東京都知事選挙に56人が立候補したという。なんと破廉恥な大人たちだろう。子どもの目からは、「大人って子供よりずるいしひどい連中だ」と想うに違いない。勝ち負けとは別に、都民に訴えたいのであれば当然立候補という選択肢もある。だが、数人を除いて、およそひどすぎる大人である。貴重な人生を何のために送っているのだろう。
方や祖国のために我が身を前線に置いて死と直面している人たちがいるというのにだ。同じ日本人であることが恥ずかしくてならない。やれ靖国だの、やれ教育勅語だの、やれ男系天皇だの、やれ夫婦同姓だのと江戸時代の鎖国のような思想が未だに蔓延している。
人生はほんとうに光陰矢の如しである。そんな短い一生に、極論に拘って一生を棒に振るのはどうなのだろう。その人の自由だとは言え、地位も名誉もある大人としてどうにも間尺が合わないのではないだろうか。円安で日本そのものの価値が下がっているというのに、それに輪をかけるような都知事選挙に落胆した国民が殆どだろう。