での挙手採決・討論」を禁じる都教委の真の「権力的抑圧・教育の思想統制『行政』化」に援護射撃をしていることを、論者は知るべきだと思います。
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追伸3:「自己責任論」の射程と「裁く者」 (h.matsumoto)
2008-12-23 18:41:08
 ここまで書き込んできて、「もしや『まともな』公立高校生を持つ保護者では?」と思い当りました。そこでさらに、「自己責任論」をどこまでも押しすすめるとどうなるかについてひとこと。

 「他のまともな生徒に与える悪影響」の排除こそ重視すべきだというのなら、こうした不正改竄を行って排除せざるをえない「ろくでなし」生徒が紛れ込んでくる高校に、自分の子どもを入学させなければよいのです。
 おそらく、麻布だとか筑駒だったら、こうした問題は起きにくいはずですよね。「偏差値が足りない」「お金がない」というのなら、もっと努力して子どもの偏差値を上げさせ、保護者としてたくさん稼げばよいのです。それができないならば、あれこれ文句を言うな! ということです。

 この種の議論がどれだけおかしいか。自分の気に食わない「同居者」を排除する論理が、どれほど傲慢に充ちているのか。
 高い塀を設けエリアバリアを張って警備員に常時警備させるなど、不埒な輩を完全に排除できるアメリカの高級住宅地の住人の発想は、まさにこうしたものだとは思いませんか。

 どうしてこうなるのかと言えば、問題に対する対処の方法が決定的に間違っている、ということに対する認識が甘いからです。学校職員だけの取組みでは、とても対応しきれない現実に対して、そのことを保護者や地域社会、さらに一般社会に積極的に訴えて、社会的連帯と共同の取組みによって解決しようとする姿勢が弱いからです。教職員として、そのアピールの職責を果たし切れていないからです。保護者どうしが、子どもの学びの場をともにする者どうしとしての連帯よりも、「厄介者」扱いをして排除することに目を向けているからです。
 目的が正当なら、多少手段がおかしくても擁護すべきだというのは、立派なファシズムです。民主主義は、手続過程の正当性をも厳しく要求していることに、私たちはもっと真剣な目を向ける必要があるのではないでしょうか。
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