ある、国立大学の学生が「硫化水素」によって自殺を図りました。
地方の老舗料亭の長男として生まれた息子さんは、小さい頃から勉強が得意でご近所からもうらやましがられる優等生だったようです。
ご両親も、息子が国立大学に合格して将来の設計は順風満帆だと感じていたのかもしれません。
しかし、夢に溢れた将来像は大学入学から4年間後、あるマンションのお風呂場で締めくくられてしまいました。
発見は、翌日。
まだきれいなお顔をして眠っているかのような息子を発見したのは、父親だったです。
父親が、第一発見者になったのには理由がありました。
死を決意した息子さんは、前日の夜に実家に電話をかけていたそうです。
電話の内容は、お聞きすることはできませんでしたが、血の繋がった父親が直感的にそれを感じとったのでしょう。
翌朝、一番の飛行機で父親は息子のもとへ向かったのですが、到着した時には室内に”卵の腐った”その臭いが立ち込めていたそうです。
”眠っているような息子の息は、まだあるかもしれない”
そんな、希望を最後まで捨てずにお父様は願っていたことでしょう。
しかし・・・神様への願いは届かず結果は、手遅れでした。
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不幸中の幸いとは、言えませんが父親とご近所の方などへの2次被害だけは有りませんでした。
もしかするとお父さんは、その状況を把握してある程度の予想をしていたのかもしれません。
なぜかと、言いますのも遺品整理にお伺いしたスタッフによれば、息子様のお持ちになっていた書籍の多くに薬品関係や毒性についての学術書などが多くあったという話を聞いているからです。
そのような学術分野を専攻されていたのだと想像がつきます。
ですので、専攻を知っているお父様は気になってすぐに息子のもとへ向かったのでしょう。
息子のもとへ向かう父親の心境を想像するだけで、他人の私でさえ気が狂いそうになるイメージを持ってしまい深く考えることはできません。
なんと悲しい悲惨な出来事でしょう・・・
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数日後、当社のスタッフは現場に入って遺品整理のお手伝いをさせて頂きました。
今回は、食べかけで残っていたパン以外の息子さんの遺品はすべてを実家までお届けすることになりました。
故人も、ご遺族もお気の毒なのですが、私の心配は当然もう一つあります。
スタッフへの被害がないかどうかです。
私は、担当者へ電話を入れました。
「ご苦労さま、しっかりとお手伝いしてあげて下さいね、ところで自分たちの体には異常はないか?もし少しでも体調に異変があったり変な臭いだと感じたら作業を中止して、外に出なさいよ」
「はい、今のところそのような問題はなさそうですので大丈夫だと思います」
「そうか、日にちも経っているから大丈夫だとは思うが、室内には長時間居るわけなので油断したら駄目だよ」
「はい、分かりました。」「しかし、先日の見積もりの日にはさすがに少し臭いもありましたし、何か頭痛を感じましたよ、いやすぐに治りましたけど」
「あほ!そんなのんきなこと言っている場合か!もしもの事を考えて慎重しすぎるくらいの行動をとってくれよ」
「分かっています、慎重に対処しますので心配しないでください」
幸いにその後もスタッフの誰一人体調に異常を訴える者はありませんでしたが、もしもの事を考えると怖いですよね。
実は、この日まで私自身この「硫化水素」に対する知識は、全くなくてそのような自殺手段が流行りだしていたことも知らなかったのです。
それから、数か月たった今。
毎日のように新聞紙上に、「硫化水素」と言う文字が並んでしまっています。2次被害によって命を失った方々もおられる、非常事態になってしまいました。「硫化水素」だけが問題ではないのでが、自殺(自死)は、自分以外の家族やお友達など多くに方に酷く辛い精神的なダメージを与えてしまうのです。
先日も当社に、自殺願望者からの遺品整理の片づけ依頼の電話がありました。
確かに本人も心の病に侵されているのかも知れませんが、だからと言って「気の毒ですね、もしもの時はお手伝いしてあげるから心配しないで良いですよ」なんて言えるわけないでしょ!
当社の社員は、こうお伝えしたそうです。
「そんな重大な悩みを持っているのに、自分の荷物の片づけなんて気にしている場合ではないでしょう!こんなところに電話してくる暇があったら両親に電話して相談しなさい!」
そう言うと、本人はすみませんそうしますと言って電話を切ったそうです。
自死遺族の方や今現在お悩みを持っている方には、少しきつく感じるかもしれませんが私は自死を選択しようと思っている人にこう言いたいです。
「あなたには、自分の都合で自死を選択できる権利は有りません、だから絶対にそんな事はしないでください」
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そのしがらみから抜け出したくて自死を選ぶのだと思いますよ。
残念ながら、ね。。。
満員電車で、、とちょっと心配になります。危険な現場お気をつけください。
スタッフの皆様、お体にお気をつけくださいませ。
今日、母の遺品を片付けて頂きました、三島の伊藤です。
とても丁寧で、礼儀正しくて、テキパキと作業して下さってありがたかったです。うれしかったです。
早速 『B-note』という所で宣伝させて頂きました。案の定というか、そうだよなーというか、知らない人ばかりで「そういう所があるなんて知りませんでした」「もしもの為にお気に入りに入れました」というコメントがチラホラ。私も検索してみて知ったわけですから、まだ若く、希望に溢れた生活をしてる彼女達が知るヨシも有りません。けれど、絶対いつか必要になる!その時に、こんなに優しく丁寧にして頂けたらどんなにありがたいか。
母の荷物がなくなり、広いと思っていた部屋が、実は狭かったと感じ、母の死後初めて涙が出ました…。
息子の電話に本能的に危機感を感じた父親の気持ち、駆けつけた時の絶望感、悲壮感。
私事で申しわけないのですが、うつによる休職から職場復職して数ヶ月経ちますが「消えてしまいたい」感と毎日戦っています。勝手に死を選ぶことができない、という義務を思い出して思いとどまっています。
すみません、つらつらと書いてしまいました。
斜め後ろに座っていた級友が自殺しました。
真面目で、
中学時代は皆勤賞をとった子でした。
彼女が唯一遺した『遺産』というものが、
もしあるとするならば、
彼女に対し混乱し、悲しみ、怒り、当惑したすべての人間が、
この世を去る手段として、
自殺という方法を採ることはないだろう、
ということです。
もっとも、
松谷みよ子さんの現代民話考にある、
「さあ今日は死にましょ」と言って、
突然首を吊ろうとしたお婆さんのような、
そういうタイプの自死もあるのでしょうが。。。
以前何度かお話しした弟が死にました。49歳でした。
2年前に出て行ってマンションでひとり暮らし、当時アルコール依存で借金まみれ、無職、でした。
倒れたのは銭湯で、客に発見されて救急車が来たときは、クモ膜下出血ですでに意識がなかったそうです。
身元がわからず、名刺から会社の人が警察に頼んでうちに連絡が来ました。
夜倒れて次の日まで持たせ、午後には死にました。
あとに借金や踏み倒し、未払いなどがゴマンと残されていましたが、当人はここ1年半は調子よく働いていたようです。
おどろいたのは、会社の人たちがたくさん弔問に来られたばかりか、口々に人柄のよさを言われるのです。
就職してからは借金もせず、遅刻・欠勤もなく人望もあったのだそうです。
こちらには管理費を払わないとか、部屋がゴミ屋敷だとか、そういう情報しか来ないし、本人とは全く連絡が取れないしで、ほんとうにいやな思いも心配もたくさんしました。
いい気なものです。
とにかく、あとの処理をキーパーズさんにお願いするようなことにならなくてほっとしてます。
死に際も、姉と会社の人たちが看取ることが出来、葬儀も私の自宅でやり、と、最後はけっこうよかったので、まあいいかと思ってます。
それにしても、アルコール依存症者の寿命は50歳だとか52-3歳だとかいう話は聞いてましたが、こんな風に訪れるものなのですね。
次は私が倒れないように、いつ倒れてもいいように、しっかり準備をしておかなくてはと思っています。
まあアル中ではないので、虚弱体質とはいえもう少し長生きするつもり?ですが。