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気温も上がり、上着を着て見積もりに行くのがつらくなってきました。

今回のお見積もりは、現場ではなく喫茶店での待ち合わせです、店内には、エアコンが効いており、上着姿の私には有りがたい限りです。

店内には、お母様がお一人でお持ちになっていました。

私が、近寄りご挨拶をするとうつむいていた顔を上げて少しこわばった顔で微笑んでくださいました。

「お座りになってください。」
「遠いところ見積もりに来ていただいてすみません。息子のマンションには、一度しかきた事がないのでこちらのほうが分りやすいのではないかと思い、指定させていただきました。」

「有難うございます、分りやすくて助かりました。」
「現地はここからお近くですか?」

「はい5分ほどのところです、暑かったでしょう冷たいものでもお飲みになってください。」

「すみません、それではアイスコーヒーを頂きます。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コーヒーをご馳走になり、しばらくするとお母様が目を潤ませて私を見ておられる事に気づきました。

「どうかしましたか?」

「すみません。。お宅様がなくなった息子に雰囲気が似ていて、年恰好も同じくらいでしたので思わず、だぶらせてしまいました、ごめんなさいね。」

「そうですか・・・まだお若かったのですね。お辛いでしょう・・・・」

こうなると私も次の言葉が出てきません・・・・・・・・・・

「どうしよう!?」泣きたくなります。。

慰めの言葉もありません、息子様は釣りが好きで船で20時間以上もかかる離島に友達と釣りに行っていて事故に遭い亡くなったようでした。

遺体を本土までそのまま連れて来る事ができず、ご両親は20時間以上かけて離島まで行き、火葬をすませご遺骨を引き取って来られたのです。
しかし、船は週に1便しか出ず出向までに5日間、離島からの船の出港を待つために離島で6日間宿泊しなくては帰って来れなかったようです。。
海外ではなく日本なのに、延べ13日間以上もかけないと息子を自宅までつれて帰ることが出来ないのです。。

突然息子を亡くしたショックと、思いもよらない長旅でお母様は疲れきっておられました。

私もこのようなケースは初めてでしたので興味深く聞いてしまいました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

遺品の整理は、普通90%以上不要という方が多いのですが、お母様は殆んどのお荷物を実家に持って帰りたいという事で引越荷物として梱包しお届けする事になりました。

引越センターを10年ほど営んでおりましたが、現在のサービスをする前にも事情を知らない引越で、このような遺品をお運びしていた事も有るのでしょうね。

お母様の疲れが取れるのにはしばらくかかりそうです・・・・・・・・。



コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
人の数だけ・・ (kaaru_2005)
2006-06-06 10:15:49
人生は人の数だけドラマがありますね。



残された人との関わりの中で 人生の深さを実感します。



 
 
 
離島ですか。。 (てるプー)
2006-06-06 18:56:17
いつ どんな最期になるかは選べないとわかっていても 故人もそんな場所で逝くとは夢にも思っていなかったでしょうね。。

山や海での遭難事故は 発見してもらうまでが大変だと思います。無事に荼毘を済まされて本当によかったですね。

お母様の悲しみが早く癒えることを祈っています。。
 
 
 
(てるプー)さま (管理人)
2006-06-07 00:16:36
私は、小さいころ遊びに行った先で「もし此処で何か遭ったら誰も気づかないのでは」とか、夜中に仕事で山奥の道を通っていたとき、「もしエンジンが止まったら・・・」なんて考えた事はよくあります。。



今はそんな事を考える事はなくなりましたが、用心も必要ですが、あまりそのような事ばかり考えると行動が鈍るとも考えられますので、ほどほどに・・これが難しいのですが、エチケットとして周りの人達に心配かけないようにすることは、普段の生活の中でも同じ事ですね。
 
 
 
最後の時 (rei)
2006-06-07 10:25:38
人間のDNA同様ひとりひとり様々な死があるのですね。

私、ドラマが大好きでよく見てるのですが…この間のクロサギで放送されてた事ですが

「残されたものは死んでからも物語は終わらない・・」みたいな事を山下君が言ってました。本当にそうだろうなぁと少しこのサイトとダブってドラマを見ていました。

このお母様にとっての息子さんの死という状況から少しずつでも良い物語をつくりだせる事をお祈りします。
 
 
 
(rei)さん (管理人)
2006-06-07 15:39:01
亡くなった方の物語が語り続けられる事とは違いますが、遺族や遺品がどうなって行くのかは、あまり関心を持たれていないのですが、重要な事ですよね。



亡くなった方の後の遺族の物語は、殆んどが悲しい事、辛い事、揉め事・・・ですね。





 
 
 
Unknown (さなちゃんより)
2006-06-13 16:52:38
海難事故に会った若き青年・・・のブログの眞田敏雄と申します。

内の方も、其方様の方へ、トラックバックさせて、貰えないでしょうか。

 
 
 
(さなちゃんより)さま (管理人)
2006-06-13 19:25:16
コメント有難うございます。

ご遠慮なく、TBしてくださいませ喜んでお受けいたします。
 
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