ブツソウゲ;仏桑花(アオイ科)常緑低木。原産地不明だが古くに沖縄に伝わる。江戸時代に琉球から江戸に何回か持ち込まれたが栽培に成功しなかったという。高さⅠm。葉は互生し、卵形で縁に粗い鋸歯がある。’~9月、新しい枝の脇に木槿に似た漏斗状の花を開く。雄蕊は融合して筒となり花の外に突き出し、先端は五個に裂ける。花の色は赤、黄、白など。ハワイなどで品種改良された園芸品種が「ハイビスカス」の名で夏の鉢物として流通する。トロピカルなイメージの華なやかな花である。中国名「木槿」漢名「仏桑花」。「妹が居やことにまつかき仏桑花 篠原鳳作」「海の紺ゆるび来たりし仏桑花 清崎敏郎」「トルソ―ぬっと壺中より立ち仏桑花 八木三日女」「寺院ありハイビスカスの咲く中に 星野 椿」「恍惚と旅の寐不足仏桑花 渡邊千枝子」「仏桑華垣の家に棲む婆アひとり 玉城 周」「古墳の村風きびきびと仏桑花 今村潤子」「赤屋根の漆喰いしるし仏桑花 堀 古蝶」「屋根ごとに魔除獅子置き仏桑花 轡田 進」「家よりも墓ひろびろと仏桑花 深見けん二」「村人にハイビスカスの長き舌 有馬朗人」「紬織る筬の間違やハイビスカス 細川普士子」「仏桑花爆心に咲き喪の季節 下村ひろし」「「渚まで続く白砂や仏桑花 古賀まり子「仏桑花華遺影三つ編ばかりなり 福田甲子雄」「防津に黒潮やすむ仏桑花 矢島渚男」「街騒に遠き寺苑の仏桑花 松本可南」「仏桑花兵の骨いま星の砂 白鳥 峻」「酔へばすぐ踊る島人仏桑花 蓮井いく子」「ハイビスカス鬼も希望も沖より来 石井五堂」。(仏桑花 南国の夏も終わりを告げる花 ケイスケ)。