かんたんでインパクト大なテーマから始める

企業を変革する上で、一番気をつけないといけないことは何だと思いますか？

一條 和生氏は、「最初に手がけるテーマの選択だ」といいます。
それはなぜか。最初に手がけるテーマに、失敗は許されないからです。

変革を始めるときに、誰もが最初から賛成するわけではありません。
抵抗する人もいるでしょうし、様子見／傍観する人もいるでしょう。
最初の取り組みに失敗してしまえば、そういう人たちから
「ほら見ろ、やっぱり最初から無理だと思ってた」と言われてしまいます。
また、賛成してくれた人も、
「自分たちのやりたいことって、やっぱり理想論に過ぎないのかな」などと
弱気になってしまうことがありえます。

だからこそ、最初の取り組みは、確実に成功できるものを選ばないといけないのです。

複数の実行テーマの中から、最初の1つ目を選択するための基準として、
以下の２軸を、一條氏は提唱しています。

一つは、解決が容易か困難かという軸です。ここは、必ず容易なものを選びましょう。
そして、もう一つがインパクトが大きいか小さいかです。
ここは、インパクトの大きいものを選ぶべきです。
なぜならば、インパクトの小さいものなら、
「そんな小さいものがうまくいったからといって、それがどうした？」
となってしまうことがあるからです。

つまり、解決が比較的容易で、かつインパクトの大きいもの。
すなわち、一番おいしいものは最初に食べてしまおうということです。


■考えを深めるためのヒント：
あなたが今取り組もうとしている課題について、
○失敗するリスクを減らすか、
○インパクトを大きくする
ために、どんな一工夫をできるでしょうか。

　手がけようとするテーマが「簡単」「インパクト大」なものとは限りません。
　その条件に叶わないから何もしないのではなく、
　テーマ自体を一ひねりして、条件に合ったものに変えられないでしょうか。


■出典：
「企業変革のプロフェッショナル」
著者：一條 和生
出版社：ダイヤモンド社