メンターから教わった成功哲学

資産2億円以上。手取り18万円の介護職からスタートした私が成功するまでのストーリー。

第3話

2023-09-01 07:00:00 | 日記

次第にAさんは介護職の間でも誰もが認める存在になっていった。その時の私にはそれが何故なのかは分からなかった。仕事の能力が特別高いわけでもなく、特別に明るい性格でもない。しかし、誰もがAさんに好感を持っていた。看護師に無視され続けた介護職だったが、Aさんだけは看護師すらも話しかけるようになっていた。<o:p></o:p>

 

私はAさんに対して次第に尊敬を覚えるようになってきた。<o:p></o:p>

 

そのうち、看護師の1人とAさんが付き合うようになったと噂が入ってきた。当時の私たちには介護職と看護師との間には大きな差があって超えられない壁のように感じていた。それをAさんは軽々と超えていったと感じた。<o:p></o:p>

 

Aさんの快進撃はそれに留まらなかった。<o:p></o:p>

 

ついには理事長までもがAさんに目をつけるようになったと噂になっていた。それは噂ではなく、本当のことだと思い知るのはすぐのことだった。病院の運営会議に介護職としてAさんが参加するようになったのである。運営会議といえば看護師でも師長クラス、部長クラスしか参加しないような会議だった。私たち介護職は、会場にお茶を置いたり、椅子を並べたり、清掃といった設営をするだけで、どんな話し合いが行われているか知りようがなかった。<o:p></o:p>

 

Aさんは運営会議に出るような存在になりながら、まだ役職すらももらっていなかった。だから普段は私と同じように介護職の仕事をしていた。入院中の患者さんの尿や便を掃除したり、入浴の手伝いをしたり、自分で体を動かせない患者さんの体の向きを変えたり、看護師に言われたものを材料室に取りに行ったりという仕事だ。Aさんは偉ぶることもなく、介護職としての仕事はしっかりとやってくれていた。だから、誰も彼のことを悪く言わなかったし、好感を持っていた。<o:p></o:p>

 

今でも忘れられない言葉がある。Aさんに私が質問した時の答えだ。<o:p></o:p>

 

「なんでAさんはこんなに優秀なのに、こんな誰でもできる介護職をしているのですか?」<o:p></o:p>

それに対してAさんはこう答えた。<o:p></o:p>

 

「自分がしている仕事に対して、こんな仕事なんて言葉は使ってはいけませんよ。」